H&M社長、日本進出戦略を語る
2回連続でH&M(エッチアンドエム)のエントリーで恐縮ですが、2月16日の日経MJにスウェーデンのファストファッションSPA、H&M(へネス&モーリッツ)のロルフエリクセン社長が日経MJのインタビューに答えて、日本進出戦略について語った記事が掲載されていました。
ポイントをまとめておくと、
○日本にパートナーはおらず、独資で進出(ご存知のように、ZARAはビギと組んで日本の第一歩を踏み出しましたが・・・)
○原宿の1号店は(客層に合わせて)若年層スタイルで行く。(フォレット跡地を見に行くとわかりますが、地下1階地上10階建ての建物のうち3層x150坪の店舗になる模様ですね)
○その後は銀座、渋谷など東京首都圏をドミナント的に固めてから地方へ出店する見通し。
○条件と環境が合えば既存チェーン買収も視野に入れるとのこと。
今回のインタビュー記事からわかることは以上になりますが、これらのうち立地戦略である3番目と4番目は非常に興味深いところです。
前回の記事で、今年OPENする中国も上海を固めてから各地へ、の戦略であり、日本も同様。ZARAのようにスペインの本部から世界の裏側の店舗でも72時間以内に商品を届けるFEDEXと組んだ空爆式の物流とは違って、世界で買って世界に売るH&Mは、ローカルディストリビューションセンターが要となるので、この戦略は合点がいきます。
また、「買収」の一言は非常に重みを持ちますね。
これから東京の好立地に大型店を出すとなると、なかなかいい立地がないので、再開発立地か、既存チェーンの買収が有効なのも納得できます。同社が2004年にライバルGAPのドイツ国内事業を買収し、好立地10箇所を手に入れた話も記憶に新しいところです。
また、以下はイトーヨーカドーが2005年にまとめた資料ですが、
ウォルマートを筆頭にした世界の小売業時価総額ランキングの中でH&Mの時価総額は第9位、当時で3兆円相当は、世界のファッションリテーラーではダントツトップ、日本一の小売業セブンイレブンジャパンをも凌いでいるのがわかります。
今年の6月から日本で外資企業の三角合併が可能になりますので、同社もこの手を使ってくることは十分考えられますね。
リテーラーである同社が、日本のマーケットですばらしいプレゼンテーション(マーケティング)を行えば、毎年2桁成長を続ける同社の収益性とともに、株式交換を受ける株主も納得させることができるかもしれません。
これらが現実味を帯びてくると、同社のインパクトは、業界に限らず社会的なものになるかもしれませんね。
本日、17日の日経新聞1面の大丸、松坂屋の統合も買収対策の一手でもあるとのこと。ウォルマートやH&Mが日本の百貨店を買収しないとも限りません。
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