小売等役務商標制度スタート
3月30日の日経MJに流通業界や生活者にかかわる、4月1日から変わる主な制度や法律に関するハイライト的な記事が掲載されていました。
この中で、ファッション流通的には、「小売等役務商標制度」のスタートをおさえておく必要があります。
この制度が出来る前は、たとえば、「ユニクロ」という屋号のお店があった場合、その屋号、商標を第三者から保護するためには、アパレル(被服)、バッグ、履物などの取り扱う商品カテゴリーについて個々に商標登録をする必要があったのに対して、これからは、第35類で、「小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」として役務(サービス)商標登録することにより、店舗名としての屋号を守ることができるようになります。
ブランド直営店やSPA系のところは、もともと、25類(被服・履物など)などの、商標登録で屋号・店名を守っていたところ、新たにこの役務商標登録の必要があり、一方、自社レーベルの無いセレクトショップや集荷型専門店、百貨店などは、今後、個々の商品商標登録よりも、この小売等役務商標で自社の屋号・店名を守ることになります。
日本の商標権制度は「先願主義」と言って、早く出願したもの勝ちです。そこで、4月1日から6月30日までは新制度スタートの暫定措置として、この間に出願した会社または人は、同時に出願したとみなされるようです。
当然のことながら、同時に出願した場合、どちらに商標権が認められるかというと、勝手に商標をおさえて、ひと儲けしようという輩ではなく、既に店名を守ろうと商品の商標登録をしている実績があったり、実際にその店名を使用して店舗を運営している会社であったり、周知度(知名度)の高い方になりますから、まっとうなリテーラーの方々には、6月30日までに出願することをお勧めします。
もし、それを過ぎてしまって、別の会社が先願していたとしたら・・・せっかく愛した屋号・店名の変更、看板を下ろさざるを得ないはめになるかもしれませんので、十分ご注意を。
昨日、この件に関して、政府の知的財産関連の諮問機関にも関与している弁理士の方とお話をしましたが、欧米アジア主要国には既に屋号を守る制度はあり、日本はずいぶん遅れていたそうですね。
詳しくは、普段、皆さんがお世話になっている身近な弁理士の方にお問い合わせください。
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