プレオープンとグランドオープン
3月、4月は年間の中でも出店の集中する時期。今年も、私のほとんどのクライアント企業さんが毎週のように、各所で新店をオープンさせ、大方、まずまずの成果をお聞きし、よかったなぁと思っています。
昨日は、事業の発案者である若い事業部長さん(女性)を社長特命でビジネスコーチングしながら、1年がかりで、ご一緒にプランをブラッシュアップしてきた新規事業立ち上げ1号店がグランドオープンにこぎつけました。
とてもユニークで新規性の高い事業内容で、一昨年に手を挙げた信念と情熱をもった彼女の社内、役員向けプレゼンテーション資料や出店政策、店舗損益、中期事業計画の作成、取引先開拓のアプローチ・賛同を得る手法からオープンに向けての前準備まで、幅広くコーチングさせていただく中で、私自身の過去の断片的な経験を総動員し、かなり整理され、体系的になり、自分にとっても充実した案件となりました。
そんな事業部長さんとの話し合いで、グランドオープンに先駆けて1週間前までに売場を完成させ、時間限定でお店を開け、実際に販売を行う、プレオープンをすることになりました。ちなみにこのお店は路面店です。
目的は、売上ではなく、ファッション販売の経験のないスタッフさんもいるオープニングスタッフの仮の実践の場であるとともに、こんなお店がオープンするというお客様への告知、ご紹介といったコミュニケーション戦略の場と位置づけました。また、スタッフさんもお客様もくつろげる、ある雰囲気作りをし、ゆったりとしたコミュニケーションが図れる工夫を試みました。
プレオープンの後、事業部長さんの依頼で、お客様と短時間ではありますが、コミュニケーションを図ったスタッフさん全員を集めて、グランドオープンを迎えるにあたって、課題の整理のための店内研修会を行いました。
通常、私が、クライアント企業さんの幹部候補社員向け勉強会の最初に使う手であるKJ法を用いたグループワーク形式の研修会でしたが、ファッション販売の経験の有無、長さにかかわらず、全員のスタッフさんから、事業部長さんも耳の痛い、お客様の目線に立った課題が次々と抽出され、その後、事業部長さんを中心に課題が整理されて行き、すぐにできること、オープン後やりながら考えること、永遠の問題など、全員参加型の活発な議論がなされ、非常に前向きに研修会が終了しました。
グランドオープン当日、オープン朝礼に立ち会った私は、「すぐにできること」のほとんどが実行されていたのがわかりました。
スピーチの機会を頂いたので、プレオープンからグランドオープンに向けての、彼女たちの姿を賞賛し、今後も、忙しくなっても、あの時話し合った初心を忘れず、機会を作って、全員参加で、話し合って課題を解決して欲しい、という言葉をはなむけとさせて頂きました。
グランドオープン初日、一丸となったスタッフさんたちは、予算を大きく上回る売上を上げました(拍手)。
私も過去、いろいろな立場で、新店オープンを数々見てきましたが、なかなかオープン後、走り出してしまうと、ほぼ365日営業している店舗では、日々の忙しさ、スタッフ同士のシフトによるすれ違いから、誰もが感じている課題がわかっていても話あえず、解決のアイデアは、内部にあるにもかかわらず、そのまま放置されてしまうこともあるものです。
チェーンストアにおいて、それを解決するのは、本部スタッフの仕事かもしれませんが、やはり、当事者である店長を中心とした現場のスタッフさんが「自分たちのこと」として取り組むことが理想であると思います。そして、そんな「自分たちで考える力のサイクル」を回してあげる継続的な環境づくりをするのが、本部の役目であると。
今回はそんな形で、新規事業のプレオープンとグランドオープンをご一緒に経験させていただくことで、あらためて、そんなことを感じさせられました。
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