米GAP、2年連続減収減益。世界SPAの世代交代鮮明
米GAP(ギャップ)の2007年2月3日で終わる2006年通期の決算速報が3月1日付けで同社HPにリリースされていました。
金額は以下、わかりやすくするため、3月2日の為替レート、$=117.4円で換算し、円で表します。
売上は1兆8,717億円で約1%の減収、
経常利益は1,483億円で30%の減益
となります。
中身を見てみると、
米GAP事業・・・・・・・・・・・・6%減収、既存店売上前年対比は-7%
米バナリパ事業・・・・・・・・・9%増収、既存店売上前年対比は±0%
米オールドネイビー事業・・・±0%、既存店売上前年対比は-8%
海外事業・・・・・・・・・・・・・・±0%、既存店売上前年対比は-8%
となり、唯一バナナリパブリック事業の収益をその他が食っている格好になっていますね。また、オールドネイビー事業の売上構成比が、海外を含めたギャップ事業を上回った模様です。
これを受けて、今期は、経営戦略的には、エンターテインメントビジネスのディズニーからこられたマーケティング系のCEOさんが、業績回復を実現できず、退任され、今期は創業者の息のかかった、マーチャンダイジング系の経営陣を固め、引き続き店舗のスクラップ&ビルトを行い、商品問題の建て直しを行うようです。
事業別方針としては、
①GAPのリストラ
②オールドネイビーの強化
③新規事業のフォース&タウンは撤退
とのことです。
気になったので、比較の意味もこめて、ちょうど07年2月で締まった世界2位のファッションSPA、LIMITED BRANDS(リミテッドブランズ)の2006年通期決算速報も除いてみましたが、同社は
売上高1兆2,527億円で約10%の増収、
経常利益は1,288億円で約15%の増益
となりますが、中身は、インティメイト(下着)ビジネスのビクトリアズシークレットとヘルスアンドビューティー事業のバス&ボディーワークスがグループ売上高の2/3を占め、成長を牽引しており、もともとの基幹ビジネスであるアパレル事業、LIMITEDやEXPRESS(グループ売上高構成比は1/3以下)はリストラ中なのがわかります。
ベーシック系アパレルSPAで世界1、2位の規模になった両社。GAPは既存アパレル業態の建て直しに懸命で、LIMITEDは非アパレルファッションビジネスで成長しているのが現状です。
なお、GAPは以前ブログでもご紹介したように事業売却の検討にも入っているとのことです。
一方、世界3、4位のH&MとZARAのファストファッション系SPAの躍進は、アパレル事業を中心に二ケタの増収増益中。
今月、21日に1月31日で締まったZARA(ザラ)を展開するINDITEX社の2006年通期決算が発表される予定ですが、その時点で、世界4大SPAの順位は
2005 2006
1位 GAP GAP
2位 LIMITED INDITEX (ZARA)
3位 H&M LIMITED
4位 INDITEX(ZARA) H&M
となることがほぼ決まった模様です。LIMITED、H&Mの成長も2桁増と立派なものですが、ZARA(ザラ)を展開するINDITEXの20%超のハイペースの出店がものすごいですね。収益性ではH&Mが確実に伸ばしています。
このあたりはINDITEXが出揃った段階でまた見てみましょう。
いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援よろしくお願いします。
>>>人気blogランキング に参加しています。
【第13位】↓down (07.03.02現在)
関連エントリー-米GAPが事業再建計画検討へ
| Permalink | 0
Comments