H&Mの足音が聞こえる
4月13日の繊研新聞に、12日中国本土1号店となるH&M(エッチアンドエム;ヘネスアンドモーリッツ)の上海店オープンに関する記事が掲載されています。香港に続き、一歩づつ、じわりじわりと日本に近づいて来ているような感じですね。
同紙記事の内容に加えて、H&Mのプレスリリースや海外ネットニュースを織り交ぜてどんな様子だったのか、いろいろ探ってみました。
オープン前日の前夜祭は、オーストラリア出身のスーパースター、カイリー・ミノーグが駆けつけ、チャイナドレスで登場し、ヒットナンバーでH&M中国1号店を祝福すると同時に、来月から全世界で販売される”H&M Loves Kylie”というスイムウエアのコラボコレクションも世界に先駆けてお披露目したとのことです。少林サッカーのマドンナ、ヴィッキー・チャオなど中国の有名スターたちも招待され、ずいぶん派手なパーティーだったようですね。
オープン当日は、開店前に700人(繊研新聞には300人とありましたが)が並び、4層、660坪のレディース、メンズ、ティーンズ、キッズのフルラインの売場は大盛況だったようです。
訪中したロルフ・エリクセン社長への各メディアのインタビューで気になった部分としては、H&Mの生産の60%を占めるアジア生産のうち、その半分である30%が中国生産。供給国として25年の付き合いである中国には、マーケット、人脈も含めてそれなりの理解がある、とのことで、なおかつ、生産地での販売となれば、更なる短サイクル生産・デリバリーのオペレーションへのチャレンジも行いたい、としているようです。
やはり、生産のハブ拠点、中国でオペレーションに磨きをかけて日本進出、というわけですかね。
同様にH&Mが日本に来る時に楽しみにしているのは、顧客コミュニケーション戦略です。H&Mはメディアに対してだけでなく、一般生活者に対してのプレスリリースも上手です。つまり顧客へのファッション啓蒙活動とでも言いましょうか?
一般的に、日本のファッション企業は、極端なことを言うと、シーズンインして、雑誌掲載や店頭に商品が並ぶまで、情報は生活者にはなかなか入って来ないものです。たぶん、競合他社に情報が漏れることを恐れての結果ではないか、と見ていますが。
一方、H&Mは同社のプレスリリースなどを見ていると、比較的、前もって、来シーズンのうちのトレンドはこうだよ、とか、こんな仕掛け(コラボなど)をしますよ、といった情報を意図的に公表して、期待を膨らませ、「お待たせしました」って感じで発売を迎えるしかけをよくやっているように見受けられます。次シーズンのトレンドを前もって、わかりやすく説明してくれれば、生活者の立場に立っても、親切で、信頼度が高まるのは当然ですよね。
ZARAはあまり広告宣伝にお金をかけないと言われていますが、H&Mはかけると言いますから、どんな手(宣伝活動)を尽くして来年の秋を迎えますかね?東京オープンに向けて、著名スーパースターとのコラボコレクションは当然でしょうし、海外滞在や海外旅行でH&Mでショッピングを体験した人たちをトレンドセッターとして焚き付けることも定石でありましょう。
確か、原宿のGAPが出来た時も、当日使える割引券配布で表参道に1000人くらいは並んだと記憶していますので、H&Mはどんなしかけでどれだけ人を並ばせるかも興味深いところですね。
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