週報の活用いろいろ
ファッションリテーラーの店舗から、週に1回、本部各担当者に1週間の販売状況をレポートする「週報」は、週間PDCA(仮説検証;PLAN DO CHECK ACTION)を実践する企業であれば、どこの会社でも取り入れられていると思いますが、その内容については、試行錯誤されている企業も少なくないと思います。
ここ最近、私の複数のクライアント先でも、改善テーマのひとつになっており、「あるべき姿」の議論を繰り返している話題です。
この「週報」には、経営者の思いもいろいろなこめられているとは思いますが、いずれにせよ、
○POSデータからわかる数値ではなく
○店頭にいなければわからない情報
であるべきで、
○事前に本部からの明確な商品・販売政策の意思発信があってこそ活き、
○月曜日の午前中に読み手の手元に届かないと意味がない
ものだと思っています。タイムリーに、本部が知りたい情報が店舗から上がってくる状態が、店舗と本部がうまくいっている状態であり、週報不要論が出ているうちは、両者の関係は良好ではない、本部は怠慢を恥、もっと聴き上手になるべきだと思っています。
そんな問題意識を持ちながら、6月15日の繊研新聞に掲載されていた、もともと小売店への卸売が中心のジーニング系カジュアルメーカーが出店している直営店に関する記事を読んでいました。ブランドを有する企業の事例のため、ブランドやものづくりのこだわりを直営店で、いかにエンドユーザーに伝えるか、という内容が多かったのですが、その中で、目に留まったのは、アスディックという会社の話です。
「試着してもサイズが合わなかったために購入しなかったケースをカウントし、週報で上げている。」
気に入って試着までしたのに買わなかったもの。これこそデータでは読み取れない「機会ロス」の最たるものであり、今後の商品企画改善を考えるヒントとしてもっともわかりやすい情報のひとつだと思います。
毎シーズン、新しいものを創るのも大事なことですが、売れなかった理由を考える。きっと同社は、直営店を出して、メーカーとして本当に大切なことのひとつに気がついたに違いありません。
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