業務改革も小さな成功の積み重ねから
6月9日のフジテレビ土曜9時からの映画劇場、「土曜プレミアム」、織田裕二、柴咲コウ主演の「県庁の星」を楽しく観させてもらいました。
この映画は、順風満帆の人生を送り、常に上からモノを見ていたエリート県庁職員である織田裕二演ずる主人公が、「民間の知恵」を学ぶ研修先のスーパーマーケットで、ある挫折を機に、それまでのお役所的な態度を改め、柴咲コウ演じるパートの女性と共に、閉店の危機に追い込まれた職場の業務改革に取り組み、その体験に基づき、県庁に帰任した後も現場主義的改革精神をもって、県庁の旧態依然とした体質改善のために尽力する、というストーリーです。
この映画の舞台は香川県とのことですが、ちょうど宮崎県の東国原知事のご活躍も話題な昨今、タイムリーな放映だなと思いながら観ていました。
主人公が県庁議会に突きつけた税金浪費プロジェクトの経費削減見直し案は、そう簡単には認めてもらえなかったという、サクセスストーリーでは終わらなかった結末ではありましたが、「絶対あきらめないぞ」という主人公のセリフ、また、それまで国税を使って県庁職員が贅沢をしていた象徴であるスカイラウンジの高級マシーンから抽出されるエスプレッソコーヒーが、それまでの無料から一杯百円募金に変わっていたエンディングシーン。主人公の情熱が伝わり、できるところから少しづつ県庁が変わっていく予感を感じさせる場面で映画がエンディングを迎えるところに好感を感じたものです。
この映画を見ていて、今週、あるクライアント企業さんの店長会議に出席させていただいた時のことを思い出しました。
会社全体の業績は順調なのですが、一部不振店舗群があって、そこの店長さんたちだけが集まった分科会を
を覗かせて頂きました。落ちてしまった店舗スタッフのモチベーションを取り戻すことを中心に抜本的な業務改善が急務で、多くの本部の方々が入れ替わり、助言をし、店長さんたちを中心にいくつかの取り組み案が決定されて行きました。
結論が出たころに、最近ある大手企業から本部員として、中途採用で入ってこられた店長経験者の方が一言、
「どれも大事なことだけど、一気にやろうとせず、ステップと期限を決めて、ひとつひとつ現場の人たちに出来ている、うまくいっているということを実感させながら、次のステップに進むことが大事だと思うよ」と。
とてもよいアドバイスだと思いました。
業務改善や予算設定なんかもそうなんですが、どんな組織でも経営トップの理想は高く、そのまま現場に落としたり、初期段階で焦って無理をさせると、のっけから拒絶反応、消化不良を起こし、できない、うまく行かない、無理だ、というダウンスパイラルに陥ってしまうケースはよくある話です。
こういう時こそ、中間管理職の腕の見せ所ですね。その方がおっしゃるように、最初が肝心。どんなに目標が高くても、特に初期段階で現場が「おっ、できるじゃないか」「できる、できる」という小さな成功、自信をつけられるように目標設定してあげることが大切だと思います。
皆が、自信をつけながらステップを踏み、次第に上昇気流にのってしまい、期待以上の成果をあげたというケースを私も、いくつも見てきています。
高い理想、目標を掲げながらも、何事も一足飛びをせず、小さな成功、自信を地道に積み重ねてゆく・・・なんだかんだ言っても、それが業務改革、目標達成の早道ではないでしょうかね。
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Comments
taka殿
ご無沙汰しております。
私は「県庁の星」は拝見しておらず、「なんとなく」この記事を読ませていただいたのですが、個人的にとてもタイムリーな内容だったのでコメントさせていただきます。
本日私の新人アルバイトスタッフのOJTを実施しました。
新人OJTは以前にも経験があるのですが、業務に関する知識や仕事に取り組むうえでのスタンスを、1から指導するのはやはり時間と手間がかかるなぁ、と思っていたところに
>どんなに目標が高くても、特に初期段階で現場が「おっ、できるじゃないか」「できる、できる」という小さな成功、自信をつけられるように目標設定してあげることが大切
「あぁ、そうか」と大変感銘を受けました。
思えば自分自身がこれまで学んできたときも、目標設定、動機付けがうまくされたときは成果も伴っていたなぁ、と。
これまで「一度に詰め込みすぎない」「無茶はさせないが、たまに少し背伸びをさせてみる」「些細なことでも評価する」を念頭に教育を実施してきましたが、経験則やマニュアルによるところが主でした。
しかしこれらはあくまで手法であって、それよりも
「小さな成功、自信を積み重ねて、上昇気流に乗ってもらえるように目標設定する」
ということが肝心なんだと思いました。
これからは目標設定と動機付けを大切にして育成に取り組みたいと思います。
では、また。
今後も良い記事をよろしくお願いいたします。
takmi
Posted by: takmi | June 14, 2007 01:29 AM
takmiさん
いつもコメントありがとうございます。
人材の育成は、大変ではありますが、やりがいのあるものです。
>「一度に詰め込みすぎない」
>「無茶はさせないが、たまに少し背伸びをさせてみる」
>「些細なことでも評価する」
これらもとておも大事なことですね。
よく「リーダーシップ」と言いますが、指導力をつけるためには、「自信」をつけることが大前提だと思っています。自他ともに認めらるがゆえに自信も付くものです。
当然、何事も継続、積み重ねが大切です。
今後のご活躍、応援しています。
よろしくお願いいたします。
Posted by: taka | June 15, 2007 07:04 AM