三越が日本の百貨店業界初のアウトレットモール出店へ
6月6日の日経新聞、繊研新聞によると三越はインポート商品の買い付けによる自主編集売場、「ニューヨーク・ランウェイ」の在庫を処分するためにチェルシージャパンが7月6日に開業する神戸三田プレミアムアウトレットに出店するとのことです。
アメリカではサックス・フィフスアベニューのアウトレット、OFF5th(オフフィフス)などが大商圏アウトレットモールの常連になるなど、百貨店のアウトレットモール出店は、珍しいことではありませんが、日本では、今回の三越のケースが百貨店業界初のアウトレットモール出店となります。
今まで、日本の百貨店がアウトレットを必要としなかった理由は、アメリカの百貨店では、メーカーとの取引条件が「完全買取」=在庫リスクは百貨店側にあるのに対し、日本の場合は、「委託販売」(売れ残りは返品する)または「消化仕入」(店頭で売れたものしか仕入計上しない)が一般的で、百貨店側に在庫リスクがほとんど存在しなかったためです。
余談になりますが、アメリカでは、百貨店や専門店も在庫リスクを張っているがゆえ、売れ行きが悪く、キャッシュフローを悪化させると判断すると、ブランドものですら、シーズン中に、アウトレットはもちろん、アンダーグラウンドなクローズアウトマーケットで在庫を換金することも少なくないと言われています。アメリカのファッションビジネスって、それくらい切迫していてドライな話なんですよね。
日本の場合、今回のような、自ら買い付けた自主編集売場の商品は確かに百貨店の在庫リスクの対象となるわけですが、一般的には、メーカーに協力してもらったり、催事などで処分をすることによって、さほど継続的なはけ口を必要とするほどの在庫は抱えていなかったと認識していました。
三越のニューヨーク・ランウェイは、95年にスタートし、現在9店舗で展開をしているインポートカジュアル、婦人服などの自主編集売り場。
力を入れているからこそ、在庫のはけ口も必要となる、と理解すべきなのでしょうね。
最近、百貨店各社、差別化のために、自主編集売り場に力を入れているようなので、今後、三越に続いて、他の百貨店もアウトレットモールに出店する話も出てくるかもしれません。
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