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July 30, 2007

先週の記事別アクセスランキング

 先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-H&Mの銀座旗艦店出店情報(07.07.13)

 コメント:日本進出1年前となって、業界内でも話題が徐々に
      高まってきているようです。

2位-ファストファッションの挑戦状(05.10.16)

 コメント:古いエントリーながら、業界話題のキーワードの
      ひとつとして「ファストファッション」が注目され、
      検索エンジン経由でアクセスが増えています。

3位-業界各社、等身大のリアルクローズを(07.07.22)

 コメント:これこそ外資黒船対策ですよ。

4位-セール期と実需最盛期(07.07.25)

 コメント:変わるセール対策、皆さんの周りでは・・・

5位-基準なくなる服のサイズ(07.07.21)

 コメント:多様なデザインに試着は欠かせません。←この傾向、
      ネット販売にはアゲインストかもしれません。

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July 29, 2007

8月10日(金)、大阪にてファッションビジネスセミナーの講師務めます

 来る8月10日(金)、大阪の富士通ビジネスシステムさん主催のファッションビジネスセミナーの基調講演の講師をさせていただきます。

日時   8月10日(金)
     14:00-17:00(前半90分が私の講演です)
 
場所   株式会社富士通ビジネスシステム
      関西営業本部 セミナールーム
      大阪市北区梅田3-3-10 梅田ダイビル13階
 
講演テーマ 「SPA時代のファッションリテーラーの在庫コントロール」

 東京の富士通ビジネスシステムさん主催のセミナーで、過去3回連続で満員御礼いただきました好評の内容につき、このたびは大阪でやらせていただきます。
 
 内容は、以前私が勤務していたアパレル専門チェーンにおいて、社長特命で在庫コントロール部を立ち上げてから、他社のベンチマーキングと試行錯誤を繰り返しながら、業務を構築、人材育成を行った3年間の事例をまとめたものです。

 今週、恒例のIFIファッションビジネススクールのプロフェッショナルコースでも大手アパレル、SPA、百貨店の中堅社員の方々向けに類似の講義をさせていただきましたが、ここに来て、ようやく、マーチャンダイジングにおける在庫コントロールの重要性が認知されてきたなぁという実感があります。

 これから、海外から参入する大手ファッションSPA企業、国内の好調ファッションSPA企業と競っていく上で、私が常々ブログを通じて訴えていること・・・よくお読みになっている方はおわかりだと思いますが

○等身大のマーチャンダイジング

○生活者の心理、店頭を起点としたディマンドチェーン発想によるサプライチェーンマネージメント

○変化に対応するための店頭在庫コントロールの精度アップ

 こそが、雌雄を決する時代に突入したと思っています。

 このうち、セミナーでは、生活者視点の店頭在庫コントロールの実践論について語りたいと思います。

 セミナーの、後半は、200社以上に導入実績があり、某大手SPA企業や某靴専門チェーン企業が活用して実績を上げている、私のビジネスパートナーでもある松山電子計算センターさん開発のファッション専門店向けマーチャンダイジング業務パッケージソフト「現場主義II」のデモンストレーションもあります。
 
 ご興味のある方、参加をご検討される方は、こちらからDMをダウンロードができます。

 10-50店舗超くらいの規模の成長中ファッションリテール事業を運営されている方にタイムリーな内容です。参加費無料で、まだ、多少空き席はあるようですので、参加ご希望の方は、富士通ビジネスシステムさんホームページからお申し込みくださるか、同社受付窓口にお電話ください。

 株式会社富士通ビジネスシステム
 関西営業本部営業支援部
 Tel:06-6343-2628

 富士通ビジネスシステム主催セミナー参加申込ホームページ

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July 28, 2007

特許庁舎内で偽ブランド販売

 7月28日の日経新聞に、模倣品対策を推進するはずの特許庁が、同庁舎内で、偽物のグッチのバッグとコーチの財布が販売していたとして、輸入雑貨販売業者のルナ・ブランド社を、7月25日付けで島根県松江警察署に対し商標権侵害罪の疑いで告発した、との記事が掲載されています。

 このニュースは、私も記憶がありますが、4月の中旬にTVの報道番組などで報じられた疑惑を調査した上、このたび正式に告発に踏み切った、という経緯のようです。

 「知的情報局」の関連ニュース

 よりによって、特許庁が、こういったブランドもののブローカーに場所貸しを認めること自体が、極めておそまつで、脇の甘さを感じますね。

 調査から3か月も経ってからこういう発表していることも同庁らしいというか・・・ 

 しっかりしてほしいですね。

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July 26, 2007

三越、伊勢丹資本提携は誰のため?

 7月25日に百貨店業界4位の三越と5位の伊勢丹が経営統合を視野に入れた資本提携への交渉をスタートしたとのニュースが発表され、話題になっております。

 各メディアは、業界1位となるグループ誕生、業界の流通再編進む、4強時代へ、なんて報道をしていますが、TVのあるコメンテーターが「4強じゃなくて、4弱になるんじゃないの?」と言っていたのがとても印象的でした。


 百貨店業界全体の売上は90年代初頭から年々落ち(9兆円→6兆円)、その中で、統合によって、生活者のために、品揃えをよくすると言っても、現実は、規模を大きく見せ、仕入先に対するバイングパワー(購買力)、半強制力(発言力というよりも)を増して、利益率を高め、生き残ろうという発想ですからどうなることでしょうか。

 先のコメンテーターが言われていたように、「百貨店業界の中で競うんじゃなくて、(仕入先ににらみを利かせるためじゃなくて)、生活者のために、競争して切磋琢磨する相手は、外資系を含めたファッション専門店なんじゃないのかな」っていう意見に100%AGREEです。

 今回の動きに対して、業界で耳にした声をいくつかまとめてみます。

○再三投資ファンドによる買収にさらされていた三越のメンツを保ったままでの救済策

○業界は、完全に伊勢丹の天下に

○三越の過去の栄光にすがる人たちが一掃されるまで、統合といっても最低5年はかかるでしょう

などなど

 いずれにせよ、生活者最適に百貨店業界が再編されることを望みます。

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 関連エントリー-伊勢丹・東急百貨店の業務提携の方がすごい

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July 25, 2007

セール期と実需最盛期

 7月24日の繊研新聞に、アパレル大手のフランドルが、6月末から7月にかけての夏のセール期に、プロパー(値下前の当初価格)商品だけで既存店売上を前年対比で7%伸ばしたという事例が掲載されています。

 百貨店、ファッションビルのいわゆる「セール時期」は業界の都合で年々前倒しされ、今年は、とうとう、6月30日が土曜日であったことから、6月スタートとなり、物議をかもし出しました。

 記事にもあるように、今のセール期は、夏の実需最盛期であり、お客さんが今、欲しいと求め、もっとも売れる時になぜ値下(00%OFF)をしなければならないか?は誰もが疑問を持ちながら流れに任せているのが現実だと思います。

 それに対して、フランドル社は、00%OFFの全面セールは7月13日まで据え置き、むしろ、従来よりも値ごろの価格帯(もともと20%-25%低い)の鮮度あふれる新商品をプロパーで品揃えすることによって、セール動員客数アップも手伝って上記実績を上げたというわけです。

 実際、セール時に百貨店やファッションビルの店頭に行ってみると、今、セール時に本気で「在庫処分」をしている店舗はどれくらいあるんでしょう。

 最近は、生活者も企業も賢くなって、セール=処分、値引きではなく、「買い時」になっているんではないでしょうか?

 生活者は、セールムードの中でも、鮮度が高く、値ごろの価値ある商品を選りすぐって購入していると思います。

 店頭には、バーゲンハンターが狙う処分品(企業側の利益は低い)もありますが、その時期に「セール除外品」の値ごろな価格帯のトレンド要素をもった新商品(企業側の利益は高い)や、やはりトレンド先だしの秋物の立ち上がり商品(同)がバランスよく並んでいるようです。

 私も、セールだからと言って値下品には鮮度が感じられず、新商品を手にとってしまう派のひとりであります。

 一方、SPA(製造小売業)などの台頭によって、1年中鮮度あふれる売場を演出するために、売れない商品を店頭から退場させるための、常時処分コーナーのある売場も少なくない状況になりました。

 ラグジュアリーブランドは別かもしれませんが、そろそろ、セールで値下することを前提にたくさん発注された商品よりも、セール時でも、いかに鮮度あふれる売場を演出できるか?の勝負にもなって来そうですね。 

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July 23, 2007

先週の記事別アクセスランキング

 先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-H&Mの銀座旗艦店出店情報(07.07.13)

 コメント:先週はH&M銀座店のニュースで、アクセスも特にH&M関連の
      エントリーに集中しました。

2位-八木通商の欧州アパレルファクトリーブランド支援政策(07.07.17)

 コメント:欧州の伝統ブランドの影に日本の繊維専門商社あり。

3位-ユニクロのファーストリテイリング、バーニーズ買収提案で逆転なるか(07.07.06)

 コメント:果たして結論はどうなるでしょうか。

4位-H&M(エッチアンドエム)、2008年秋 日本進出(06.12.12)

 コメント:1位の関連エントリーとして多数のアクセスをいただきました。

5位-H&M社長、日本進出戦略を語る(07.02.17)

 コメント:同上

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July 22, 2007

業界各社、等身大のリアルクローズを

 7月21日の繊研新聞にユナイテッドアロー(UA)が30-40代の女性を対象としたアパレルおよび身の回り品を企画生産小売販売を行う子会社ペレニアルユナイテッドアローズを設立するとの記事が掲載されています。

 UAの関連ニュースリリース

 設立の理由を引用させていただきます

 「新会社では、従来の百貨店を中心に展開しているアパレルブランドでは満足せず、かつラグジュアリーブランドよりも等身大のリアルクローズを求める、主に30 代~40 代の女性をターゲットとした新ブランドを立ち上げます。同ブランドでは、アパレル企業同様の商品企画、計画生産、在庫管理等を実施し、そこにユナイテッドアローズの持つ顧客視点の店舗運営ノウハウを織り込んだ事業展開を行います。ユナイテッドアローズ社の出店展開と異なり、ブランド立ち上げ当初から積極的な投資を行い、店舗拡大を行う方針です。そのため、ユナイテッドアローズ社とは切り離し、より戦略的な投資、事業判断が行えるよう子会社化して運営いたします。」

 子会社設立には、UAの3つのチャレンジがあると思います。

1.百貨店に売場を持つ大手アパレルが毎シーズンコレクション情報やデザインルームで商品企画しているMDに対する、UAが得意とする店頭起点によるアンチテーゼ
2.スーパーSPAを標榜しながら、セレクトショップ出身ゆえの店頭重視により「モノづくり」の基盤が整いきれなかった従来のUAからの脱皮
3.グループ年商1000億円に向けてのスピード事業拡大

 上記の中で、特に1の同社の「等身大のリアルクローズ」に期待したいと思います。

 最近、来秋日本に進出する世界最大のファッションSPA業態、H&Mに絡んで、業界はいかに対応するかなどというH&M脅威論が話題になることがあります。

 私もブログでは、若干、脅威論的な論説を展開していますが、H&Mの進出によって、生活者のファッションの選択肢が増えることにより、業界全体が活性化されるであろうという期待と、一方、ファッション企業側も、対象となる生活者の立場に立って、「等身大」の発想をもって商品提供を心がけていれば、恐るるに足らずと思っています。

 「等身大MD」は今や、マルキュー系ブランドやポイントのローリーズファームの専売特許じゃありませんからね。

 業界の中から見ていて、それだけ「等身大」の発想が出来ていない企業が少なくないという事実、それも、私がこのブログを綴り続けることを突き動かしている理由のひとつであったりもします。

 今からでも遅くはありません。すべての世代に対して、「等身大のリアルクローズ」を。 

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関連エントリー-リアルクローズの時代
関連エントリー-カリスマ再び?等身大でアラサー狙う森本容子氏

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July 21, 2007

基準なくなる服のサイズ

 7月21日の日経新聞、NIKKEI プラス1(折込土曜版)に「服のサイズって いい加減?」というコラム記事が掲載されていました。

 最近、パンツを買おうとして、ふくらはぎが入らないために、屈辱的なウエストサイズのパンツを、サイズ直しして買わざるを得ない経験をいくつかしています。
 いままで、このショップの、このブランドの、このサイズが自分にピッタリと気に入っていたから買いに来たのに、変化についてゆくのも疲れるな、なんて年頃になったようです。

 また、中学生の息子のためにこの夏ユニクロでポロシャツを数枚購入しましたが、比較的、規格を重んじると思われたユニクロですら、サーフテイストのものはMサイズ、ベーシックなものはSサイズがちょうどよかったという現実です。(しかし、サイズ問題がひと目でわかる表示が付いていたのは、さすが。)

 小さいサイズ、大きいサイズの服がない、といった業界の「サイズ展開」の問題だけでなく、MやL、7号や9号といった従来のアパレルサイズも、シーズンによって変化し、「サイズ表記」そのものが問われている今日この頃ではないかと思っており、記事を興味深く読ませていただきました。

 記事では、かつてはJIS工業規格など、一定の基準のあったアパレル業界のサイズ基準も、日本人の体系の変化、海外ブランドの進出、流行シルエットの移り変わりの速さ、ブランドデザイナーサイドのこういう人に着てもらいたいっていう思惑により、日本の規格は有名無実化し、アパレルメーカーあるいはブランドごとに独自基準を持っているのが一般的。さらにシーズンごとにルーズ~タイトなどトレンドにあわせてフィット感を変更しているのも現実です。

 JISが日本人の体形の変化に合わせて見直しされている一方で、業界では
○「種類やデザインを無視した統一の基準はもはや必要ないのでは」(日本アパレル工業技術研究会)
○「サイズ表示は大きさを示すよりも小売店での物流管理のため」(大手アパレル)

なんて割り切る声が大勢のようですが、このサイズ表示問題、上手にコミュニケーションをはからないと、生活者をがっかりさせる結果になりかねません。

 作り手は、トレンドによるフィットの変更は当然と考えますが、1デザイナーが、実際の購買客層を無視して行うと、その「振り幅」の大きさによっては、ブランドや業態の業績を左右することさえあるのではないかと思います。

 洋服のブランドって、調査してみるとわかりますが、結構、大多数であるはずの想定客層よりも、若干高めの年齢層の購買客層の方がブランドロイヤリテイ(忠誠心)が高かったりすることがあります。ブランディングと継続的なビジネスの成功の両立においては、その客層は無視できないほどいることも少なくありません。

 今後とも、トレンドに合わせたシーズンごとのフィット感の変更は行われることだと思います。

 生活者としては、自己防衛のための試着は欠かせませんし、売り手側も「これがトレンドだから当たり前」といった一方通行ではない、店頭を通じた優しい顧客コミュニケーション戦略がますます大切になることは間違いなさそうです。

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ユニクロのファストリが、キャビンを更なるTOBで完全子会社化へ

 7月21日の日経新聞、繊研新聞にユニクロを展開するファーストリテイリングがすでに50%の株式を取得し、子会社としている婦人服専門店チェーン、キャビンの株式をさらなるTOBにて完全子会社化すると発表したことに関する記事が掲載されています。

 ファーストリテイリングIRニュース

 ファストリ社は、昨年8月に子会社化し、1年経って、中途半端なテコ入れで成果が見られないキャビンに対して、完全子会社、株式非公開として、外部の意見に左右されない形でのスピード再建を行う計画の模様です。

 ファストリはグループ年商1兆円に向けて、国内外のM&Aも含めて、総力をあげて取り組んでいますが、次々と行う、M&Aによる年商の積み上げという総量(金額)的政策も必要でしょうが、
 
①既存ユニクロ業態のブラッシュアップとマーケットへの徹底浸透

②複数業態による日本国内のボリュームゾーンのレディースカジュアルマーケットシェアの奪取

がもっともファストリが力を発揮でき、中身(質)も伴った効果が出るところだと私は思っています。

そういう意味でキャビンは②にもっとも近い事業を持っていると思いますので、完全子会社化後の変革を楽しみにしたいと思います。 

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関連エントリー-ファストリがキャビンを傘下に
関連エントリー-ユニクロのファーストリテイリング、バーニーズ買収提案で逆転なるか

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July 17, 2007

八木通商の欧州アパレルファクトリーブランド支援政策

 7月17日の繊研新聞に繊維専門商社、八木通商の欧州中小アパレルメーカーに対する投資、事業支援に関する記事が掲載されていました。

 同社はイタリアなど欧州の高品質服地素材の輸入商社の老舗で、私も昔はよく国内アパレル生産用に生地を買わせて頂きお世話になりましたが、最近は服地に限らずアパレルファクトリーブランドの日本輸入代理店としても確固とした地位を占めている模様です。

 八木通商ホームページ

 セレクトショップでおなじみのメンズパンツのGTA、アウトドアのモンクレールは同社が日本代理店であり、最近ではコーティングのコートでお馴染みの英マッキントッシュの株式を買い増しして、出資比率85%として連結子会社化するなど、有名セレクトショップが軒並み品揃えをする人気の欧州クラシックブランドのバックにはいつも八木通ありっていう印象があります。

 記事によると同社は現在、欧州約20社の株式未公開メーカーに株式投資をしており、そのうち半数はすでに出資比率50%を越えているとのこと。

 同社は今後も、ブランド力やハンドクラフトの技術はありながらユーロ高で資金繰りに悩む欧州ファクトリー系ブランドに対し、プライベートイクイティとして出資、事業育成し、日本への輸入のみならず、ネットワークを利用して中国などでの技術供与による生産、アメリカ向け輸出も支援して株式価値を高めて行こうという考えのようです。

 欧州の老舗ファクトリーブランドに日本の会社が出資というと、当の欧州の投資会社はそんなブランドに興味ないのか?とか、逆に日本の会社が、自国日本のメーカー支援を差し置いて、欧州へ出資か?などと、ちょっとうがった見方もされるかもしれません。

 しかしながら、雑誌「MONO」「Begin」に出てきそうな「うんちく付きファクトリーブランド」の価値を世界で一番評価するのは自国の人よりも、実は日本の生活者なのではないかと思ったりもします。

 繊維関連商社の中では、小粒ながらしっかりとインターナショナルに、先見の明を持って行動されている同社の動きも見逃せません。

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関連エントリー-日本の「匠(たくみ)」の火を絶やさないために

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July 16, 2007

先週の記事別アクセスランキング

 先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ユニクロのファーストリテイリング、バーニーズ買収提案で逆転なるか(07.07.06)

 コメント:各紙、各誌、ファッション流通面は、この話題でもちきりでしたね。

2位-㈶流通システム開発センター発行 「流通とシステム」にH&Mに関するレポートが掲載されました(07.07.08)

 コメント:H&Mに関する日本語の解説としては、そこそこまとまっているのでは
      ないかと自負しておりますので、ご一読を。

3位-ババに?しまむら?(07.07.03)

 コメント:今後、都心スーパーマーケット日用衣料売り場の跡の再開発?
      面白くなりそうです。

4位-投資ファンド2社が発表したアパレル買収案件(07.07.11)

 コメント:ナルミヤとマルキュー系ジョーインターナショナルのお話です。

5位-H&Mの銀座旗艦店出店情報(07.07.13)

 コメント:さすが世界最大のファッションSPA業態。よい立地をおさえてきますね。

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July 13, 2007

H&Mの銀座旗艦店出店情報

 7月13日の繊研新聞に、来年秋原宿に1号店を出店し、日本進出を決めた世界最大、スウェーデンのファッションSPA業態、H&M(エッチアンドエム)の2号店が銀座に決まったとの記事が掲載されています。

 関連ニュースを見つけました。
 
 三井不動産プレスリリース

 記事の中に外観パースがあり、しっかりH&Mのロゴも光ってますね。

 銀座の中央通りに面した東京ガスの「銀座ガスホールビル」跡地の新築ビル(中央区銀座7-1-7)で、三井不動産が企画・開発する「ティージー銀座7丁目ビル(仮称)」。地下2階、地上12階のビルで、敷地面積目一杯に立てたとして1層140坪くらいのビル。H&Mが核テナントになるということで、外観パースを見る限り1階-3階の3層の模様です(地下1階もありですかね)。

 立地的には、松坂屋百貨店、ZARA銀座店の並び、通りを挟んで反対側にはユニクロが日本最高の売上を誇る銀座店もある好立地です。

 H&Mの首都圏多階層集中出店計画、そんなに物件があるのかと疑問視する声もありますが、こうしてみると都心再開発で結構あるかもしれませんね。

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関連エントリー-H&M(エッチアンドエム)、2008年秋 日本進出
関連エントリー-H&M社長、日本進出戦略を語る
関連エントリー-ファッション業界関係者はH&M(エッチアンドエム)の日本上陸の影響をどう見るか?~WWDジャパンより
関連エントリー-㈶流通システム開発センター発行 「流通とシステム」にH&Mに関するレポートが掲載されました

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July 12, 2007

これからは私鉄沿線が狙い目?

 7月10日の日経新聞に靴大手チェーンのチヨダ、ABCマート、婦人服のファッションセンターしまむらなどが、都心近郊の私鉄沿線、急行、準急が止まる駅への出店に目をつけているという記事が掲載されています。

 JR沿線の駅ビルのある駅よりは、商圏は小さいですが、家賃は安く、郊外ロードサイドやSCよりは家賃は高いですが、客数はかなりいる、いわゆる都心商店街立地です。

 この立地はなかなか希望通りの物件は出にくく、企業としては、出店計画は読みにくいところですが、上記のように幅広い客層をターゲットとしたファッションストアであれば、家賃比率は若干高くなっても、利益額で稼げる今、もっとも堅く採算の合う立地ではないかと常日頃思っています。

 そうそう、駅前商店街で、同じ通りにコンビニが3軒くらいはあって、ドラッグストアも2軒くらいあって、ファーストフード店も数件あるみたいな立地ですね。

 旧来型の個人経営店が、組織力でトレンド性も打ち出したチェーン店に入れ替わるイメージかもしれませんし、競争に負けたコンビニ跡地という手もあるでしょう。

 既存のところでいうと、ジーンズメイト、ジャムピクシー、クレアーズあたりは結構出て行ってますね。 
 
 ABCマートは坪数が小さくても角地でしょうし、しまむらは高田馬場のようにスーパーの2階であれば得意なところだと思います。

 客数こそ小売業を癒す。地元商店街はファッションは売れないと誰が決めたか?生活者も待っていると思いますよ。 

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July 11, 2007

投資ファンド2社が発表したアパレル買収案件

 7月11日の日経新聞によると、SBIホールディングスが子会社を通じて子供服大手ナルミヤ・インターナショナルの再建のために、創業家の賛同を得た友好的なTOBによる買収をすることを発表したとのことです。

 同社は33.33%から上限66.65%の株式取得後、ユニクロOBによって設立された企業再建支援会社リヴァンプに6.5%の株式を譲渡し同社の経営再建をゆだねるとのことです。

 ナルミヤインターナショナルは、ご存じ小学校高学年、当時ニコラ世代と呼ばれた層をターゲットにニッチ(すきま)アパレルマーケットで成功し、上場を果たしましたが、多くの量販系アパレルなどに容易に追随され、上場後は計画の下方修正を何度か繰り返し、残念ながら業界の中でも安易に上場してはいけない事例の筆頭にされていました。

 創業の成宮社長の息子さんが子供服のブランドセレクトショップ事業でスピンアウトされ、百貨店卸が中心の会社を今後どのような形で再建されるか注目されていたところでした。

 リヴァンプの下、ショッピングセンターなどを中心に出店に取り組むとのことです。

 同じく7月11日の繊研新聞に、ダイエーやアクタスなどの再建に出資した投資ファンド、アドバンテッジ・パートナーズ(AP)による渋谷109(マルキュー)系でおなじみのジョー・インターナショナルのアパレル事業買収に関する記事も掲載されています。

 ジョーインターは、JiMaxx、リップサービス、メンズのラガスなどマルキュー系ファッションビル・フロアーなどを中心に約50億円の年商のヤングカジュアルSPAですが、こちらの案件は、ジョー・インター社の人財を活用し、経営管理のプロファッショナルを送り込んで、3年で基盤を整備し、5年で上場を目指すとのことです。

 アパレル企業または事業を日本の大手投資ファンドが買収する案件が同日の新聞に掲載されたのはあまり記憶にありません。

 一般的にファッションアパレルは流行り廃りが激しく、ブランドは寿命が短くリスクが高いと考えられますが、海外ではプロの経営者と2人3脚による息の長い経営も少なくありません。

 最近は、投資ファンドにとっても、うまく舵をとれば、成功のリターンも多いと映るのかもしれません。実際、前者は子供服マーケットにおけるブランド資産、後者は、今のところ人海戦術かもしれませんが、マルキューで鍛えられた世界最速の企画~生産~販売のオペレーションをささえるノウハウ、人財が存在するのではないかと思います。

 これらかけがえのない業界の資産を、しっかり可視化、評価して、活かすか殺すか?「プロの経営」が問われる仕事だと思います。

 今後、日本でも投資ファンドや商社によるファッション業界の確固としたビジネスモデルづくりの投資案件が増え、業界が活性化することを期待したいと思います。

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July 10, 2007

米リミテッドブランズ社 リミテッドストア売却でファッションアパレルビジネスから実質撤退

 リミテッドブランズ(Limited Brands)社プレスリリース、各アメリカインターネットメディアによると、世界4大ファッションSPAの一角、リミテッド社は、同社が1963年に創業した際のレディースアパレル業態であるリミテッドストアの75%の株式を投資ファンドSun Capital Partnersに売却し、実質ファッションアパレルビジネスから撤退し、インティメイトアパレル(ランジェリー)ビジネスとパーソナルケアビジネスに集中するとのこと。

 Bloomberg.com

 前回のExpress業態の2/3売却で約734億円を手にすることが決まったのと逆に、今回のLimitedStoreの売却は、なんとNo Cash Deal、締めて税引き後、51億円のロスになるというから驚き。

 それだけグループを身軽にして成長性を期待できるランジェリーとパーソナルケアビジネスにフォーカスするという創業者レス・ウエックスナー会長の割り切りに脱帽します。

 リミテッドストアは、20世紀のファッションアパレルSPAのお手本として、ユニクロはじめ多くのチェーンストアが参考にしたビジネスモデルで、私もいろいろ勉強させていただいたので、ひとつの歴史の転換期を感じる方も少なくないのではないでしょか?

 そして、今、ファッションアパレルビジネスに携わっている方でも、将来は急速に変化しつつある、生活者を取り巻くファッションマーケットの環境を考えた時に、何年か後に、ウエックスナー会長と同じ判断を迫られる時がくるかもしれない、という現実を受け止めるべきではないかと思ったものです。 

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関連エントリー-米リミテッドブランズがアパレル事業を売却?
関連エントリー-「アパレルSPA(製造小売業)原論」とも呼べる書籍

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July 09, 2007

先週の記事別アクセスランキング

 先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ユニクロのファーストリテイリング、バーニーズ買収提案で逆転なるか(07.07.06)

 コメント:先週末の業界ビッグニュースでしたね。決着は8月11日までに
     出るとのことです。

2位-ユニクロのジーンズの進化に感心(07.06.23)

 コメント:やはり、ユニクロ関係のエントリーはたくさんのアクセスをいただきます。

3位-バーニーズ・ニューヨーク売却で、気になるオイルマネーのファッションビジネスへの流入(07.06.30)

 コメント:1位のニュースと関連して、検索エンジンからのアクセスが多かったエントリーです。

4位-ババに?しまむら?(07.07.03)

 コメント:各紙での業績発表が楽しみです。

5位-売上規模や経営効率だけじゃ通用しない時代へ(07.07.01)

 コメント:CSR(企業の社会的責任)、特に環境面への配慮が世界的には
     注目されているようです。

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July 08, 2007

㈶流通システム開発センター発行 「流通とシステム」にH&Mに関するレポートが掲載されました

 日本の流通業で利用されているバーコードやICタグの標準規格を管理されている経済産業省関連の財団法人、流通システム開発センターさんの季刊誌「流通とシステム」131号(2007年7月発売号)にレポートが掲載されました。

 今回の「流通とシステム」の特別企画は、「伸長する小売業態の現状と今後」ということで、ドラッグ、ホームセンター、食品スーパー、ホームファッション、コンビニ、ショッピングセンター各界の著名専門家の方々がレポートを寄せていらっしゃいますが、そこに連載中の特別報告、グローバル流通企業をレポートする第5弾で、「ファッション業界の常識を覆す新しいビジネスモデル~スウェーデンファッションSPA、H&M日本進出」と題して8ページほどの論文を書かせていただいたものです。

 冊子が刷り上ってびっくり、「ユニクロvsしまむら」でおなじみの、シーズの月泉博先生やフードマーケットクリエイティブの太田美和子先生など、かつて本を読ませていただき、感銘し、大変勉強をさせていただいた方々と私のレポートが並んでいるのを見ると、光栄で、とてもうれしく感じました。
  
 私のレポートの目次をご紹介すると、

1.はじめに―H&M日本進出のインパクト
2.H&Mのプロフィール
3.ファッションビジネスにおけるH&Mの優位性
4.第1世代SPA GAP、LIMITED優る、第二世代SPA H&M、ZARAの21世紀型ビジネスモデル
5.スウェーデン企業の国際性
6.H&M日本進出戦略を考える
7.おわりに―H&M進出で日本の生活者が得るもの

 全般的に今まで当ブログでH&Mをご紹介している視点で書いていますが、専門誌ということで、6のところなどは、リテールポジショニング戦略、グローバル・ソーシング、ディストリビューション・ロジスティック戦略など少し専門的な考察を加えたところもあります。

 H&Mの日本進出については、未知な部分もありますが、同社のことですから、おそらく極めて王道的な戦略でくると想像されるところもあり、ここらへんは、考え出すと議論もつきませんね。

 ご興味ありましたら、是非ご購入ください。私のレポートに限らず、今回の特集は流通小売業界の方、業界にご興味ある方には、充実した内容になっていると思います。 

 「流通とシステム」について

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関連エントリー-日本繊維新聞「FB(ファッションビジネス)教室」にコラムが掲載されました(上)
関連エントリー-日本繊維新聞「FB(ファッションビジネス)教室」にコラムが掲載されました(下)

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July 07, 2007

セレブとのコラボはドーピング?

 この春夏、H&Mのマドンナやカイリーミノーグ、TOPSHOPのケイトモスのセレブとのコラボコレクションが両社の売上アップに大いに貢献し、大成功だったとのこと。

 日本でもサマンサタバサなどいくつかのファッション企業がセレブ・コラボコレクションに取り組んでいます。

 そんな中、ファストファッション御三家の一角、ZARAのインデイテックス社はどんなことを考えて、どんな対応をするのかに興味を持って海外ニュースをチェックしていたら、こんな記事がありました。

 通信社のロイターニュースの記事です

 Celebrity fashion? No thanks, we're Zara.

 ロイターのインタビュー中、H&Mやトップショップのセレブコラボについて問われての役員クラスの方のコメントですが、

"It's all about speed" (われわれのビジネスにおいては)スピードがすべて。

"Celebrities may work for other brands,not for us" セレブコレクションが効き目のあるブランドもあるだろうが、うちは違う。

 記事中の専門家のコメントを交えて解説すると、

○セレブとのコラボコレクションは、本来のファッションビジネスの要である、デザインそのもの、クオリティ、スピードの「代用的」なものであって、スポーツ選手に例えていうと、ステロイド服用のドーピング行為、あるいは一度使ったら使い続けなければならない麻薬のようなもの。

○他のファッションリテーラーが敵わないスピードオペレーションを誇るZARAにとっては、その必要はない。

 以前からブログで紹介してきましたが、ZARAは、スピードを重視するため、染工場から集中物流センターまでの垂直的グループ内オペレーション、世界60カ国以上に展開する現在も、生産の50%はスペイン国内で行っています。
 
 コスト低減を求めて、中国などアジア生産を高めるライバル企業に対して、それよりスピードが大事と、スペインおよび地中海沿岸地域で生産のほとんどを行い、地球の裏側の店舗へも72時間以内に空輸するインフラが同社の強み。

 日本の事例でもそうですが、有名人をコラボや広告に起用すると、瞬発的に売上は上がりますが、当然のことながら、翌年の既存店売上前年対比のハードルも上げることになり、そのハードルを上回ろうとすると、前年より過激な広告宣伝投資も必要となるのが常。それにより翌年以降、苦戦を強いられた話は枚挙にいとまがありません。実際、この行為は、麻薬と言っても言い過ぎではないかもしれませんね。

 H&Mもトップショップもそういった意味で、来年どんなパートナーを選ぶのか?中期的に見て、セレブ積極活用派と否定派どちらに軍配が上るかも興味深いところです。

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July 06, 2007

ユニクロのファーストリテイリング、バーニーズ買収提案で逆転なるか

 本日の日経新聞一面にユニクロを展開するファーストリテイリング(ファストリ)が、アメリカのファッションリーダーストア、バーニーズニューヨークに1100億円で買収提案をしたとの記事が掲載されています。

 実は昨夜から今朝にかけて、「ユニクロ バーニーズ」のキーワード検索で当ブログへのアクセスが増えており、もしやと思い日経朝刊を開いた次第です。

 このように業界関心事系のブログをやっていると、検索エンジン経由のアクセスからニュースや噂や関心を知ることができるので面白いです。

 さて、本題に戻りますが、先日、ドバイの投資会社へ1000億円でバーニーズ売却を発表したジョーンズアパレルに関するブログエントリーをいたしました。

 ジョーンズアパレル社は7月22日までは25-28億円の違約金を払えば第三者の買収提案を受け入れることができるオプションを持っており、ジョーンズ側は違約金を払ってでも売却益の増えるファストリの提案を歓迎している模様です。同社は8月11日までに結論を出すことになります。

 日経記事によるとファストリの米国ユニクロの業績は07年08月期で売上34億円の売上に対し、14億円の営業赤字の見通しで、芳しくなく、バーニーズの買収によりユニクロの米国での知名度アップ、人材確保、トレンドマーケットからの情報収集を行う目論見です。

 チェーンストアがトレンドマーケットのファッションリーダーストアを買収した事例は、アメリカでは、世界4大SPAの一角から退場しつつあるリミテッド社(現LIMITED BRANDS)によるヘンリ・ベンデル買収が有名です。LIMTED業態成長時、ヘンリ・ベンデルの富裕層ファッショントレンド情報を活用したのは、業界でも有名な話。同社は、EXPRESS、LIMITEDなどのアパレル事業を売却中ですが、ランジェリー、ヘルス&ビューティ事業拡大にあたり、ヘンリ・ベンデルの売却の話はまだ持ち上がっていない模様です。

 ファストリの柳井会長の頭の中には、この事例があることは間違いありません。NYのユニクロデザインオフィスには、同じくNYファッションリーダーストアのバーグドルフ・グッドマン出身の勝田さんやユニクロ本体に米バーニーズ出身のVMD担当者もいらっしゃいますので、切り盛りして行く自信もおありなのでしょう。

 ファストリにとって、LIMITEDグループの業態を買収するよりは、日本で知名度もあり、店舗数も少なく、手に負える相手バーニーズニューヨークは理にかなっていると言えないことはありません。

 なお、伊勢丹から住友商事グループに営業権の移ったバーニーズ・ジャパンはバーニーズのフランチャイズ契約での運営のため、米社とは資本関係がなく、今回の買収とは直接的な関係はないようです。

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 関連エントリー-バーニーズ・ニューヨーク売却で、気になるオイルマネーのファッションビジネスへの流入
 関連エントリー-米リミテッドブランズがアパレル事業を売却?
 関連エントリー-香港ジョルダーノ買収の噂、再燃

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July 03, 2007

ババに?しまむら?

 今日のタイトルは、高田馬場駅の改札口に張り巡らされた白人モデルを起用したモノトーンの「ファッションセンターしまむら」オープン告知ポスターのキャッチコピーです。モノトーンに赤文字を使っているところはなんかH&Mっぽいですね(笑)

 昨日の夕方、仕事の合間に先週オープンしたファッションセンターしまむら高田馬場店を覗いて来ました。

 売上状況は1ヶ月くらい経過しないと新聞紙上で話題にならないと思いますが、私が見た感想としては、順調な滑り出しをされているのではないでしょうか。

 売場面積180坪は郊外のしまむらから比べると半分ですが、都心部のアパレルストアとしては十分大型店。

 二階の店舗に平日の夜6時半から7時に店内に平均約120人の客数がおり、同時間の一階と地下一階をあわせた大丸ピーコックの客数を上回り、ヤング向け品揃えを強化したこともあって、食品売場よりも1~2世代若い、ハニーズやジーンズメイトにいそうな客層を中心にしまむら得意の主婦層がミックスされているところは同社の狙い通りではないでしょうか?

 やはり人口が多く、流動客数が多い立地ではターゲットの絶対客数も多いという訳ですね。

 いつものようにお買い物をしているお客さんの声に耳をすましてみると、

○かつて田舎でよく利用されていて、ようやく東京に来てくれたか、という待望の声

○すでに週末あたりに買い物をされた方が友人を連れてきて、安さを説明している会話

○得体の知れないバーゲン会場に出くわし、安さの割りに悪くないじゃないと興奮して数点の商品を抱き抱えながら話す声

 レジを5台中3台開け、出口での30分カウントでは退店客数中、同社の藤色のプラスチックショッピングバッグを持って出る客数を数えたところ買上率は40%超と推測。

 あわせて本部からこられたと思われる方々の余裕の笑顔を見てまずまずの売上と想像しました。

 帰るお客さんを見て気になったことは、ほとんどの人が階段を降りながらショッピングバッグをぺしゃんこにして折り畳んで持参のバッグに詰め込んでいたことです。

 変な考えが頭をよぎりました。しまむらは都心店舗向けにお客さんが誇らしげに持って歩くショッピングバッグのデザインはしないのか、と。

 いやいや、バカを言え、この会社はそんな見栄や自己満足でなく、ストイックにコストコントロールができるからこそ、生活者にこれだけ安い商品を提供できるのだ、と自己完結しながら帰路に着きました。

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関連エントリー-しまむらが山手線の内側に出店

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July 02, 2007

先週の記事別アクセスランキング

 先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ユニクロのジーンズの進化に感心(07.06.23)

 コメント:これからもどんな単品進化をするのか楽しみです。

2位-カリスマ再び?等身大でアラサー狙う森本容子氏(07.06.19)

 コメント:業界の等身大の取り組みを更に触発していただくことを楽しみに
      しています。

3位-H&M 今秋のコラボデザイナーはロベルト・カバリ(07.06.24)

 コメント:デザイナーコラボシリーズ第4弾は、アニマルプリントで有名な
      同氏とは・・・

4位-H&M(エッチアンドエム)、2008年秋 日本進出(06.12.12)

 コメント:現在、H&Mが検索エンジン経由のご訪問トップクラスです。

5位-日本繊維新聞「FB(ファッションビジネス)教室」にコラムが掲載されました(上)(07.06.27)

 コメント:H&Mなどファストファッションに関するコラムです。よろしければお読みください。

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July 01, 2007

売上規模や経営効率だけじゃ通用しない時代へ

 6月27日の日経MJ、恒例の調査特集「小売業06年ランキング」を今年も興味深く眺めておりました。

 この3年間で吸収合併で規模は拡大はするものの、経営効率(使用総資本経常利益率=ROA)が微減または横ばいのセブン&アイやイオンに対して、規模も拡大しながらそれ以上に経営効率にも磨きをかけるユニクロを展開するファーストリテイリングとしまむららの勝ち組専門店チェーンはそれらのGMSグループと好対照。

 アパレル業界の中での影響力を表す「バイイングパワー(購買力)」(衣料品の店舗売上高で評価)は今年度は、以下の通りでした。( )内前年順位、金額単位百万円、( )内前年伸び率%です。

順位
 1(1) 高島屋      433,757(▲0.3)
 2(4) ユニクロ     375,233(+7.0)
 3(3) イオン       366,311(+0.8)
 4(2) 三 越      352,642(▲5.0)
 5(5) しまむら     350,324(+7.5)
 6(6) イトーヨーカ堂  290,560(▲5.5)
 7(-) 丸 井       283,856( -  )
 8(8) 伊勢丹      272,517(+3.1)
 9(7) 大 丸      271,047(▲0.3)
10(9) そごう      242,549(▲2.1) 
 
今後、毎年同じような伸縮率だと仮定すると、3年後には、
1位ユニクロ、2位しまむら、3位高島屋、4位イオン、5位三越・・・イトーヨーカ堂は9位というような順位になりそうです。

 もっとも、この「バイイングパワー」という発想は、従来の流通業、たくさん買うから安くしろ、リベートをたくさんよこせ、といった仕入先に圧力をかけて自分たちだけ利益を残すという旧来型の小売業の論理であって、これからの時代は、家電業界や食品業界は知りませんが、少なくともファッション業界においてはユニクロのようなSPAによる粗利率アップやしまむらのような企業努力による営業利益アップが勝ち組の定石であるのは間違いなさそうです。

 SPAなど、流通企業の新モデルもそんな形で、収益性、成長性、安定性といった財務力、経営効率を目指すわけですが、今週発売された、ニューズウィーク日本語版7月4日号の「世界企業ランキング」などを読んでいると、それだけで喜んでいては、世界から取り残されてしまいそうです。

 要は、以前もブログで取り上げたCSR(企業の社会的責任)に基づいたSRI投資家が公開企業に働きかけ、儲かっていて、かつ社会的に貢献している企業こそが投資に値する企業、そうでない企業には、改善を申し入れ、応じる姿勢がない企業には、株価下落圧力をかけるような動きに、世界の企業は、急ピッチで対応しようとしている様子が出ています。

 このニューズウィークのランキングも50%財務力、50%社会的責任による評価をしてランキングがつけられています。

 ここでいう社会的責任とは、
 ①企業統治(取締役会の独立性や法令順守)
 ②従業員(機会均等、雇用安定、安全、教育の充実、差別なし、など)
 ③社会(途上国での人権問題、取引先に対する立場濫用はないかなど)
 ④環境(環境問題への取り組みと成果)
 が評価基準となっています。

 ブログでおなじみのファッション流通企業では、ZARAのインディテックス社が世界全業種の中で8位、H&Mが同19位、GAPが124位、日本のイオンが136位、伊勢丹が495位です。

 興味深いのは、H&Mは財務力では、世界全業種上位50社の中で、2位なのですが、社会的責任は従業員面と環境面で評価が低く、下から数えた方が早い順位。一方、インディテックス社は、財務力では、H&Mには少し及びませんが、社会的責任面での評価が高く、上記のような結果になっています。

 記事によると、あまりにも企業に社会的責任面の努力を迫り過ぎるのはいかがなものか?という論議もあるようですが、世界的トレンドとしては、CSR重視の方向に向かっていることは間違いなさそうです。

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【第7位】→stay (07.07.01現在)

関連エントリー-社会的責任投資(SRI)が拡大

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