セレブとのコラボはドーピング?
この春夏、H&Mのマドンナやカイリーミノーグ、TOPSHOPのケイトモスのセレブとのコラボコレクションが両社の売上アップに大いに貢献し、大成功だったとのこと。
日本でもサマンサタバサなどいくつかのファッション企業がセレブ・コラボコレクションに取り組んでいます。
そんな中、ファストファッション御三家の一角、ZARAのインデイテックス社はどんなことを考えて、どんな対応をするのかに興味を持って海外ニュースをチェックしていたら、こんな記事がありました。
通信社のロイターニュースの記事です
Celebrity fashion? No thanks, we're Zara.
ロイターのインタビュー中、H&Mやトップショップのセレブコラボについて問われての役員クラスの方のコメントですが、
"It's all about speed" (われわれのビジネスにおいては)スピードがすべて。
"Celebrities may work for other brands,not for us" セレブコレクションが効き目のあるブランドもあるだろうが、うちは違う。
記事中の専門家のコメントを交えて解説すると、
○セレブとのコラボコレクションは、本来のファッションビジネスの要である、デザインそのもの、クオリティ、スピードの「代用的」なものであって、スポーツ選手に例えていうと、ステロイド服用のドーピング行為、あるいは一度使ったら使い続けなければならない麻薬のようなもの。
○他のファッションリテーラーが敵わないスピードオペレーションを誇るZARAにとっては、その必要はない。
以前からブログで紹介してきましたが、ZARAは、スピードを重視するため、染工場から集中物流センターまでの垂直的グループ内オペレーション、世界60カ国以上に展開する現在も、生産の50%はスペイン国内で行っています。
コスト低減を求めて、中国などアジア生産を高めるライバル企業に対して、それよりスピードが大事と、スペインおよび地中海沿岸地域で生産のほとんどを行い、地球の裏側の店舗へも72時間以内に空輸するインフラが同社の強み。
日本の事例でもそうですが、有名人をコラボや広告に起用すると、瞬発的に売上は上がりますが、当然のことながら、翌年の既存店売上前年対比のハードルも上げることになり、そのハードルを上回ろうとすると、前年より過激な広告宣伝投資も必要となるのが常。それにより翌年以降、苦戦を強いられた話は枚挙にいとまがありません。実際、この行為は、麻薬と言っても言い過ぎではないかもしれませんね。
H&Mもトップショップもそういった意味で、来年どんなパートナーを選ぶのか?中期的に見て、セレブ積極活用派と否定派どちらに軍配が上るかも興味深いところです。
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