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July 17, 2007

八木通商の欧州アパレルファクトリーブランド支援政策

 7月17日の繊研新聞に繊維専門商社、八木通商の欧州中小アパレルメーカーに対する投資、事業支援に関する記事が掲載されていました。

 同社はイタリアなど欧州の高品質服地素材の輸入商社の老舗で、私も昔はよく国内アパレル生産用に生地を買わせて頂きお世話になりましたが、最近は服地に限らずアパレルファクトリーブランドの日本輸入代理店としても確固とした地位を占めている模様です。

 八木通商ホームページ

 セレクトショップでおなじみのメンズパンツのGTA、アウトドアのモンクレールは同社が日本代理店であり、最近ではコーティングのコートでお馴染みの英マッキントッシュの株式を買い増しして、出資比率85%として連結子会社化するなど、有名セレクトショップが軒並み品揃えをする人気の欧州クラシックブランドのバックにはいつも八木通ありっていう印象があります。

 記事によると同社は現在、欧州約20社の株式未公開メーカーに株式投資をしており、そのうち半数はすでに出資比率50%を越えているとのこと。

 同社は今後も、ブランド力やハンドクラフトの技術はありながらユーロ高で資金繰りに悩む欧州ファクトリー系ブランドに対し、プライベートイクイティとして出資、事業育成し、日本への輸入のみならず、ネットワークを利用して中国などでの技術供与による生産、アメリカ向け輸出も支援して株式価値を高めて行こうという考えのようです。

 欧州の老舗ファクトリーブランドに日本の会社が出資というと、当の欧州の投資会社はそんなブランドに興味ないのか?とか、逆に日本の会社が、自国日本のメーカー支援を差し置いて、欧州へ出資か?などと、ちょっとうがった見方もされるかもしれません。

 しかしながら、雑誌「MONO」「Begin」に出てきそうな「うんちく付きファクトリーブランド」の価値を世界で一番評価するのは自国の人よりも、実は日本の生活者なのではないかと思ったりもします。

 繊維関連商社の中では、小粒ながらしっかりとインターナショナルに、先見の明を持って行動されている同社の動きも見逃せません。

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Comments

知らなかったです。
マッキントッシュということは、鞄のグローブ・トロッターも関係ありですか?8月から値上がりの情報もあったので、先日、丸の内のバルカナイズで、以前から欲しかったトローリーケース(18インチ、サファリの茶色)を購入しました。

GTAやINCOTEXのパンツ、モンクレールのダウン、バルバやボレリのシャツ、パラブーツの靴、フェリージの鞄、グローブ・トロッターというアイテムが、私のお気に入りです。

Posted by: ほそD | July 18, 2007 03:37 AM

ほそDさん

いつもありがとうございます。

さすが、いいブランドが並んでいますねぇ。

マッキントッシュとグローブトロッターは、直接関係なく、丸紅が両社に出資していることによるカップリングのようです。

丸紅は、マッキントッシュへの出資により、ライセンス商品を三陽商会と手がける契約になっていましたが、八木通が親会社になっても、このあたりは継続するのかな?

これからもよろしくお願いいたします。

Posted by: taka | July 18, 2007 01:23 PM

マッキントッシュとグローブトロッターのカップリングの件、検索してみて日経BPオンラインの過去の記事で読みました。
このカップリング自体は良かったと思います。
ヴァルカナイズのショップは品があって好きです。

丸紅の思惑や利害と、八木通商のそれは、微妙に相容れないかなと思ってみたりします。
八木通商の会社概要やIR情報も見ていて興味深かったです。
想像の域を出ませんが、八木通商なら、マッキントッシュをライセンス商品化したいと思わないような気がしました。

M&Aの波は、小さな専業メーカーやブランドに及んでいるわけですが、それで歴史と伝統のあるブランドの価値を、さらに発展させる場合と、破壊してしまう場合がありそうですね。
あまり表に出ずに、文化としての価値を尊重し、支えて欲しいと思うのですが、私が投資家の立場なら、割安の時に買って、さらに価値を増大させ、高く売れるなら売るというポジションをとるでしょう。
価値を増大させずに、価格だけを増大させ、売却益を得る手法が幅をきかせているように危惧します。(これは、アパレル業界ではなく、一般的にということです。)

個人的に好きだったイタリアのメゾンに、BARBA'Sというのがありました。今考えると、品質は、ナポリのサルトリアのように手縫いにこだわったものでもなく、その後バブル期に流行した、他のイタリアブランドと同じ路線だったのかも知れません。
輸入代理店は、途中で替ったように記憶します。最後はIMPACT21だったかな。
DCブランド全盛期から知っていましたが、学生に買える値段ではありませんでした。関西では、神戸北野のリンズギャラリーあたりにショップがあったように記憶します。同じビルのギャルソンには、ちょくちょく行ってました。当時でも、アルマーニやヴェルサーチは人気がありましたが、フェレやBARBA'Sが好みでした。
BARBA'Sは知る人ぞ知るブランドだと思っていました。
ミラノに本店があったはず。ミラノコレクションにも出てたし、メンズのみのメゾンという特徴がありました。
卒業して働き始めて、暇はないけど、少しお金が入ってきて、2年くらいの間に、いろいろ買ったように思います。
イタリアでの経営不振が原因なのか、日本企業の資本が入ったか、買収されたかで、日本でライセンスものが生産・販売されて、当然のように売れず、その後見かけなくなりました。
知っている人が少ないブランドで、その知っている人が買いたくないような製品を造った場合、誰も買いませんよね。
昔からのファンには、悲しい最後でした。
誰がBARBA'Sを殺したか?
でも、それも仕方なかったのかもと最近思います。
今あっても買わないから。

Posted by: ほそD | July 20, 2007 05:08 AM

ほそDさん

たびたびコメントありがとうございます。

マッキントッシュに関するほそDさんの意見、同感です。

BARBA'Sも今となっては、懐かしい響きですね。

ブランドの価値、生活者から見た適正規模、ビジネスとしての採算のバランス。いわゆるマーケティングですが、そこがうまくいかない、勘違いする、あるいは金に目がくらむからこの業界のブランドの栄枯盛衰が激しいのですよね。

またそれが面白さでもありますが。

これからもよろしくお願いいたします。


Posted by: taka | July 20, 2007 10:03 PM

 同社はイタリアなど欧州の高品質服地素材の輸入商社の老舗で、私も昔はよく国内アパレル生産用に生地を買わせて頂きお世話になりましたが、最近は服地に限らずアパレルファクトリーブランドの日本輸入代理店としても確固とした地位を占めている模様です。

Posted by: Moncler モンクレール レディース Tシャツ | February 10, 2012 02:35 PM

そのようですね。ブランドとの長期的取組みに好感を覚えます。

Posted by: taka | February 10, 2012 03:01 PM

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