投資ファンド2社が発表したアパレル買収案件
7月11日の日経新聞によると、SBIホールディングスが子会社を通じて子供服大手ナルミヤ・インターナショナルの再建のために、創業家の賛同を得た友好的なTOBによる買収をすることを発表したとのことです。
同社は33.33%から上限66.65%の株式取得後、ユニクロOBによって設立された企業再建支援会社リヴァンプに6.5%の株式を譲渡し同社の経営再建をゆだねるとのことです。
ナルミヤインターナショナルは、ご存じ小学校高学年、当時ニコラ世代と呼ばれた層をターゲットにニッチ(すきま)アパレルマーケットで成功し、上場を果たしましたが、多くの量販系アパレルなどに容易に追随され、上場後は計画の下方修正を何度か繰り返し、残念ながら業界の中でも安易に上場してはいけない事例の筆頭にされていました。
創業の成宮社長の息子さんが子供服のブランドセレクトショップ事業でスピンアウトされ、百貨店卸が中心の会社を今後どのような形で再建されるか注目されていたところでした。
リヴァンプの下、ショッピングセンターなどを中心に出店に取り組むとのことです。
同じく7月11日の繊研新聞に、ダイエーやアクタスなどの再建に出資した投資ファンド、アドバンテッジ・パートナーズ(AP)による渋谷109(マルキュー)系でおなじみのジョー・インターナショナルのアパレル事業買収に関する記事も掲載されています。
ジョーインターは、JiMaxx、リップサービス、メンズのラガスなどマルキュー系ファッションビル・フロアーなどを中心に約50億円の年商のヤングカジュアルSPAですが、こちらの案件は、ジョー・インター社の人財を活用し、経営管理のプロファッショナルを送り込んで、3年で基盤を整備し、5年で上場を目指すとのことです。
アパレル企業または事業を日本の大手投資ファンドが買収する案件が同日の新聞に掲載されたのはあまり記憶にありません。
一般的にファッションアパレルは流行り廃りが激しく、ブランドは寿命が短くリスクが高いと考えられますが、海外ではプロの経営者と2人3脚による息の長い経営も少なくありません。
最近は、投資ファンドにとっても、うまく舵をとれば、成功のリターンも多いと映るのかもしれません。実際、前者は子供服マーケットにおけるブランド資産、後者は、今のところ人海戦術かもしれませんが、マルキューで鍛えられた世界最速の企画~生産~販売のオペレーションをささえるノウハウ、人財が存在するのではないかと思います。
これらかけがえのない業界の資産を、しっかり可視化、評価して、活かすか殺すか?「プロの経営」が問われる仕事だと思います。
今後、日本でも投資ファンドや商社によるファッション業界の確固としたビジネスモデルづくりの投資案件が増え、業界が活性化することを期待したいと思います。
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Comments
10月10日の日経新聞によると
ナルミヤインターは、リヴァンプ抜きでの経営再建にメドがついたとして、リヴァンプとの提携を中止したと発表したとのことです。
Posted by: taka | October 10, 2007 10:04 PM