セール期と実需最盛期
7月24日の繊研新聞に、アパレル大手のフランドルが、6月末から7月にかけての夏のセール期に、プロパー(値下前の当初価格)商品だけで既存店売上を前年対比で7%伸ばしたという事例が掲載されています。
百貨店、ファッションビルのいわゆる「セール時期」は業界の都合で年々前倒しされ、今年は、とうとう、6月30日が土曜日であったことから、6月スタートとなり、物議をかもし出しました。
記事にもあるように、今のセール期は、夏の実需最盛期であり、お客さんが今、欲しいと求め、もっとも売れる時になぜ値下(00%OFF)をしなければならないか?は誰もが疑問を持ちながら流れに任せているのが現実だと思います。
それに対して、フランドル社は、00%OFFの全面セールは7月13日まで据え置き、むしろ、従来よりも値ごろの価格帯(もともと20%-25%低い)の鮮度あふれる新商品をプロパーで品揃えすることによって、セール動員客数アップも手伝って上記実績を上げたというわけです。
実際、セール時に百貨店やファッションビルの店頭に行ってみると、今、セール時に本気で「在庫処分」をしている店舗はどれくらいあるんでしょう。
最近は、生活者も企業も賢くなって、セール=処分、値引きではなく、「買い時」になっているんではないでしょうか?
生活者は、セールムードの中でも、鮮度が高く、値ごろの価値ある商品を選りすぐって購入していると思います。
店頭には、バーゲンハンターが狙う処分品(企業側の利益は低い)もありますが、その時期に「セール除外品」の値ごろな価格帯のトレンド要素をもった新商品(企業側の利益は高い)や、やはりトレンド先だしの秋物の立ち上がり商品(同)がバランスよく並んでいるようです。
私も、セールだからと言って値下品には鮮度が感じられず、新商品を手にとってしまう派のひとりであります。
一方、SPA(製造小売業)などの台頭によって、1年中鮮度あふれる売場を演出するために、売れない商品を店頭から退場させるための、常時処分コーナーのある売場も少なくない状況になりました。
ラグジュアリーブランドは別かもしれませんが、そろそろ、セールで値下することを前提にたくさん発注された商品よりも、セール時でも、いかに鮮度あふれる売場を演出できるか?の勝負にもなって来そうですね。
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