基準なくなる服のサイズ
7月21日の日経新聞、NIKKEI プラス1(折込土曜版)に「服のサイズって いい加減?」というコラム記事が掲載されていました。
最近、パンツを買おうとして、ふくらはぎが入らないために、屈辱的なウエストサイズのパンツを、サイズ直しして買わざるを得ない経験をいくつかしています。
いままで、このショップの、このブランドの、このサイズが自分にピッタリと気に入っていたから買いに来たのに、変化についてゆくのも疲れるな、なんて年頃になったようです。
また、中学生の息子のためにこの夏ユニクロでポロシャツを数枚購入しましたが、比較的、規格を重んじると思われたユニクロですら、サーフテイストのものはMサイズ、ベーシックなものはSサイズがちょうどよかったという現実です。(しかし、サイズ問題がひと目でわかる表示が付いていたのは、さすが。)
小さいサイズ、大きいサイズの服がない、といった業界の「サイズ展開」の問題だけでなく、MやL、7号や9号といった従来のアパレルサイズも、シーズンによって変化し、「サイズ表記」そのものが問われている今日この頃ではないかと思っており、記事を興味深く読ませていただきました。
記事では、かつてはJIS工業規格など、一定の基準のあったアパレル業界のサイズ基準も、日本人の体系の変化、海外ブランドの進出、流行シルエットの移り変わりの速さ、ブランドデザイナーサイドのこういう人に着てもらいたいっていう思惑により、日本の規格は有名無実化し、アパレルメーカーあるいはブランドごとに独自基準を持っているのが一般的。さらにシーズンごとにルーズ~タイトなどトレンドにあわせてフィット感を変更しているのも現実です。
JISが日本人の体形の変化に合わせて見直しされている一方で、業界では
○「種類やデザインを無視した統一の基準はもはや必要ないのでは」(日本アパレル工業技術研究会)
○「サイズ表示は大きさを示すよりも小売店での物流管理のため」(大手アパレル)
なんて割り切る声が大勢のようですが、このサイズ表示問題、上手にコミュニケーションをはからないと、生活者をがっかりさせる結果になりかねません。
作り手は、トレンドによるフィットの変更は当然と考えますが、1デザイナーが、実際の購買客層を無視して行うと、その「振り幅」の大きさによっては、ブランドや業態の業績を左右することさえあるのではないかと思います。
洋服のブランドって、調査してみるとわかりますが、結構、大多数であるはずの想定客層よりも、若干高めの年齢層の購買客層の方がブランドロイヤリテイ(忠誠心)が高かったりすることがあります。ブランディングと継続的なビジネスの成功の両立においては、その客層は無視できないほどいることも少なくありません。
今後とも、トレンドに合わせたシーズンごとのフィット感の変更は行われることだと思います。
生活者としては、自己防衛のための試着は欠かせませんし、売り手側も「これがトレンドだから当たり前」といった一方通行ではない、店頭を通じた優しい顧客コミュニケーション戦略がますます大切になることは間違いなさそうです。
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