商品ロスと万引き
今回は業界関心事の中でも、ちょっと泥臭い話をひとつ。
8月29日の日経MJ一面に異業種の話ではありますが、カー用品やDVD業界で、万引き対策に、メーカーが製造段階から防犯タグ(レジを通さず商品を持ってゲートを通るとアラームがなるヤツです)をつけて出荷する「ソースタギング」に注目が集まっているという記事が掲載されています。
記事によると、従来、店頭商品ロスという小売サイドの問題ではありながら、今後、装置の標準化や、メーカーサイドでの取り付けのコストが飛躍的に下がっているため、製販一体になって深刻な万引き問題に対応しようという機運になっているとのことです。
帳簿やデータ上の在庫数と実際の店頭の商品実数が合わない、いわゆる棚卸し商品ロスは、小売業のみならず流通企業が永遠に逃れられない問題なのは言うまでもありません。
ご興味あると思いますので、ご参考までに、記事に載っている全国万引犯罪防止機構調べの直近年度、業態別ロス率(売上対比)からファッション関連の業態の数字を引用してみます。
服飾雑貨 1.54%
靴 1.39%
婦人・子供服 0.48%
スポーツ用品 0.31%
百貨店 0.2%
紳士服 0.05%
宝飾品 0.04%
適正ロス率?なんてものは当然ゼロに決まっていますが、以前、計数管理の先生から、「目安として、粗利率の5%は『深刻』、3%が『許容』、1%以下は『優秀』と考えるとよい」なんて話を聞いたことがあります。当時、商品管理責任者だった私は、会社のロス率がその基準で言うと「優秀」の部類に入っていたので、ちょっと、ほっとした記憶があります。
また、棚卸しロスの原因は、この記事で問題にしているように、確かに「万引き」もその一因だと思いますが(万引きは確かに一番目立ちますし、現場の子達もよく話題にします)、経験的に言うと、それよりも、
・店舗スタッフによる売上、仕入、返品、移動時の計上ケアレスミス、
・棚卸し作業時のカウントミス
が多く、そこをマニュアル化したり、指導するだけでも数字はかなり改善することもわかりました。
以前聞いたある報告によると、「社内不正」も万引きを上回るものとのことでした。
防犯という外的な対策だけでなく、ミスが起こりづらい、不正が起こりづらい、社内の商品管理制度の整備も忘れてはなりませんね。
こんな話をしていたら、昔、勤務していた会社のオーナーがバイヤーたちによくおっしゃっていた言葉を思い出しました。
「万引きされないのは君たちの仕入れた商品に魅力がないからだ。万引きが多くなるくらいみんなが欲しがるものを品揃えしろ」
乱暴な話ですが、今でも耳に残っています。
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