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August 18, 2007

ユナイテッドアローズが業態別ハウスカードを統一し、本格的CRMにチャレンジ

 今週の日経新聞、繊研新聞、日経MJ各紙に、セレクトショップ最大手ユナイテッドアローズ(UA)社が、これまで業態別に発行していたハウスカードを統一し、ポイント還元も含めたカスタマーリレーションシップマネージメント(CRM)、フリークエントショッパーズプログラム(FSP)に力を入れることに関する記事が掲載されていました。

 詳細は UAニュースリリース にあります。

 ニュースリリースを読む限り、独自システム開発投資を行って(日経MJ記事には1億数千万円の投資とありました)、少なくとも百貨店ハウスカード並みの米国式?の教科書どおりの本格的なFSPにチャレンジする旨が書かれています。

 日本の流通業におけるハウスカードの取り組みは、ご存知のように、どちらかというと、ポイント還元という割引合戦の要素が強いですね。

 百貨店のハウスカードにしても、よっぽどの上顧客でない限り、顧客情報のワントゥーワン運用には程遠く、購買の中身というより、購買金額や購買頻度でグルーピングして、セールやイベントDM発送対象を選別することくらいしか成果を出せてこれなかったのではないかと思われます。

 また、上場企業では、割引が発生する前の未実現割引の全付与ポイントについても、経費、負債としての「ポイント引当金」の計上義務付けが企業収益を圧迫するため、一時のポイントカードブーム以降、ここのところ、経費だけが嵩むだけで明確な成果の出せないポイント還元カードを廃止する企業が少なくないのも実態です。(業界によってメーカーリベートや協賛金などがポイント還元の原資のあてにできる場合は、取り組みに積極的のようですが、ファッション専門店では、無論、それらを取引先から期待することはできません)

 ポイント還元型ハウスカードで先行する同業のビームスやトゥモローランドに対して、UAも顧客メリットを考えての初めて2%相当のポイント還元となるわけですが、流通業界がハウスカード、ポイントカードに弱腰になるタイミングでのUAの本格的?と思われるハウスカードの導入は、同社のことですから、それなりの覚悟、勝算あっての決断だと思います。 

 ファッション業界では、割引というより、ステータスであったり、商品、サービスそのものが大事だとされ、まだ、まだハウスカードの成功事例が少ないといわれていますが、CS(顧客満足)の取り組みに積極的な同社だからこその、何らかの成果を上げられることを期待しております。

 さて、同社既存のハウスカードを持つ私も、近いうちに統一カードに切り替えておきましょうか。

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