アパレル企業の服飾雑貨売上が伸び盛り
アパレルリテーラーに始まり、今、アパレルメーカーにおいても服飾雑貨部門の売上が伸びているようです。
今回のエントリーを書くきっかけになったのは、8月14日の繊研新聞の「流通レーダー」で、三陽商会が服飾雑貨の専門部隊を強化して、全社売上中の服飾雑貨比率が9.3%、年商126億円(06年12月期)になった舞台裏を中心に記事が構成され、大手アパレル各社の服飾雑貨の伸び、構成比の高まりを取り上げています。ワールドの構成比の高さは、専門業態もあるくらいで、もともと有名ですし(売上構成比22.2%)、オンワード樫山も確か、15%くらいを目指して強化中と聞いた記憶があります。
服飾雑貨とは、帽子、バッグ、ベルト、アクセサリー、靴などアパレル(服)以外のファッション身の回り品全般を指し、実用品から脱皮して、今や、アパレル専門店の店頭において個性とコーディネートを演出する上で無くてはならないアイテムであることは言うまでもありません。
実は、私のファッションリテーラーでのキャリアのスタートは、8年前、アパレル専門店の服飾雑貨と靴のバイヤーでして、当時、服飾雑貨は、「小物」と呼ばれ、まだレジ周りの脇役に過ぎませんでした。各社のバイヤーを見渡してもバイヤー見習いのような人がやっていたと思います。
しかしながら、メインのアパレルにヒット商品がないと、何かと店頭の鮮度や集客に期待される部門になり、一方、アパレル部門ほど社内の制約がうるさくなかったもので、自由に変化対応ができ、全売上の構成比も10%から始まって15%くらいまで伸ばせたものでした。
昔話はさておき、今、アパレル専門店において非アパレルアイテム、服飾雑貨の売上構成比は、15%~20%くらいにはなっているのではないでしょうか?そうすると、店頭で顧客の目先を変えることのできるくらいの影響力は十分あり、役目も重要ということになるでしょう。
ここに来てアパレルメーカーにおいても服飾雑貨部門の強化がされている背景を考えてみると、従来は・・・
・アパレル(服)が十分売れていたため、単価も低く、細かい服飾雑貨は二の次であった
・生産工場が違う、素材・附属手配が面倒、生産リードタイムが違うなど、生産背景の違いや参入障壁(関税割り当て=TQなど)の存在から、中小の専業メーカーまたは問屋任せにしていた
・そういった専業メーカーにブランドのライセンスを与え、自らは企画生産をせず、在庫リスクを張らず、ライセンス収入だけ得られればよい、と考えていた。
のではないかと思います。
それに対して、最近では・・・
○生活者がアパレルだけでなく、服飾雑貨も含めてコーディネート、アクセントをつけるのがあたりまえになってきた。
○アパレルメーカーが、SPA化を目指し、店頭(直営店)を持ち、そんな生活者、マーケットの変化に敏感になってきた。
○服飾雑貨の店頭での重要性、まだアパレルほど成熟しておらず、過当競争になっていないビジネスのうまみに気がつき始めた。
○専業メーカー、問屋にライセンスの名の下に、名前だけ使われて、イメージが少し違う商品を違う売場で別々に売られるよりも、直営店を持つことで、統一イメージ、コーディネートで販売すべきと考えるようになった。
といった環境の変化があるのではないでしょうか?
このような業界の流れの中で、特に単価の高い、バッグと靴あたりから従来の専業メーカーとアパレルメーカーの競争が始まっているようです。どちらに軍配が上がっても、切磋琢磨の中で、目の肥えた生活者のメガネにかなう感覚の服飾雑貨商品がマーケットに増えることを楽しみにしたいと思います。
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