2010年、ホームファッション業界激戦に向けて
今週の月曜日の記事になりますが、8月6日付日経MJに日本チェーンストア協会40周年シンポジウムでのホームファッション ニトリ、似鳥社長のコメントから。
「家具業界は比較的店舗過剰ではないものの、イケアの店舗の拡大など2010年代は本当の競争になる」
「家具だけでなく、家の中の装飾すべてとコーディネートする『ホームファッション』を強化したい。人口5万-10万人くらいでも成り立つような小型店舗も将来開発したい」
このコメントと関連して、流通専門誌「激流」9月号に、ニトリの小型新業態構想に関する記事が掲載されていました。
どんなタイプの小型店舗か興味深く読ませていただいたところ・・・
1500-2500坪級のこれまでのニトリの既存店に対し、300坪と小さく、家具を品揃えせず、比較的商品回転の速い「気軽に着替える」ホームファッションに特化した1店舗 年商3億円のフォーマット。立地は、今後、出店加速が予想される超大型店舗(船橋と港北はそれぞれ1万2000坪)のイケア、既存のフルラインのニトリ、のスキマを埋める、ファッションセンターしまむら、西松屋、家電量販店がありそうな立地やNSC(近隣型SC)のテナントとして出店することも想定しているようです。現在150店舗程度の同社は2022年、国内1000店舗構想をもっていますが、その暁には、7割をその小型フォーマットで実現することを想定しているようです。
「気軽に着替える」ホームファッションに特化した提案って、地方の小商圏への出店もよいですが、むしろ、ニトリのおかげでホームファッションの文化が定着しつつある地方よりも、大手がそれほど手をつけていない都心の方こそが、真空マーケットなのではないか、と思えてなりません。だって、日本の人口の半分くらいが東京首都圏、関西圏、名古屋圏に集中しているんですからね。
私は、家具、インテリア業界のファストファッションの代表格としてのイケアにも注目していますが、イケアのデータを見ているとちょっと恐ろしいことに気がつきます。
世界35カ国、257店舗のイケアの一店舗あたりの年商は、世界全店の平均で100億円です。そのスケールの大きさ。彼らは、きっと出店するからには、それくらい売らなければ意味がないと考えているのではないでしょうか?
業界大手のニトリの年商は1891億円(07年2月決算)ですが、業界の中堅以上の規模であるアクタスの年商が150億円ですので、売上は非公開ではありますが、イケアが船橋と港北、たった2店舗出しただけでも、すでにアクタス1社を上回るビジネスユニットが業界に出現した計算になります。
生活者に対して、家具、ホームファッションの新しい概念を創造するイケア。そして出店による業界へのインパクトの大きさ・・・
2010年、業界地図はどのように変わっているのでしょうか?
イケア、ホームファッション業界にご興味のある方、イケア創業者のイングヴァル・カンプラード氏の起業家精神がよくわかる書籍をご紹介しておきます。よろしかったらお読みください。
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