ファストリのバーニーズ買収は社運を賭けた大博打?
8月3日にバーニーズ・ニューヨークの買収提案価格をドバイの投資会社イスティマル社に同額の9億ドルに引き上げられたファーストリテイリングが、同日中に再提案額を9億5千万ドルに積み増した、と各紙が報道しています。
8月7日の日経新聞では、今後考えらるシナリオを図表で解説し、バーニーズニューヨークのオーナー、米ジョーンズアパレル社が設定した交渉期限である8月11日までに、両社が譲らなかったらファストリが価格を引き上げる機会が最大あと2回あることを示しています。
記事中では、ファストリの株価が買収提案前に比べて7掛けになっているのを受けて、著名証券アナリストの方が「(ファストリは)国内のユニクロ事業に専念すべき」と指摘しています。株主は買収を歓迎していないとの見方です。
ファストリの株価の下落については、確かにその要因も多少あるかもしれませんが、このところ、ブログでもよく取り上げている東証一部上場の勝ち組ファッション企業はユナイテッドアローズを除き、軒並み株価は今年の最安値を更新し続けています。
これは、米国の株安に影響されての全面株安に加え、小売りチェーンの基礎体力を表す既存店売上前年対比が7月に軒並み9掛け(90%)またはそれ以上であったのを受けての話で、ファストリのユニクロも含め、3か月連続で前年を落としている企業が少なくないことが最大の要因ではないかと思っています。
アナリストの方の意見は正論だと思います。私も、今のファストリの現状から、株主最適を考えたとき、国内で徹底的にユニクロのビジネスモデルとポジショニングを磨き上げることにフォーカスすることが優先すべき政策だと思います。また、ユニクロを去った優秀なテクノクラートたちも、もし、今同社で働いていたらそう考えるでしょう。
2010年グループ年商1兆円の計画がなければ・・・
今、世界のファッション流通を見渡した時、その期限までに、バーニーズニューヨーク買収ほど同社にとって、魅力的で、計画達成の大きな起爆剤になる案件は現れるでしょうか?否。
ファストリ柳井会長は、逃した魚は大きかったなんて言い訳をしたくない人だと思います。何がなんでも取ると腹に決めているのではないでしょうか?
まずは現地時間8月7日までに提出されるであろうイスティマルの提案に注目ですが、ジョーンズ社が業績不振を受けて、バーニーズニューヨークに限らずジョーン社そのものの買収も期待しているコメントをしていることもちょっと引っ掛かりますが・・・
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