日経新聞、日経MJ各紙に、米ウォルマートがすでに過半数の株式を取得している西友を、TOBによって完全子会社化し、株主の意見に左右されない本格的な改革に取り組むことを決めたことに関連する記事が掲載されています。
10月24日の日経MJを読んでいて、一番印象的だったのは、会見に臨んだビッグス上級副社長、カレジェッスキー西友CEOの両氏が口にしていた
「世界でも類を見ない厳しい日本の消費者」
という言葉でした。
まずは、アメリカとは、勝手が違う、と認め、理解した、学んだ、ことは、よいことですが、ちょっと時間がかかっているようですね。
また、同じ会見の中で、日本に最適な商品を世界中から調達するネットワークを強調されていましたが、今の日本に、アメリカと同じネットワークで、「世界中」から安い商品を持ってくる必要があるでしょうかね?
日本は発展途上国じゃない、成熟したマーケットですから、生活者は、価格だけでなく、「鮮度」と「そこそこの品質」を求めています。すると、スピード、タイミングが大切になりますから、プライベートブランドだけでなく、比較購買のためのナショナルブランドや、鮮度、スピードに対応できる国内、アジア近隣諸国のメーカーの協力が必要になるわけで、アメリカとは違った、日本市場向け独自のオペレーションまたはマーチャンダイジングを構築する必要があると思います。(←日本のメーカーに協力してもらえないゆえの「世界中から調達」なのかもしれませんが・・・)
ウォルマート含め、アメリカの企業は、世界最大で、所得によってセグメントされたマーケットを相手に、システマチックに動くことで成功している企業が多いですから、一般的に、海外でも、そのシステムを相手国に押し付ける傾向が強いと思います。
それゆえ、モノが満たされていない国ではうまくいくようですが、成熟マーケットでは、なかなか成功事例は少ないのではないでしょうか。
そういった意味では、グローバルビジネスが前提となっているヨーロッパ企業の方が、相手の事情にあわせて、柔軟に対応することが上手なように思います。
そんなことを考えていたら、以前、アメリカで働いていた時に、会社のオーナー(ユダヤ系白人)から、こんな話をされたのを思い出しました。
「君は、世界でもっともバイリンガルではない、自国語しか話さない国民はどこの誰だかわかるか?」
と聞かれました。
てっきり、つたない英語を話す、自分を含めた日本人のことかと思って口ごもっていると、
「それはアメリカ人さ。アメリカ人は、外国には行くが、どこに行っても英語が通用すると思っているから、相手に合わせる努力をしない。海外からやってきて英語を勉強し、話す君のような連中がうらやましい(笑)」
意外でした。アメリカは、日本人にとって、インターナショナルの象徴だと思っていましたから。
話を元に戻しますが、ウォルマートのEDSLP(EVERY DAY SAME LOW PRICE)の発想は、日本のスーパーにも必要だと思っています。それは、「価格に対する安心感」という発想だからです。それを日本の生活者に合わせて実現していただければ、成功の道はまだ残されていると思っています。
世界一の流通企業は、「世界でも類を見ない厳しい日本の消費者」に対し、いかに、対応して、変わることができるか?
しゃらくさければ、完全子会社化後、売却という選択肢もありますが・・・
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