適品・適時・適価・適所・適量
今回のタイトルは、言わずと知れた「マーチャンダイジングの『5適』」です。
この5つの「適」がマッチした時、ファッションビジネスはうまくいく、と言われ、ファッションリテーラーでは、シーズンごと、商品特性ごとにこの5適を実現すべく、取り組んでいるわけです。
先週、ユニクロがこの秋冬シーズンにカシミヤアイテムを仕掛けるにあたってプレスリリースを行い、各紙がこれを取り上げた記事を読んでいました。
この秋、これらカシミヤアイテムの一部をデザインするコラボデザイナーは、去年の秋もデザイナーズインビテーションプロジェクト第1弾で取り組んだアダムジョーンズ、この春に第2弾で取り組んだ、ルッツ & パトモス、そして、いよいよ日本が世界に誇るコレクションデザイナーのひとりケイタマルヤマ(丸山敬太氏)の登場です。
さすがですね、ユニクロは。
実は、今回のニュースを聞いて一番最初に頭に思い浮かんだのが「5適」という言葉でした。
今年はどうなのかな・・・と。
昨年の同社のデザイナーズインビテーションプロジェクトの企画、すべての商品を見たわけではありませんが、さすがコレクション系のデザイナーがデザインしたとあって、とても素敵で、いい商品だったと思います。
しかし、プロジェクトそのものは、ビジネスとしては、うまくいかなかったと聞いています。
たぶん、5適の前の3つはよくても、後の2つ、「適所」、「適量」に問題があったのではないかな、と想像に難くありませんでした。
私の知りうる限り、ほぼ全店でコーナー展開され、しばらくして、某数店舗で大量に値下げ販売されていた棚を目撃して、ああ、もったいないなと思ったものです。
商品を仕掛けるなら年間52週、全国の家庭の新聞に折り込まれるチラシで、土日期間限定価格で、大量販売!チラシに載らない商品は仕掛けじゃない、くらいの勢いがこれまでの同社のスタイルであり、強みだったと思います。
余談ですが、私もかつて、広告宣伝やチラシに載せるから、商品を切らさないようにと発注しすぎて、当初は評判もよく、よく売れたものの、在庫がさばききれず、大量に値下げ販売をした苦い経験をいくつか持っていますので、彼らのやり方、苦労を理解できないわけではありません。
そんなことを考えながら、WEBサイトを眺めていたところ、不安とはうらはらに、今回のコラボコレクションの中には、限定店舗とWEB STOREのみ販売の商品もあるようで、同社もいよいよファッション性に見合った商品の売り方や、希少価値を売るきめ細かいビジネススタイルへのチャレンジにも着手していることに気づき、少し安心したものです。
TOKYOxPARISxNEWYORK WORLD DESIGNERS MEET 100%CASHMERE 世界のデザイナーとUNIQLOがコラボレーション
アイテムの鮮度や商品特性、生活者の期待に合わせた商品ごとの「5適」。
欧州のSPA、ZARAやH&Mはそこらへんの使い分け、コントロールがとても上手だと言われています。そこが、彼らがプッシュ型(広告や接客による押し売り販売)ではなくプル型(広告に頼らずとも自然と顧客が期待して店舗にやってくる品揃え)と言われる所以だと思います。
日本のSPAの雄であるユニクロもそこらへんの精度に磨きをかけておくことが、これからますます激しくなる世界ファッションSPA戦国時代に向けての武装のひとつであると思う今日この頃です。
いつもお読み頂きありがとうございます。
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Comments
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Posted by: 世界一の不動産王 | October 02, 2007 02:59 PM
5適そろうのはとても難しいことなのでしょうね。
世界を目指しているユニクロは、
どんな手を見せてくれるのか、期待しています。
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Posted by: タッシー@団塊女性よこれからです | October 04, 2007 05:48 PM
タッシーさん
コメントありがとうございます。
ユニクロさんも力の入れ具合に、従来通りのものと、ファッション性を売る時と、緩急が付つけられてくるともっと面白くなると思いますね。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | October 08, 2007 03:52 AM