伊勢丹の強さのひとつは30年前の人力POSにあり
今週の日経ビジネス、特集「伊勢丹の作り方」を読んで印象的だったことについてコメントしたいと思います。
サブタイトルに「強さの源泉は顧客解析力とある」とあるように、同社は売上に占める使用率50%超を誇るアイカード(ハウスカード)による顧客購買履歴情報分析をはじめ、情報システムが充実していてその活用に定評があります。情報システムはお金があればどんな企業でも導入できますが、記事の中でとても納得した部分は、
30年以上前、伊勢丹武藤社長が30歳前後で婦人服のバイヤーだったころの話
まだPOSの無い時代に何が売れているかを知るために、販売員が売れた商品からちぎった商品タグを、同僚と整理するのが閉店後の日課であったという話。
もうひとつは”本誌発掘”という「武藤ノート」なる、商品計画を時系列にまとめたB4集計用紙(写真があってどんな内容だったかもよくわかります。とてもシンプルでわかりやすいです)。
半期分、カテゴリー別に月別テーマと週別チェックポイントが書き込まれていて、週単位で、反省→仮説→計画→実行のサイクルを回していたという話です。
今でこそ、月単位の管理ではなく、52週MDに基づく週間の仮説検証実践の習慣は勝ち組ファッション企業の常識ですが、売場の品揃えは仕入メーカー任せがほとんどだった百貨店業界の中で、こちらも手作業でしっかり行っていたわけですね。
記事全体を通して、同社には顧客が何を欲しがっているかを知りたい、その「執念」と行動力が社風として根付いている、と感じたものです。
ところで、POSを活用している企業の代名詞にもなっているセブンイレブンも立ち上げまもないころはあえて、まずはヒトが手作業でやってみて何をどうシステム化するかを考え抜いた結果が今のPOSに反映されていると言われています。
きっと人力で苦労してやっている間、体内に情報飢餓感が醸成されたことでしょう。
そんな具体的な飢餓感が繁栄されたシステム導入こそ、有効な投資になることは想像に難くありません。
知りたくてしょうがない情報をやっとのことで手にして、その仮説に基づき行ったことが、うまく行っても、うまくいかなかったとしても、そしてその積み重ねが、欠けがえのない商売の財産になることは間違いありません。
私も小売業に勤め始めたころを思いだし、その大切さをあらためて感じたものでした。
勝ち組企業は一日にしてならず。
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