専門強化に活路を見出す百貨店
10月23日の繊研新聞1面下段のコラム「め・て・みみ」の内容が興味深かったです。
10月10日にグランドオープンした浦和パルコに大丸百貨店の食品部門、「フードマーケット」と丸井が開発したメンズ&服飾雑貨のセレクトショップ、「アルディート by ビサルノ」が入居していることに日本の小売業界の変化を感じるという話。
大丸、丸井、パルコともに、地域によっては、競合する商業施設としてブランドぞろえ、品揃え、サービスで顧客獲得を奪い合っているライバルの間柄にもかかわらず、今回、パルコが、両社の「部門を切り出した専門業態」をテナントとして入れるという試みに出たところに、「旧来型の構造や秩序」をぶち壊して、「競合と共同を巧みに使い分けなければ生き残れない時代に入った」現れと読み取っているわけです。
大丸の食品にしても、丸井のビサルノやインザルームにしても、以前から、単独でも通用する、出店できる業態づくりの一環で、ららぽーとなどのSC出店の実績はありますし、一方、パルコが開発したコレクターズというメンズ雑貨の業態も、パルコを飛び出て他のSCに出店を始めましたね。
いい傾向ではないかと思います。
当然のことながら、自主編集売場だろうが、PBだろうが、百貨店や著名ファッションビルのような、大きな館や看板の集客に頼って、努力をしない品揃え・サービスは、その商品だけでなく、本体も顧客にそっぽをむかれてしまいかねません。
単体でも独立採算で、しっかり競争に晒され、顧客に支持され、切り出してどこへ行っても通用する部門づくり、仕事のしかたをしなければ、やがて巨大戦艦も沈んでしまうという、あたりまえの話だと思います。
そう、百貨店、量販店(GMS)も、成功体験から総合力や規模のバイイングパワーに走りがちですが、ある意味、京セラの「アメーバー経営」的な発想で、ひとつひとつの部門を他の力のある専門店との競争に晒し、強くする努力を重ね、全員参加型の強い個の集まりをもって、総合力を活かさなければ、浮上の道はないのではないかと思えてなりません。
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