三越が郊外SCへの新規出店を中止
10月24日の日経新聞に、三越石塚社長が「武蔵村山店のようなショッピングセンター(SC)への出店を見直す」と郊外SCへの新規出店を中止する方針を同紙記者に明らかにした、との記事が掲載されていました。
同社は、06年11月、東京都武蔵村山市のダイヤモンドシティミューに、その後07年2月に宮城県名取市のイオンモール名取に、百貨店の郊外型SC出店のチャレンジをされましたが、いずれも計画を下回り、2012年までにさらに4店舗を出店する計画だったところ、採算が見込めないと判断したとのことです。
月坪売上50万円を超える都心部の百貨店立地に対して、郊外SCになるとそれが10万円台になるでしょうから、損益構造の見方やオペレーションは根本的に違うと思います。
また、以前、どこかの記事で読みましたが、三越は店舗数は多いものの、地域一番店をもっていないのが、大きなネックになっているという話。 取引先は、どうしても結果の出やすい、地域一番店優先主義になりますので、必然的に、二番店、三番店には、新しい商品、売れ筋商品が回りづらいというものです。
伊勢丹との統合で踏ん切りをつけて、日本橋本店、銀座、大阪などの都心部への集中投資、地域一番店づくりに力を入れる模様です。
アメリカに行ったことのある方はご存知と思いますが、全米に複数の百貨店を核テナントとした郊外SCがたくさんあります。
三越のケースは、日本の百貨店の郊外SC出店ケースとして、個人的には注目していましたが、残念ながら、日本の百貨店ビジネスの現状を考えると、しばらくは難しいようですね。
アメリカでは、高級百貨店でもチェーンストアオペレーションが前提ですが、日本の百貨店は個店主義。
また、日本では、都心部と地元を「ハレ(おでかけ)」と「ケ(日常)」で使い分ける生活習慣があると思いますが、アメリカでは、「ハレ」の舞台やアミューズメントは、都心部(ダウンタウン)にはなく、むしろそういった郊外SCの中にあるという違いもあるのかもしれません。
そもそも、日本には、ハイクオリティまたはベタークオリティの総合店は必要ないのか?それとも、生活者に提案力のない供給側の問題なのか?
いずれにせよ、従来のGMS(量販店)ではない、郊外SCを舞台にそこそこ質にこだわった店舗を多店舗化することを基幹ビジネスモデルにするような新しい企業が登場しない限り、その実現はあり得ないのかもしれません。
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