WGSNをモニターして思ったこと
WGSN(Worth Global Style Networks)という、ロンドンを拠点として、世界のファッションビジネスに有益な情報をインターネットで企業に提供するサービスの日本語版がいよいよ年内に立ち上げられるということで、10月18日のプレスリリースに先駆けて、ご縁があって、個別デモンストレーションを拝見し、英語版のモニターをさせていただきました。
サイトの内容は、同メディアの百数十人のスタッフが、常時世界各国を飛び回り、ファッションビジネスで考えられるあらゆる情報ソースをリサーチして、シーズン2年前の世相トレンド、流行色予測から、12か月前のキーワードや素材情報、3~6か月前の具体的なデザイン、プロダクト情報、そして、リアルタイムな店頭、ストリート情報まで、マーケッターや、ものづくりに携わる職種の人たちが、「情報」を「ものづくり」に落とし込むために活用できる情報をひととおり網羅したものになっています。
おなじみの欧州素材展、欧米コレクションのランウェイ、世界各国の大小合同展示会はもちろん、注目ショップの店頭ディスプレー(VMD)や、ショップで販売されている商品とその価格、ストリートスナップからセレブが公式の場で着用したファッションの素材やデザインスケッチまで、リアルタイムに情報が上がってくるところがいいですね。気になるファッション業界のニュースは言うまでもありません。
なるほど、従来だったら、ファッション企業さんが、外部シンクタンクや企画会社に依頼していた内容から、自身が実際、年に数回マーケットリサーチに出かけて行って、やっているであろう内容を世界中で代行してくれている形になっているというわけです。
特に、私もリサーチをし、インスピレーションを感じる上で大事だと思っている、時系列、定点観測、予測とその検証という発想がしっかりされていること、そして、ウェッブというツールならではのアーカイブ(8年間の過去データの集積)は頼もしいですね。
世界の大手ファッション企業のみならず、ファッショントレンドをマーケティングに取り入れている非アパレル消費財メーカーも多々利用されている理由もよくわかります。
WGSNを拝見して思ったのは・・・
あらためて、国内外の勝ち組メジャー企業は、極めてオーソドックスなプロセスで仕事をしているんだな、というグローバルスタンダードの再確認ができたと同時に、ファストファッションのH&M、ZARA、TOPSHOPのアルカディアあたりも、なるほど、こういったリソースも使ってスピーディーな商品化を実現しているのか、とその一端を垣間見れたと思ったこと。
また、ユーザーの利用を想定した時、あくまでも、自分で動き、感じたこと=フィールドワークを確認したり、行けなかったところ、気付かなかったところについて補完するツールとして使ってほしいところですね。単にスケッチだけを拝借しても、マーケットが同質化してしまうだけですから・・・
一方、英語版の日本語訳だけでなく、これを機に日本の情報の世界への発信も強化されるとのことです。
日本のブランドで、過去にWGSNに紹介され、海外から引き合いを受け、輸出が始まったという事例も耳にしています。
情報受信、発信ともに、WGSN日本語サイトがきっかけになって、日本ファッション企業のグローバルビジネスの足掛かりになることも期待したいと思います。
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