明日の業態開発と店舗内装
11月27日の繊研新聞の「告知板」に大手アパレルのワールドが新しいショップデザインのアイデアを公募する「ワールドスペースクリエイターズアワード2008」の広告が出ていました。
アパレル業界で、Tシャツのグラフィックや商品のデザインを公募する企画は、多くの企業で行われていますが、業態コンセプトの基幹要素となる店舗デザインなど店舗の世界観、ビジュアルに関するものは、あまり聞かれません。
同社は、3年前にこのスペースクリエイターアワードをスタートし、毎年数百の応募があり、実際、全国のSC各所で入選者のアイデアが実現しているとのことです。
WORLD Space Creators Awards 2008について
業界の中でも、ワールドは、新業態の開発にもっとも積極的な会社の一つであることはだれもが認めるところだと思います。
受け入れる側の商業施設開発社が新業態好きという背景もあると思いますが、フラクサス、スタイルジャムのような大型新業態集積インキュベーション事業始め、次世代事業開発への投資を惜しまない同社が、次はどんな新業態を立ち上げるのかは、毎シーズンの業界関心事のひとつでありましょう。
そのためのアイデアのソースとしてのプロ、学生に間口を広げた本企画は、とても納得がいくものです。
ところで、ファッションストアのショップデザインを見ているといつも思うことがあります。
多店化を前提としたファッションビジネスにおいて、店舗の内装は、標準化が前提になっているものです。
つまり、どこのそのお店に行っても同じ看板、同じ内装・・・・
その理由は、生活者からの認知度を高めることであったり、本部商品業務の効率化であったり、店舗デザイン、内装費の経費削減であったりいろいろです。
しかしながら、その一方で、業界には、業態の価格帯にもよりますが、ある店舗数を越えると、生活者に飽きられるという飽和点なるものもあります。
この議論をしていると、いつも頭に浮かぶのが、異業種ではありますが、私も大好きな「紅虎餃子房」を展開する際コーポレーションです。
同社は、日本全国に複数業態をチェーン展開していますが、同じ屋号の業態であっても、1つとして同じ店舗内装は作らないというポリシーを持っています。
内装はすべて違うけれど、看板を見なくても、「紅虎だ」と一目でわかる共通点、肌で感じる何か、を持っていると思います。そんな世界観の違いを楽しみつつ、いつもやみつき餃子と黒胡麻坦々麺を頼んでしまう私。
ちなみに際コーポレーションは飲食業として有名ですが、オリジンは古着ミックスセレクトショップです。
いまやどこのショッピングセンターに行っても、同じ顔ぶれの勝ち組企業で固められた店舗構成。
「紅虎」のような考え方のファッションチェーンストアは出てこないものかな、と思います。
生活者は何か新しい買い物体験を欲しながら、とは言え安心できる品揃えを求めているのではないかと思います。
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