新業態のハードル
11月12日付のユナイテッドアローズ(UA)のニュースリリースを受けて、13日の繊研新聞、14日の日経MJに同社がこれまでチャレンジして来た新業態を整理、統合、再編することにより、主力業態を強化することに関する記事が掲載されています。
ファッションリテイラーは、時として、基幹業態がマーケットの飽和に近づくと、次の柱、将来の種まきとして、既存業界が攻めきれていない、「真空マーケット」に対して、いわゆる「新業態」を立ち上げますが、ここのところ、厳しいマーケット環境もあってか、なかなかうまく行っているという話を聞かないのが正直なところです。
特に、
基幹業態から派生させて、より高い感性にチャレンジしたもの
について、既に確立された既存ブランドの事業買収を除いては、残念ながら、成功事例を見つけることが難しいといわざるをえません。
「文化は高いところから低いところに流れる」といわれるように、ファッションマーケットにおいても、マーケットのヒエラルキーの下(ヴォリュームマーケット)から上(トレンドマーケット)を狙った時のハードルは、極めて高いと言えます。
その理由は、
・基幹業態で成功体験をもつ人の感性に任せようとする「ムリ」や、
・顧客の認知度が低い上に、
・価格が高くなれば、商品回転が落ちる
のは、当然で、
・既存業態と比較して、「売れない!」と、我慢ができない、
というのが、企業のエゴであり、生活者が突きつける現実でありましょう。
このような例は、業界に枚挙にいとまがありません。
逆に、トレンドマーケットの感性をもって、ミッドトレンドマーケットやヴォリュームマーケットを狙った新業態には、いくつも成功事例があると言えます。
今回話題になった UAのグリーンレーベルリラクシング(GLR)はもともとそうですし、我慢に耐えたポイントのグローバルワーク、クロスカンパニーのイーハイフン・グリーンパークスあたりがその好例でしょう。
但し、ヴォリュームマーケットのユニクロがさらにチープなg.u.を展開したことは、また違った意味で日本のマーケットを読み違ったということが言えるかもしれませんが・・・
とにかく、目の肥えた生活者は、今、感性が高く、値段がこなれているという、業界の非常識?を求めています。
欧州ファストファッションはまさにそれに応えたものですし、来年、彼らの本格上陸の臨戦態勢を迎えるにあたっては、各企業に真剣勝負が求められることになるわけです。
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