QR(クイックレスポンス)時代の品質管理
今週の繊研新聞の1面に「ハニーズ1400店舗への挑戦」という特集記事が連載されています。
11月1日付の3回目には、同社の短納期生産~店頭投入を支える、独自の洗濯テストによる製品船積み前品質検査について書かれており、以前、私が海外生産をやっていたころの苦労を思い出し、興味深く読ませていただきました。
この記事にもあるように、百貨店や大手チェーン店(GMSやユニクロなど)に納品される商品は、必ず、生地、製品について、指定公的検査機関で品質検査を受けたり、企業内品質管理室の厳格な基準をパスしたものだけが物流センターに納品され、店頭に並ぶというのが、一般的な流れです。
実はこの品質検査、ものづくりに携わっている人にとっては、時間的にも精神的にも本当に馬鹿になりません。
私の実感では、海外生産の受託業務を行っていると、その半分いやいや、60%くらいはこの品質検査をパスする商品をいかに作るか?裏を返せばいかに品質検査をパスするか?を考えていたような気がします(苦笑)。
生地段階では問題なかったのに、製品で引っかかるなんて話、よくありましたから・・・
業界の検査機関には、
などがあって、私も相当通いつめたり、お世話になりましたが、生地や製品の洗濯後の色落ち、強度、縮率、斜行(ねじれ)や外観の検査の結果を待つのに、1週間程度かかっており、心配な商品の検査中は、夜もぐっすり眠れなかったこともありましたっけ?
これは、大手小売企業が万が一の顧客からの品質クレームに対応するための保険目的で行われていることも少なくなく、厳格な検査基準に若干達しなくても、通常の着用には問題なかったりするケースも多々ありました。
一方、顧客が、さほどうるさくないカジュアルチェーンや、私自身がカジュアルアパレルチェーンで働いていたときは、もっぱら、ハニーズがされているように、船積み前商品の「実用洗濯テスト」だったものです。2枚抜き取って、1枚を洗濯し、外観を比較をしたり、サイズを測ったり、着用して問題がなければ、OKしたもので、これをパスして店頭で大きな問題になったケースはほとんど記憶にありませんでした。
その際、微妙なものは、MDやバイヤーなど関係者で協議したり、覚悟?したものですが、さすが、ハニーズ、この洗濯テストに対しても、しっかりA4サイズ 8ページからなる基準書を作ってらっしゃるわけですね。
クイックレスポンス、ファストファッションの時代に、一考の価値ある話題ではないでしょうか?
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