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December 30, 2007

2008年、ファッション業界のビジネスマクロトレンドは?

 今年最後のエントリーは、今年ブログで取り上げた記事から、2008年のファッションビジネストレンドを考えてみることとします。

1.外資ファストファッションブーム
 筆頭は、やはり秋のH&Mの日本進出、既に日本進出を果たしているZARAとともにファストファッションブームを巻き起こし、日本のファッションマーケットにどのような影響があるか?ということに間違いなさそうです。果たして、H&Mは日本進出の手土産に、どんなインパクトのあるセレブやコレクションデザイナーとのコラボをぶつけてくるでしょうか?

 ●ファッション業界関係者はH&M(エッチアンドエム)の日本上陸の影響をどう見るか?~WWDジャパンより

 こんな流れにあわせて、今年は、ファストファッション、H&M、ZARAに関して、流通システム開発センターさん、日本繊維新聞さん、月刊ファッション販売さんに多くの記事を執筆させていただきました。
 関連の記事をPDFでご覧いただけるエントリーをあらためてご紹介させていただきます。このあたりをお読み頂ければ、「ファストファッション」の基礎知識的なものがお解かりいただけると思いますのでよろしかったら・・・

 ●日本繊維新聞記事「H&M、ZARA、トップショップ・・・ファストファッションの時代到来」
 ●日本繊維新聞記事「『ファッションの民主化』で何が変わるか・・・ファストファッションの衝撃波」
 ●H&Mのハイスピード経営
 ●ZARA(ザラ)のビジネス哲学に学ぶ

2.郊外SC出店の次に求める企業の成長エンジンは?
 改正まちづくり三法の施行に対する郊外大型SCの駆け込み開業もあり、これまで郊外SCへの出店を成長エンジンにしてきた勝ち組企業にもかげりが見え始めました。今後の出店、成長エンジンに向かうは、やはり都心部の駅ビルとそれに対応した事業開発でしょうか?

 ●SC開業過多の行く末
  
3.ファッション業界に流入する外資
 日本のファッションマーケットに外資が流入した一年でした。今後は欧米系に限らず、サブプライム問題で打撃を受けた世界の金融機関を救済するパワーを持った中東や中国の政府系投資ファンドの資金が流入する可能性も否定できません。

 ●ゴールドマンサックスとリステアホールディングスが商業施設投資会社を設立
 ●ゴールドマンサックスがティファニー銀座本店ビルを取得
 ●「ニッポン買イマス」 主役は新興国(BRICs)? 

4.人財育成の時代
 囲い込みから人財育成へ、思い立ったら、ヒントは身近なところにあるものです。

 ●ルミネのショップマスター研修
 ●ABCマートの店長交換研修
 ●ヴィレッジヴァンガードの店長候補育成法

5.問われる業界のモラル
 業界全体の体質はそう簡単には変わらないとは思いますが、波はそこまで押し寄せてきているようです。来年は、「考えさせられる」事件、事例が表面化する一年になるかもしれません。

 ●デザイン模倣問題にどう向きあうか
 ●試着販売スクープで考える業界の常識と課題
 ●アパレル生産でも今後避けては通れない?人権問題

 ということで、2008年に話題になりそうな5つのトピックを挙げさせていただきました。

 今年は、天候、スタイリング、生活者の購買行動の変化、競合激化などなど、業界にとっては厳しい一年だったと思いますが、転機こそチャンス!生活者はワクワクする売場、商品、サービスを待ってます。

 そのために、業界でお仕事をされる方々は、マクロトレンドの把握と人財育成に、是非、是非、力を入れていただきたいと思います。

 今年も皆様のおかげでブログを綴り続けることができました。御礼申し上げます。

 ありがとうございました!

 それでは、良いお年をお迎えください。

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December 29, 2007

2007年ファッション流通10大ニュース!

 さて、今年もあと3日となりました。皆さんにとってどんな一年だったでしょうか?

 今年、「ファッション流通ブログde業界関心事」で取り上げたエントリーを使って、07年のファッション業界を取り巻く出来事を振り返ってみたいと思います。

1.百貨店統合
 伊勢丹が主導となった、三越、伊勢丹の経営統合により、大手百貨店の4大勢力構図が確定しましたね。百貨店マーケット全体は今後も年々縮小してゆくと思われますが、2010、11年にはどんな業界地図になっているのでしょうか?
 ●伊勢丹・東急百貨店の業務提携の方がすごい
 ●三越、伊勢丹資本提携は誰のため?
 ●三越・伊勢丹の経営統合、伊勢丹の主導ぶりに脱帽

2.銀座・有楽町の再開発
 首都圏集中のトレンドが進む中、この秋の銀座、有楽町の再開発は熱かったですね。これからは、首都圏内、エリアごとの集客綱引きが加速しそうです。
 ●この秋の新商業施設は、銀座・有楽町・東京駅が見どころ
 ●「ステイヤング」需要を逃すな

3.しまむらの都心部攻略開始
 改正まちづくり三法施行の今年、ヤマダ電機、しまむらなど郊外の猛者(カテゴリーキラー)たちが都心部に切り込んできた一年でした。今年の成果を検証して、今後も加速が予想されます。
 ●ババに?しまむら?
 ●しまむら高田馬場店 開店1か月が経って

4.業界で進むM&A
 やはり一番大きいのは、イオンによるダイエー再建でしょう。
 ●イオンの主導で合意されたダイエー再建最終章
 マルキュー系ブランドに外資ファンドが投資したケースも見逃せないです。アメリカでは、ここ数年プレミアムジーンズブランドにファンドが投資をしていましたが、来年は日本のマルキュー系など勢いのある等身大ブランドがファンド投資の対象になるケースが増えるかもしれませんね。
 ●投資ファンド2社が発表したアパレル買収案件
 ●マウジー、スライをフランスファンドが買収

5.ファストリのNYバーニーズ買収への入札
 手に汗握る買収金額交渉に熱くなったのは私だけではなかったはず。 
 ●ユニクロのファーストリテイリング、バーニーズ買収提案で逆転なるか
 ●ファストリのバーニーズ買収は社運を賭けた大博打?
 ●ユニクロのファストリ、米バーニーズ買収を断念

6.H&M日本進出情報
 いよいよH&M日本進出前夜ということで、詳細が徐々に明らかになってきた一年でした。
 ●H&Mの銀座旗艦店出店情報
 ●H&M社長、日本進出戦略を語る

7.海外大手SPA事情
 ザラのインディテックスの連続、年20%の成長、世界2位への躍進、一方、かつて世界一のSPAだった、リミテッドブランズのアパレル事業撤退は、新旧世代交代をはっきり物語っていますね。
 ●ZARA(ザラ)のインディテックスグループの驚異的な成長
 ●米リミテッドブランズ社 リミテッドストア売却でファッションアパレルビジネスから実質撤退

8.アパレル各社正社員化で更なる人材採用難
 これは、私が、仕事で行く先々で話題になっていた話です。今後は、囲い込みから、育成に向けた企業の対応を期待します。
 ●各社が正社員登用制度を加速
 ●給与・賞与だけがすべてじゃない

9.アパレルストアでの服飾雑貨に注目
 服飾雑貨(帽子、バッグなど)&靴の伸びが楽しみですね。今後も、着こなし上手がますます増えることを後押ししてくれるでしょう。
 ●アパレル企業の服飾雑貨売上が伸び盛り
 ●レッグファッション人気で靴下SPA(製造小売業)が好調
 アパレルの靴業界参入も興味深いトレンドです。
 ●ワールドがシンエイと組み婦人靴専門店を開発

10.ユニクロのジーンズ
 実は、このエントリー、今年もっともアクセスを頂いたもののひとつでした。私も実際、試していますが悪くないのでお奨めです。今年、散々だったジーンズカジュアル業界には驚異の事実だと思います。
 ●ユニクロのジーンズの進化に感心
 ●ユニクロが2990円のジーンズ販売を中止して、3990円・4990円に絞り込む

 ということで、独断と偏見にもとづいた選択になりましたが、多分業界のマクロトレンドはそこそこおさえていると思います。

 こちらも独断になりますが、今年の「大賞」は、何だかんだ言っても、国内、海外、品質向上、メディア活用と、一番業界を盛り上げてくれた、ユニクロのファーストリテイリングさんに贈りたいと思います。お疲れ様でした。来年も活躍に、期待しています!

 さて、次回、今年最後のエントリーは、同じく、今年のブログエントリーを使って、2008年のファッション業界のビジネストレンドを予測してみたいと思います。

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December 27, 2007

伊勢丹が三越との統合に向けて準備加速

 12月26日の日経、日経MJ、繊研新聞各紙に、伊勢丹が来年の三越への経営統合に向けて提携関係や子会社を整理することに関連する記事が掲載されていました。

 元になっているニュースリリースはこちら

 伊勢丹ニュースリリース‐阪急百貨店との業務提携解消
 伊勢丹ニュースリリース‐小倉伊勢丹の株式を井筒屋へ譲渡

 前者について、いまひとつ提携の成果が出せなかったこととあわせて、背景には、統合した阪急と阪神の梅田の本店の前に2010年、三越が大阪店を出店する計画があります。

 一方、後者についても、債務超過の小倉伊勢丹の切り離しとともに、伊勢丹が九州で提携する岩田屋のある福岡市に2011年阪急が出店する計画があるとのことです。

 ということで、効率の悪い提携、子会社の整理と同時に、阪急阪神グループとの全面対決にむけて体制を整える意味もあるようですね。

 今年は大手百貨店の統合が一段落した年でしたが、今回の伊勢丹の一手が口火を切って、来年以降2010年、11年に向けた対決への綱引き?あるいは詰将棋?が進みそうです。


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December 24, 2007

先週の記事別アクセスランキング

 先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

 毎週、どんなキーワード検索で当ブログにお見えになっている方が多いかが判るのが、ブログの利点でもあるのですが、先週については、以下のランキング1位になっているエントリー、先々週、週刊誌に取り上げられた「試着販売」への関心が高まっていたようです。

 販売スタッフが自社ブランドを着用して販売することは、間違っていないと思いますので、顧客の信頼を維持するためにも、是非正しいルールと運用をもって、スタッフの方々が行っていただきたいと思います。

 セール前の買い控えで売上が一段落するのを仕方ないと諦める企業もあれば、リスクを張ってワンランク安いジャストシーズンの新商品を投入し、売場を活性化するようなチャレンジをされている企業もあるようです。せっかくの客数動員の多い時期、黙って見ているのも、つまらない、もったいないですからね。  
     
【ランキング】
1位-試着販売スクープで考える業界の常識と課題(07.12.14)

2位-日本繊維新聞12月18日付にZARA(ザラ)に関する寄稿が掲載されます(07.12.16)

3位-ZARA(ザラ)のビジネス哲学に学ぶ(07.12.20)

4位-ハニーズ初のM&Aでトレンド企画機能を獲得へ(07.12.13)

5位-ポイントが香港を拠点にグローバルSPAを目指す(07.12.21)

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December 23, 2007

5年後のインターネットビジネス市場

 12月19日付けニュースリリースで、野村総研が、5年後、2012年のインターネット販売、BtoC EC(消費者向け電子商取引)の市場規模が、現在の倍に相当する10兆円に達する予測を発表した内容を、日経MJ、繊研新聞がそれぞれ12月21日付の記事で取り上げていました。

 野村総研ニュースリリース

 これは、ニュースリリースにもありますように、直近同様、年平均30%の成長をつづけていったことを想定しての予測値のようです。

 繊研新聞も触れているように、10兆円規模になった段階で、インターネットビジネスの売上構成比率がようやく最終消費支出の3-4%に達することになるようで、さらに拡大することが予測されるだろう、とのことです。

 以前、ブログで、リアル店舗の3%くらいが、現在のネット売上比率の目安と見ることができるのではないか、というエントリーをしましたが、先日、マザーズに株式公開を果たされた、ZOZOリゾートを運営するスタートトゥデイの前澤社長が新聞社のインタビューに答えて、3%と言われるネット販売比率を10%まで伸ばしたい、とコメントされていましたね。

 ネットビジネスに、リアル店舗の売上の何%の潜在性があるかは、わかりませんが、5年後、10年後、規模の拡大だけではなく、サービスの質の向上にも期待したいところですね。Amazonのかゆい所に手の届く進化を見ていると、とても楽しみです。
 
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関連エントリー-ファッションリテイラーのネット通販比率

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December 22, 2007

少年ジャンプファンはラフォーレ系?

 小学校4年生の娘にせがまれて、12月22日、23日に幕張メッセで開催された集英社の人気漫画週刊誌、少年ジャンプのイベント、「ジャンプフェスタ2008」に行ってきました。

 イベントの内容は、少年ジャンプに連載中の漫画やアニメの声優が登場するショーイベントやキャラクターグッズ販売、ゲームソフトになったものの先行体験会などなど。

 この手のイベントの動員数には、いつもびっくりさせられるのですが(子供の付添で、ゲーム、アニメ系のイベントによく行くもんで・・・)、今回、意外だったのは、このイベントに来ている来場客層でした。

 当初、アキバ系の男の子中心?と思いきや、圧倒的に、そうですね、7割以上が中学生、高校生、専門学校生くらいの女の子だったということでした。

 いろいろ考えていたら、やはりアニメのキャラクター、声優、主題歌を歌うロックバンドなどが、むしろ女の子のファンがつきやすい演出が多いのだろうな、と思いながら、年末のアメ横のような人ごみの中、娘とイベントのブース間を行き来していました。

 するってーと、仕事がら気になるのは、中心客層のファッション、ということになってしまうのですが、一言でいうと、ラフォーレ系ですかね。マルキュー系はほぼ皆無でした(笑)。

 ラフォーレ原宿には、原宿ファッションの縮図のように多様なファッションストアが出店されていますので、一言での表現は難しいのですが、イベントには、コンサバな子も少なくはないのですが、多くの子たちが多様なラフォーレ系ファッションでそこそこ「気合い」が入っていてかわいかったのがとても印象的でした。

 イベントや休暇中に人が集まる場所(遊園地やリゾートパーク)に行くと、似たような客層が今どんな服を着ているのかを見ることができるのも実は、楽しみの一つですあります。ストリートに限らず、そういった場所も、ある意味、いいマーケットリサーチ場所になりますよね。

 ちなみに、うちの小4の娘は・・・最近、「しまむら」にハマってます。

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December 21, 2007

ポイントが香港を拠点にグローバルSPAを目指す

 12月20日の繊研新聞に、ローリーズファームなどを展開するアパレルSPA、ポイント社が、この度、子会社化することになった香港の現地法人(POINT HOLDING)を利用して、同社の既存業態(レイジブルー、ローリーズファーム、ジーナシス)の香港出店とともに、香港発のグローバルSPA開発を目指すことを表明したことに関する記事が掲載されています。記事によると、

 めざすは、「H&Mやザラと伍していけるブランド」(と、よく言ってくれましたね)

 とのことで、現地スタッフによるMD、マーケティングによって、働く女性をターゲットに、香港、中国本土、アジアへと広げて行く構想のようです。

 同社が、香港という拠点から、中国本土そして、世界を狙うのは、とても面白い、と思いながら、記事を読んでいました。
 
 今、日本企業がグローバルSPAを目指す時、拠点は日本ではなく、むしろ香港や上海だと思います。

 ZARA(ザラ)を例にとるとわかりやすいのですが、インターネット時代に、世界の店頭の情報をリアルタイムに共有することができ、シャトル並みの頻度で商品を店頭に届ける国際物流インフラを構築することを前提にすれば、拠点は、マーケットの近くではなく、生産地に極力近い方が小回りが利くと思うからです。特に香港は、世界のファッション生産情報の中心地ですからね。

 香港のパートナー企業のウォンサンヒングループは、業界の方はよくご存知の香港ニットメーカー最大手のひとつで、彼らは世界のファッションブランドからオーダーを受注しているはずですから、ファッションの情報蓄積も相当なものだと思います。

 顧客がわかる「洋服好き」で「アカデミックな」発想のできる同社に次世代のグローバルSPA育成の期待をしたいと思います。

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 関連エントリー‐絶好調企業「ポイント」に思う店頭情報活用考

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December 20, 2007

ZARA(ザラ)のビジネス哲学に学ぶ

 先にご案内の通り、12月18日の日本繊維新聞に世界最大級のファッションSPA(製造小売業)グループ、スペイン、Inditex(インディテックス)社の基幹業態、ZARA(ザラ)に関する寄稿記事が掲載されましたのでご紹介させていただきます。

 今回の見出しは、「ファッション小売りのベストプラクティス~ZARAのビジネス哲学に学ぶ」としていただきました。

 正直、世界のファッションリテイラーのベストプラクティスと言える、ZARAから学ぶべきことを、制限字数(2000字台)でまとめるのに苦労しました。読み返してみると、一文一文にちょっと力が入りすぎていたかな、とも思いますので(笑)、業界外の方には読みづらい部分もあるかもしれませんが、ZARAのオペレーションを広く知っていただく入り口としては何とか、まとまったかなとも思っています。

○どうしたら顧客の来店頻度を高められるか?
○どうしたら店頭情報を企画生産現場とリアルタイムに共有し、マーケットの変化に対応できるか?
○どうしたら必要最低限の在庫で売上を高めることができるか?
○どうしたら週末だけでなく、週の初めも売り逃しをせず、週の売上を極大化できるか?

 ZARAのオペレーションには、すべてのファッション企業を勇気づけるヒントが詰まっていると思います。

 よろしかったら記事をPDFダウンロードしてお読みください。そして、是非、ZARAの店頭に行って何かを感じてください。

 いつの日か、ZARAのようなファッションリテイラーが日本から出現することを夢見て・・・

 「ZARAのビジネス哲学に学ぶ」をダウンロード

 末筆ながら、ニッセンさん、この度も機会を頂戴しありがとうございました。 

 日本繊維新聞ホームページ

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関連エントリー-ZARA(ザラ)のインディテックスグループの驚異的な成長

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December 17, 2007

先週の記事別アクセスランキング

 先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

 新聞紙上で、12月上旬商戦、前年割れの苦戦の記事が目立ちました。百貨店ではセール前の買い控え?とのことですが、ブランドごとのDMやメール会員に対しては水面下で前倒しシークレットセールもたけなわのようです。

 ユニクロがいよいよ世界のファッションの中心地、フランスへのアンテナショップの初出店を果たしましたね。韓国、中国は好調とのことですが、来年の欧米でのチャレンジ、MUJIとの競演、期待しています。
     
【ランキング】
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December 16, 2007

日本繊維新聞12月18日付にZARA(ザラ)に関する寄稿が掲載されます

 来る12月18日(火)、日本繊維新聞(ニッセン)さんのご依頼で執筆したスペインのインディテックスグループの基幹業態、日本でもすっかりおなじみになったZARA(ザラ)に関する寄稿記事が同紙に掲載されますので、事前にご案内させていただきます。

 ニッセンさんには、以前、ファストファッションについて2回、H&Mについて1回コラムを執筆しましたが、今回は、ファッションリテイラーがZARAに学ぶべき政策を簡単にまとめさせていただきました。

 ZARAの哲学、オペレーションを整理するたびに、ファッション業界で、これほど進んだディマンドチェーンマネージメント(顧客起点のサプライチェーンマネージメント=SCM)はないだろうと、思い知らされます。

 しかしながら、そのひとつひとつはファッションビジネスの基本中の基本であり、彼らをゴールにして日々の業務改善を考えたら、まだまだ日本のファッション企業が「やれる」ことはたくさんあることにも気付かされます。

 その点、来年、マークすべきは、H&MよりむしろZARAではないかと思えてきます。

 2008年の取り組む課題のひとつに「ZARAのベンチマーキング」というのも悪くないんじゃないでしょうか? 

 よろしかったら是非お読みください。

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関連エントリー-日本繊維新聞「FB(ファッションビジネス)教室」にコラムが掲載されました(上)
関連エントリー-日本繊維新聞「FB(ファッションビジネス)教室」にコラムが掲載されました(下)
関連エントリー-H&Mのハイスピード経営

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SC開業過多の行く末

 12月16日の日経新聞、企業トップによる参考になるひとことコメントを掲載している「回転いす」というコーナーがありますが、今回は、しまむらの藤原会長の「SC開業過多に警鐘」というタイトルでした。

 要は、郊外大型店の出店を規制する「改正まちづくり三法」が11月に全面施行されましたが、駆け込みSC開業ラッシュの影響により、過当競争が進み、既存不振テナントの穴埋めに、あるいは新規のSCでもテナントを埋めきれないデベロッパーから、しまむらにも多くの声がかかり、SCテナントとして出店する形が増えているというもの。

 従来はロードサイドフリースタンディング(単独)への独自のローコスト出店が多かったしまむらグループもこんな影響でテナントとしての出店機会が今後も増えるであろうという話です。

 SCのデベロッパーは一般的に、自社開発SCの近隣にSCを出してその地域での売上が100から160(1.6倍)になればよしと考えますが、テナントはそれによって既存店の売り上げが100から80(160÷2)になってしまっては困るわけで、そんなデベロッパーとテナントの利害の違いは、数年前から課題になっていたと思います。

 その結果耐えきれず退店→大型店舗のカテゴリーキラーによる穴埋め

 という図式は各所で見られているのが現実のようです。2年目で早くもテナント歯抜け状態のSCも珍しくなくなりましたね。

 数年後には、そんな郊外SCはどのようになっているのでしょうか。 

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関連エントリー-まちづくり三法改正で変わる商圏勢力図

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December 14, 2007

試着販売スクープで考える業界の常識と課題

 今週の読売ウイークリーにサンエーインターナショナルグループの人気ブランド、ピンキーガールズで行われていたとされる「行き過ぎた」販売員の試着、新品戻し販売のスクープ記事が掲載され、これらに対し、同社はHP上で、当初の意図と誤解を招いたとする同手法の中止について説明をしています。

 記事の内容にご興味ある方は、同誌をお読みいただくとして、ファッションリテイラーの販売スタッフが自社ブランドの商品を店頭で着て接客販売することは業界の多くの会社で常識のひとつになっています。

 古くから、業界で販売スタッフはマネキン(このフランス語がマヌカン)と呼ばれるように、販売スタッフの「着用」は、コーディネートや商品の良さを店頭でもっともわかりやすく顧客に伝える手法と考えられ、実際、説得力を持って売上につながっています。

 みなさんも販売員さんが身につけているものに魅力を感じて、購入された経験をお持ちなのでは・・・

 通常、この着用商品は、スタッフが社員割引で買ったり、会社側から支給されるのが一般的ですが、実際は、前者が多く、安くは買えるものの、給与からの天引きというスタッフの馬鹿にならない継続的な負担になっているのが現実。中には、会社側がノルマを課して売上のあてにしたりする事例も耳にします(←これじゃ、まるで飼い殺しですね)。それが理由で、せっかく採用になった職を断念するケースもあるようです。

 ここのところ業界では、従来の春夏・秋冬という2つの大きいシーズンを6つから8つに細分化し、多品種小ロット、ひとつひとつの商品の販売期間を短くして、その商品回転、鮮度で生活者を魅了し、競合他社とスピードで競争している昨今です。

 旬の自社ブランド服を着続けることをスタッフに課すとすると、スタッフにとっても、会社にとっても、気づかぬうちに負担が大きくなるのだなぁと思い知らされます。

 また、そんなプレッシャーは、スタッフの定着率に影響するでしょうし、「試着販売」を奨励するとなると、運用面で、公私の境目がわからなくなり、こんなスクープや目に見えないところで不正も起こってしまうのではないかと心配してしまいます。

 マーケット環境の変化は、業界の常識だから、みんなそうやっているから、では済ませられないことへも手をつけていかなければならない時代の始まりでもあります。

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December 13, 2007

ハニーズ初のM&Aでトレンド企画機能を獲得へ

 12月12日の繊研新聞に婦人服専門店チェーン大手、ハニーズが初のM&Aとなる、レディースカジュアルブランドショップ、ANQUIET(アンクワイエット)を展開するアナザーノーツ(渋谷区富ヶ谷)の買収、100%子会社化関する記事が掲載されていました。実際の調印は早くて今月20日くらいとのこと。

 アンクワイエットHP

 アンクワイエットはラフォーレ原宿や新宿ミロードなど日本全国の政令指定都市の人気ファッションビルにラフォーレ系(←古いですねこの言い方、mini系と言った方がよいのでしょうか)のカジュアルファッションを14店舗展開するブランドショップですが(ピークは18店舗とのこと)、現在、年商売上高10億円余りも最終赤字と行き詰まりつつあったところにハニーズが手を差しのべたというところでしょうか。

 ハニーズは次の手として狙いたい一格上の都心部ターミナル駅のファッションビルトレンドマーケットの開拓、またその企画開発機能を手に入れることになり、アナザーノーツはハニーズの資金、インフラやスピードオペレーションを得て活性化を図ることになります。

 ハニーズは、これまでヴォリュームマーケットの特性上、商品企画機能をシーズン立ち上がり時に仕入れるメーカー提案商品や雑誌、店頭、ストリートの調査などすでに形になったものに頼って来ました。

 今回のM&Aをきっかけに自前では限界のある一格上の企画機能、業態を手にするわけですが、今後、ハニーズには、勢いで10数店舗まで伸ばしながらも、人海戦術で乗り切れない「壁」にぶつかるこのくらいの規模のいろいろなテイストの複数のブランドストアを支援していって頂くと、業界にとっても、企業双方にもいい相乗効果があっておもしろいのではないか、と思いました。

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関連エントリー-ハニーズも、リスクを張って企画先行型商品を開発へ
関連エントリー-新業態のハードル

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December 10, 2007

先週の記事別アクセスランキング

 先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

 先週は米ウォルマートの西友100%子会社化へのTOB成立が確実となり、いよいよこれから本格的なかじ取りが始まるようです。

 先日来日したCEOのインタビュー記事を読みましたが、さて、日本の西友は英アズダ買収のようにうまくいくでしょうか。しかしながら同社の十八番EDLP(エブリデイロープライス)の日本のスーパーでの実現を期待しているひとりであります。 
    
【ランキング】
1位-ヤフーとイーベイの提携(07.12.04)

2位-デザイン模倣問題にどう向きあうか(07.12.06)

3位-セシルマクビー、次の手も順調な滑り出し(07.12.02)

4位-ABCマートの店長交換研修(07.12.07)

5位-アパレル流通における「逆三角形の積み木」崩し(07.11.21)

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December 09, 2007

新世代の経営者の発想

 先日、ある知人のご紹介で、現在、近畿圏に6店舗のファッション専門店を経営する20代の社長さんとお話をする機会がありました。

 話の中で、将来のビジネス拡大ビジョンを熱く語っていただいたのですが、とても感心したのは、現在、出店している地域でしっかりビジネスの足固めをしてから、満を持して東京に出ていきたいと言われたこと、そして、近畿圏、東京首都圏など売れる地域に集中して出店し、そこでやりつくしたい、話があるからと言ってあっちこっち地方に出るより、その方が効率がいいでしょう、というお話でした。

 ファッションストアを多店舗化する際に、政令指定都市を中心に日本全国に出店、という展望を考える企業が今でも多いのが現状です。

 しかしながら東京首都圏を中心に、近畿圏、名古屋圏の3つの商圏に日本の人口の半分以上が集中するのが現実。そういったビジネスチャンスが最も大きい地域に徹底的に集中出店するというポリシーを掲げている企業が意外と少ないのにいつも疑問を感じていましたので、とても共感しながら話を聞いていた次第です。
 
 また、その後の展開の中で同氏は、やはり日本全国へ拡大というより、アジアを中心に外国の都市をいくつか挙げました。

 「だって僕らがそのくらいになるころには日本にはそんなに売れるとこ、なくなるんちゃいますか?」

 世界で二番目に大きいマーケット日本のファッション業界に長年いると、まずはいかに日本で拡大するかを考えるものです。

 最近でこそ中国への出店、ビジネス拡大の機会をうかがう大手企業もありますが、それは日本での飽和感を実感した結果であって、立ち上げ、拡大途上のうちは考えもしなかったかもしれません。

 日本の人口が減って行き、マーケットの成熟がハッキリしている今、ヨーロッパの企業がそうであったように、これからの新世代の経営者たちには、ビジネス立ち上げ時から「国境」の発想はないのではないか?これからはそんな固定概念のないボーダレスで自由な発想をし、それでいて現実的で浮わついていない経営者が次々に現れてくるのが楽しみだなぁ、と久々に清々しい気持ちになり帰路についたものでした。

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December 08, 2007

12.7 大阪セミナーへのご来場ありがとうございました。

 昨日、12月7日大阪で開催された富士通ビジネスシステムさん主催のファッションビジネスセミナー「SPA時代のファッションリテーラーの在庫コントロール」ご来場の皆様、ご協力をいただきました富士通ビジネスシステムの方々には、感謝を申し上げます。ありがとうございました!

 日ごろブログをご覧になってご来場頂き、名刺交換させていただいた方々、アンケートにコメントいただいた方々、今後の励みになり、とてもうれしかったです。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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December 07, 2007

ABCマートの店長交換研修

 12月7日の日経MJに、ABCマートの店長交換研修の記事が掲載されていました。

 この研修は、地方小規模店の店長クラスと都心大型店舗の副店長クラスを2週間交換し、それぞれ相手の立場で仕事をさせることによって、相手の店舗の良いところを自店に持ち帰らせようという狙いです。

 毎年60-70店舗の大量出店をしている同社が現場の実践に基づく人財のスピード育成をするための一貫とのことです。

 多店化をはかるファッションストアにとって、会社の意思に基づき、同じ方向を向いて店舗運営ができる人財を
育成するのは、最大の課題のひとつであることは言うまでもありません。

 昔であれば、売る店長、デキる店長は中途で採用し、出店に対応するという発想もあったかもしれませんが、
人材採用難の昨今、ようやく、自社育成に対する機運が高まってきたと思います。

 店長育成に対して、プロ講師による集合研修やトレーナー制度は以前から一般的でありますが、私がよくブログで取り上げるように、社内人財育成への第一歩は「ベンチマーキング」にあると思います。

 このABCマートの店長交換研修もその主旨とまったく同じです。

 私のまわりでも、店長が自店の課題解決のために任意に研修を設定し、他店に研修に入る制度を奨励している企業が一定の成果を上げています。

○社内の成功事例が学べる
○ある意味個人に帰属しているノウハウが社内のナレッジになる
○研修を受けた店舗のスタッフと情報交換、助け合いがしやすくなる

といった効果があります。

 同社では、地方店の店長候補を都心大型店で数ヶ月間研修される「パワーアップ研修」もあるとの
こと。

 皆さんの会社でも、是非、スタッフの方々が、全社に視野を広げて、社内のベンチマークができるように明日の会社を支えるスタッフの方々の「学び上手」のモチベーションに火をつけてあげてみてください。

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関連エントリー-ルミネのショップマスター研修
関連エントリー-店長会議のあるべき姿とは

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December 06, 2007

デザイン模倣問題にどう向きあうか

 12月4日の繊研新聞に、欧米で規制強化の動きが高まる高級ブランドや人気ブランドの「コピー商品」に関する特集が組まれていました。

 ここで言う「コピー商品」とはブランド品の偽物に関する話ではなく、デザイン模倣品の話です。

 極めて酷似したデザイン、柄の商品を作るなどした「悪質なもの」に対して、アメリカ、フランスなどでは、デザインの公表後、画像などを登録すれば、比較的簡単に3-5年権利が守られる制度があるようで、また、ここのところ、ブランド側が量販系のリテイラーを提訴する事例が出てきています。多くのラグジュアリーブランドが権利対策の専門スタッフを置いているのはよく知られているところです。

 私も以前海外ニュースでその関連記事を読みましたが、アナスイなど複数のブランドのプリント柄を模倣したとされる米フォーエバー21(かつて三愛と提携し、日本進出もまもなく撤退)、クロエのある特定商品のデザインを模倣したとされる英トップショップなどの事例が掲載されています。両社ともに模倣は認めていませんが、販売中止、回収、罰金の処分の判決を受けているようです。

 記事によると、最近では一般生活者が、これパクリじゃないの?という投稿を満載したサイトが高級ブランド側を手助けしている状況もあるとのこと。
 
 業界の事情を言うと、よっぽど創造的なコレクションデザイナーなど以外は、多くの企画担当者、デザイナー、バイヤーの多くが、シーズン前に翌シーズンの商品企画のインスピレーションを得るために欧州のコレクション、国内外の展示会を視察してみたもの、実際、買い付けしたもの、「参考サンプル」と称してマーケットリサーチ時に大量に店頭で購入した商品などを、自社の商品開発の「ヒント」に活用する行為は日常茶飯事になっていると思います。

 また、いまや欧米コレクションで発表された商品は、数日後にはインターネット上で画像を見ることができ、デザイン、素材感も含めて即刻、産地に走る企業も少なくないのが現状だと思います。

 こんな実情のなかで、全く同じものを会社ぐるみで作る行為は論外ですが、(いやぁ~実は、それで成長した会社も少なくないんですけどね(涙))

・いちデザイナー、担当者が苦し紛れに行ったコピー行為をどこまで会社がチェックできるのか? 

・「コピー」と「参考」の線引きをどこで行うのか?(←「参考」行為を禁止することは現実的ではありません)

訴えられたら打撃を受ける大手企業にとっては、難しいところですね。

 記事では、知的財産保護の観点から、こういった規制強化の波がいずれ日本へ来るのも時間の問題、と指摘しています。
 
 正直、訴えられなければOKといった風潮もある業界の中で、「ズバリはダメよ」、的な日ごろのモラル教育はできないことはないでしょうが、線引き判断の難しい、業界が抱える永遠の問題のひとつであるようです。

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December 04, 2007

ヤフーとイーベイの提携

 12月4日の日経新聞の1面トップ記事、ネットオークション世界最大手の米イーベイと日本最大手のヤフーの提携は楽しみですね。

 イーベイ会員・・・世界8300万人(約半数が北米?)
 ヤフー出品可能会員・・・660万人  

 双方の会員が相手国で出展された品目に通訳機能を通じて簡単に応札、代行会社が決済、通関、配送などを代行。

 両社の年間落札額は合計4兆円規模ですか。

 記事でも触れているように、これにより、ブランド品の内外価格差縮小促進に期待。

 一方、商標権侵害商品には気をつけたいところですね。

 古いエントリーですが、以下に最近あまり話題にならなくなった内外価格差に関する関連エントリーがあります。よろしかったらお読みください。

【お知らせ】12月7日(金)大阪、当ブログ執筆者taka saitoが講師を務めるファッションビジネスセミナーのご案内はこちら

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関連エントリー-ファッション商品の内外価格差、1.4倍は妥当?

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December 03, 2007

先週の記事別アクセスランキング

 先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

 12月に入り、話題はクリスマス装飾、クリスマスプレゼントへ。イルミネーションイベントも年々多くなっていますね。

 アメリカでは11月のサンクスギビングから年間の売上高の1/4を売り上げるという時期に入りましたが、過激な値下セールで前年を上回る立ち上がりとのこと。

 さて、日本のファッションマーケットのクリスマス商戦は、どうなるでしょうか。 
    
【ランキング】
1位-アパレル流通における「逆三角形の積み木」崩し(07.11.21)

2位-明日の業態開発と店舗内装(07.11.27)

3位-MUJI(無印良品)のアメリカでの第一歩は?(07.11.18)

4位-国際的に通用しそうな小売(07.11.22)

5位-中古ファッションマーケットの潜在性(07.11.29)

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December 02, 2007

セシルマクビー、次の手も順調な滑り出し

 12月1日の繊研新聞の1面、販売前線にマルキュー系ブランドの横綱、ジャパンイマジネーションのセシルマクビーの特集記事がありました。

 90年のスタート、96年の渋谷マルキューでのブレイク以来、急な多店舗化をはからず、着実に既存店の効率を高めながら43店舗、200億円規模となったセシルマクビーが、今秋に入って行った2つのチャレンジに関して、同社幹部のインタビューをまじえながらまとめてあります。

 ひとつは、銀座プランタンに出店した「セシルマクビーギンザ」、もうひとつは伊勢丹新宿とウエッブに限定した「セシルリンク」です。

 もともとマルキューに象徴されるようにヤングブランドとして知名度を上げたセシルですが、市場飽和点に迫り、「入門ブランド」としてマス化の域に達しつつある同社が、危機感を感じて打った手が

 OL向けの前者と、女子大生向けの後者なわけです。

 OL向けの「セシルマクビーギンザ」は同じ品揃えで客単価が既存セシルの10,000円が13,000円となり、百貨店女子大生向けの「セシルリンク」の方は、一品単価を1.3-1.5倍とした特別企画商品でのチャレンジを行い、前者は、プランタンで、9月14日のオープン以来フロア1の売り上げをキープ、後者は、12日間で2050万円という順調な滑り出しの模様です。

 ヤングブランドとは言え、さすが、知名度抜群の同ブランドは「セシルにも自分が着られるものがある」という新規顧客の評価を受けた、と手ごたえを感じているとのこと。

 この、同じ品揃えで1.3倍の客単価、1.3倍の一品単価企画の狙いはさすがだな、と思いましたね。

 今後は、ヤング向けを核に、OL向け、百貨店向けの3つの柱を育成してゆくとのこと。

 これまで通り、ひとつひとつ手ごたえを確かめながら、ブランドを磨き上げてきた同社の今後の展開を楽しみにしています。 

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関連エントリー-「ステイヤング」需要を逃すな
関連エントリー-伊勢丹がセシルマクビー限定コレクションを販売


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