H&Mの強みはモザイクマーチャンダイジング
2回続けてH&Mに関するエントリーで恐縮ですが・・・チェーンストアエイジ2008.1.15号にH&Mの記事が出ていたので拝読しました。
「世界最強のSPA、H&M モザイクマーチャンダイジングのベールを剥ぐ<前編>」というタイトルです。
ファッション業界専門ではない、アメリカチェーンストアー理論の専門家の方が、どんな視点でH&Mをご覧になるのか、興味深く読ませていただきました。
アメリカと中国の店舗を数店づつ視察されて、商品分類などからアプローチされているのは、さすがです。
記事の要旨として、チェーンストア理論の定石である店舗の標準化を真っ向から覆す手法として、タイトルにある「モザイクマーチャンダイジング」を挙げていらっしゃいます。
おそらく次回の後編で、その本質に迫って行くと思われますが、筆者の方が視察したアメリカの4店舗(西海岸とニューヨーク5番街)でH&Mが持つ約20ある商品ラインのうち、全店に共通するのは、たった4ラインしかなく、各店が店舗の形状と客層に合わせた複数ラインミックスを巧妙に行っている結果、2つと同じ店はなく、そこが、世界に地域の客層にあわせて好立地、あらゆる物件に多店舗出店できるゆえんであると指摘されています。
これは、H&M社自身もIR資料などで認めているところでもありますが、レディース、メンズ、ティーンズ、キッズ、コスメといったターゲット別に商品ライン(テイスト)が複数あり、ラインのアイテムの中にも、企画分類(トレンド対応型、ベーシック対応型、先取提案型etc)があるでしょうから、極論組み合わせは無限大に近いということになりますね。
ユニット数= ターゲット x 商品ライン x 企画分類
私は、同社のMDミックスを「アメーバ」というイメージで見ていましたが、そう、「モザイク」という言葉、適切だと思います。
大事なところは、そういった組み合わせ可能な、ユニット(小さい単位)をきっちり「定義」して、それらをカセットのように組み合わせる技術、それを世界1500店舗においてコントロールできる手法が確立されているということですね。これこそ、全世界、全客層対応型というグローバルSPA業態の強みであると思います。
日本でも、比較的大型店を展開されているファッションリテイラーさんもこの手法を実践されているところも、少なくないと思いますが、H&Mの巧妙さは、既存店売上前年対比の継続的な向上に表れていると思います。
H&M恐るべしですね。
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