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February 29, 2008

ファッション販売4月号に「世界アパレル専門店ベスト10」の記事を執筆しました。

 発売中の商業界「ファッション販売」4月号、特集「ファッション業界入門」の中の「世界のアパレル専門店ベスト10」の部分を調査、執筆させて頂きました。

 月刊「ファッション販売」08年4月特大号

 1位のGAP(米)から10位のプライマーク(アイルランド)まで、調査、作表していて、付け加えなければならないこと、気づいたこと、興味深かったこととしては、

○最新決算ベースだとH&M(07.11)がザラのInditexグループ(07.01)よりも売上が大きいですが、同じ月で切ったら、Inditexの方が大きい=GAPに次ぐ世界2位であること。

○非公開のオランダのC&A(推定5位?)と、リズクレイボーンやエスプリのような、卸が50%を越えるSPA系の企業を除くと、6位に日本のユニクロ(ファーストリテイリング)、8位に同しまむらが入ること。

○同様に、今、イギリスで話題沸騰中のプライマークが10位まで入ってきたこと。

でしょうか。

 プライマーク、昨年、ロンドンに大型旗艦店をオープンし、今、イギリスのファッション業界でもっとも注目を浴びているファッションリテイラーのひとつです。低価格のストリートカジュアルを基軸にしたハイストリートファッション(イギリスでのファストファッションの呼び名)。

 同社がアイルランド出身で、イギリスでも郊外で成長したため、私は、お恥ずかしながら、まだ見ていません。

 日本で海外ファッションの買い付け、ネット通販をされている方々が数多くいらっしゃいますが、彼ら彼女らに言わせると、今、熱いのは、日本進出が決まったH&Mよりも、プライマークだそうです。

 これから目が離せないリテイラーのひとつでありましょう。

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February 28, 2008

H&M、CSR(企業の社会的責任)関連ニュース他

 2月25日の繊研新聞に、以前から物議をかもし出している、世界最大のファッションSPA業態、H&M(エッチアンドエム)のパリ、シャンゼリゼ出店に関する記事が掲載されていました。

 記事によると、同社は、2010年に旗艦店出店(3層で計850坪)を予定していますが、一旦、パリ商業施設委員会が出店却下した後、フランス商業施設商業委員会が許可をした、といういきさつ。今度は、パリ市が、同地域がファッションリテイルだらけになって、景観を害することを懸念して、同プランに「待った」をかけ、これに対し、国務院が判断を下すのに、1年かかるとのことです。

 保守的なグループは、ファストファションの雄の襲来に危機感を感じていらっしゃるようですが、H&Mの爆発的な客数動員に期待している地元の声もあるようです。

 いやはや、ここまで来ると、社会問題ですね。

 もうひとつ海外ニュースから、H&Mが動物愛護の視点から、オーストラリアのメリノウールを同社商品に採用しない、と決めたことに関する記事があります。

 REUTER ; H&M stops using some wool on sheep welfare concern

 このmulesing(ミュールシング)という処置は、知らなかったのですが、

 ウィキペディア(Wikipedia):ミュールシング

 に詳細があります。寄生虫繁殖防止のために、オーストラリアで伝統的に行われている羊を傷つける作業のようで、ちょっと、エグイので、詳しくはそちらをお読みください。

 私も服は、天然素材へのこだわりが強い方ですが、考えさせられますね。

 昨年は、日本でも、原料の出所を押さえきれない(ある意味仕入先任せ)ことなどが原因で、カシミヤの混率誤表示が問題になったりしましたが、大手を筆頭に、CSR(企業の社会的責任)の観点から、もっと踏み込んで配慮しなければならないことも多くなりそうだなぁと感じるニュースであります。
  
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February 27, 2008

ZARA(ザラ)が取り組む今後の課題

 海外ニュースをチェックしていて、最近のZARA(ザラ)の動向に関する記事を見つけました。2月19日付けウォールストリートジャーナルです。

 THE WALL STREET JOURNAL:Pace-Setting Zara Seeks More Speed To Fight Its Rising Cheap-Chic Rivals

 毎年売上利益とも二桁増を続ける同社(Inditexグループ)も、1/3の売上を占める本国スペイン国内の経済減速や、持ち前のスピードサプライチェーンも、ライバルSPA企業の同社をベンチマークしたサプライチェーン改革にキャッチアップされつつあり、投資家の同社に対する見方がシビアになってきている模様で、現在、そしてこれから取り組む課題について幹部へのインタビューを中心に記事が構成されています。

 記事にあるように、投資家の懸念の要点をまとめると、

・ZARAの店頭に商品をいかに早く届けるかのオペレーションは、業界において非常に明解な、ベンチマークの対象としやすいケーススタディであり、世界中の多くの学者、企業が研究し尽くし、模倣を始めている。

・そんなライバルが増え、今後、スピードを優先するために、地中海近隣諸国で作る比較的高めのコストを、これまで優位を持っていた世界の店頭の商品回転、値下をしないで売り切る力で吸収しきれるか?

というところでしょうか。

 これに対して記事で取り上げられている同社の取り組み、成果の事例をご紹介しておきましょう。

○これまで、年中、出店月を構わず多店舗出店していたところを、8月など売上の低い月のオープンは避け、初期投資の回収をシビアにした。(ちなみに過去12ヶ月に同社は560店舗!出店しています)

○時間帯別売上分析の精度を高め、人員シフトに反映、人件費を2%削減した。

○商品管理タグ(アラームタグ)の取り付け作業を店舗から工場に変更するなどにより、週2回の新商品投入曜日に、従来より、3時間早く商品を店頭に並べることができるようになった。

○店舗の発注携帯端末による追加発注作業が3時間→1時間以内に削減

その他、航空会社との取り組みによって、ある地域に商品を届けた飛行機を空で戻すのではなく、アジアの原産国を回り原料や半製品を積んでスペインに持ち帰るなんて、グローバルSPAならではの、ダイナミックな物流改革も紹介されていました。

 最後に、これは興味深い、今後、生産、出店ともウエイトが上がるであろうと注目されるアジアへの物流拠点検討については、出店が増えれば検討するが、2013年までは、現状の体制で問題はない、としているようです。

 世界のファッションリテイラーのベストプラクティスと言われる彼らが、将来、アジアに拠点を構えるとしたら、どんな風になるんでしょうね。そんなことを思い巡らしていると、日本企業のアジア戦略のヒントも見えてきそうな気がします。

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February 25, 2008

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリーをご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 先週も、今年の業界のトピックの縮図のように、都心部に向かう客数争奪戦とオーバーストアとなった郊外での勝ち残りに関するエントリーが中心となりました。
 
 ランキングは以下の通りです。
 
【ランキング】

1位-阪急メンズ館に関する記事いろいろ(08.02.06)

2位-グローバルSPA時代のファッションビジネス(08.02.20)

3位-原宿ファッションガイドツアー(08.02.21)

4位-郊外SC出店ラッシュの深刻な問題(08.02.20)

5位-ABCマートが大型店「メガステージ」多店舗化へ(08.02.22)

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February 24, 2008

スマイル0円の価値

 2月22日の日経新聞一面、連載中の「現場初働くニホン、第3部 仕事の値段③」を読んで。

 記事で取り上げている、「感情労働」って言葉、初めて聞きました。

 要は、「自分の気持ちを押し殺し、相手に合わせた言葉や態度で対応する仕事」のことで、米国のある社会学者が、肉体労働、頭脳労働と並ぶ第三の労働形態として提唱しているそうです。

 日本でも3人に1人が多かれ少なかれ、「感情労働」に携わっているだろうという見方があるそうで、ファッション販売もまさに、これに当たるのではないかと思います。

 記事の要点をまとめると・・・

・モノがあふれてサービスが勝負を分けると言われて久しく、各社、顧客の要望に応えようと、「顧客満足(CS)」よろしく、どんな時でも、笑顔で気持のよい接客を心掛けるよう、マニュアルを整備し、教育研修を行うことがあたりまえになった昨今。 

・モラルを逸脱したクレーマー、モンスター・カスタマーもおり、必ずしも働き手の「笑顔」が報いられる保証はない。それゆえ燃え尽きてしまう感情労働者も少なくない。

・「スマイル、ゼロ円」と言われるように、顧客からすると、空気のようにタダと思われる「笑顔」。これに対して、顧客を満足させる笑顔の価値をはじき出し、評価や報酬で報いる試みが感情労働者を「何のための笑顔なのか」という疑問から解き放ち、笑顔がもっと自然になるのでは・・・

 と企業の取り組みとして、ファッションビル、ルミネの接客の上手なテナントの販売スタッフを表彰する「ルミネスト」制度と、かつてクレーム対応が社会問題になった東芝が電話相談窓口の顧客対応の良し悪しを専門家がチェックし、賞与に反映させる仕組みを導入している事例が紹介されていました。

 確かに、接客販売のような、「感情労働」に明確な対価をつけるのは、とても難しいですね。

 ファッションリテイルはじめ、流通業にいると、毎日、いろいろなお客様をお相手にすることになります。それゆえに、「洋服が好き」なだけでは、勤まらないことも圧倒的に多いですよね。
 
 私が、業界のファッション販売に携わる人たちと話をしていて、たまに残念だなと思うことのひとつは、お客様とのうれしかった体験よりも、モラルを逸脱したお客様とのイヤな体験ばかり語り、まるで、お客様の多くが、ネガティブな方のように聞こえる話方をする人に出会った時です。

 実際、どんなに心をこめて接客したつもりでも、売れないことは多いですし、クレーム処理には、驚くほど時間と精神を消耗します(一時期お客様クレーム担当だったころもあるので気持ちはよくわかります)。一方で、降りかかる本部からの売上予算達成、販売ノルマクリアのプレッシャー。

 今回の記事を読んでいて、私たちができることってなんだろう、と考えました。

 販売のおもしろさって、「人は鏡」と言うように、
 ①こちらの誠心誠意の対応に、
 ②勇気づけられたお客様の喜びによって、
 ③自分も元気を頂き、ますます精進する
 という、「積み重ね」、「スパイラル」で成り立っていると思うんですよね。

 それをどれだけ、今、そして、これから夢を持ってファッション販売をされる人に情熱をもって語り継げるか、ということ。

 同時に、それがわかるからこそ、そんな現場の小さな成功体験の積み重ねを促進し、「しっかり見ているよ」、「わかっているよ」というサインを送り続ける本部でなければ、と思います。それがあった上での目に見える評価制度でしょうね。

 お客様から見ればゼロ円かもしれないスマイルが、ファッションビジネス人財の元気と成長につながるように・・・  

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関連エントリー-ユナイテッドアローズのサンキューノート
関連エントリー-ルミネのショップマスター研修 

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February 22, 2008

ABCマートが大型店「メガステージ」多店舗化へ

 2月22日の日経MJに、靴専門店大手のABCマートが、ナイキ、アディダス、プーマといったブランドごとの提案売場を強化した大型店業態「ABCマート メガステージ」を多店舗化することに関する記事が掲載されていました。

 同業態は、170-200坪と、従来のABCマートよりも大型で、実験出店した大阪梅田と吉祥寺のヨドバシカメラ専門店街の店が軌道に乗ったということで、今後、積極的に出店してゆく模様です。

 スポーツシューズ販売中心の靴専門店は、もっぱら、自前で、ブランドごとのくくり、打ち出しをしているものですが、大型店で、メーカーを巻き込んだ同社の取り組みは、ブランド限定商品の優先入荷が実現し、また、メーカーからの店内装飾、広告宣伝への協賛も期待できるでしょう。きっと、在庫リスクに伴う条件なんかも話し合われているのではないでしょうか。

 アメリカあたりのSCに行くと、ブランドのショップインショップの色濃いスポーツシューズの大型店、アスリートフットやフットアクションなどのチェーン店を見かけます。 同社の目指すところは、その日本版なのでしょうかね。

 業界2位のABCマートは、1位のチヨダグループを追いかけ、郊外出店攻勢中。

 都心の「売れる」商圏については、たとえ小型店でも、街の入り口と出口をおさえたり、四隅をおさえるといった駅前ドミナント、面取りの多店舗戦略が上手いという印象でしたが、今後は、メーカーの力も借りて、都心大型店出店、というわけですね。

 客数の更なる都心部集中の情勢の中、ユニクロにしても、ABCマートにしても、都心大型店戦略が取れる企業が、投資が大きくても一定の成果を上げることは想像に難くありません。

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関連エントリー-ABCマートが低価格のNBスニーカー販売

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February 21, 2008

原宿ファッションガイドツアー

 昨年2月の第1回目の企画の時もブログエントリーさせていただきましたが、2月20日の日経MJに、原宿商店会が主催する、ファッションストアを歩いて回りながら、外国人観光客に、原宿のファッション文化を紹介する「原宿ファッションガイドツアー」に関する記事が掲載されていました。
 
 同企画のウェッブサイトはこちら、正式には、「原宿ウォーキングツアー」という名称のようです。

 原宿ウォーキングツアーHP

 今日、ちょうど、原宿駅から、竹下通り経由で表参道の事務所に戻ってくる間に、KDDIデザイニングスタジオで2時から1時間半のかけて周るツアーの出発を待つ観光客の人たちを目撃しました。今日のツアーは、白人、アジア人、さまざま10数人といったところでしょうか。

 記事によると、今回のツアーは、竹下通りのZENMALLから始まって、ANAPの前を通って、ラフォーレ原宿の横から出て表参道を逆に渡って、生活の木、Indian、ANNASUI、KIDDY LANDと周り、また表参道を渡って戻り、裏原宿のX-girl、GRAND GLOBAL、Aeropstale、AnotherEdition,HEAD PORTERで終わるコースの模様です。

 このコースに加え、あとは明治通りとキャットストリートの歩き方を教えてあげれば、だいたい「原宿を見た」ことになるのではないかと思います。

 今回の記事の中で、日本を訪れる外国人観光客の興味深い数字をいくつか拾ってみました。

○中国人が1回の海外旅行で買い物に消費する金額は17万円(調査会社ニールセンカンパニー調べ)
○2007年に来日した推定830万人の外国人の原宿訪問率は9.8%と宿泊に便利な26.7%の新宿には及ばないが、8.6%の秋葉原を上回る。(国際観光振興機構調べ)
○KIDDY LANDの売上高に占める外国人の割合が昨秋、4割を突破した。

 記事で紹介されている原宿のファッションストアは軒並み売上高外国人比率が2-3割とのことです。

 私も、かつては仕事柄、欧米、アジア海外のファッションマーケットを歩いて周ったものですが、原宿ほどエキサイティングなところは他にはないと思います。 

 期間限定で行われている企画で、いまのところ、原宿のビジネス全体にどれだけのインパクトがあるか、わかりませんが、今後も継続して、外国人観光客に少しでも原宿の楽しみ方を広めていただきたいなと思います。
 
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 関連エントリー-原宿ウォーキングツアーオブファッションキャピタル

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February 20, 2008

グローバルSPA時代のファッションビジネス

 事前にお知らせしましたが、2月19日付けの日本繊維新聞さん、ファッションビジネス教室の欄に、私の執筆記事が掲載されましたのであらためてご紹介させていだたきます。

 世界SPAのベーシック(GAP、リミテッド)からトレンド(H&M、ZARA)への世代交代は、何度も述べて来ましたが、今回はもうひとつ、ドメスティック(国内)成長企業からグローバル成長企業への時代に突入したことを中心に記事を書かせていただきました。

 人口800万人のスウェーデンのH&M、IKEAの国外売上比率はともに92%超、ZARAのインディテックスも直近決算発表で62%になったことを発表しています。

 ユニクロの焦燥を見ればわかるように、世界のビジネストレンドは、彼らの後を追うように進んでいるようで、また、最近のユーロ高もEU圏企業のグローバル性、将来性を評価しての結果と思います。

 日本マーケット内においては、いかに「守る」かと同時に、日本企業の海外マーケットへの「攻め」についても考えさせられます。

 記事をPDFでお読みいただけるようにいたしました。

 よろしかったらPDFダウンロードの上、お読みください。

 「日本繊維新聞 グローバルSPA時代のファッションビジネス」をダウンロード 

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郊外SC出店ラッシュの深刻な問題

 2月20日の日経MJ1面は、改正まちづくり三法全面施行後のSC駆け込み出店の問題点に関する特集でした。

 歯抜け状態で発射せざるを得ないSCも少なくなく、オープン後、あまりにもひどい計画未達により、撤退が相次ぎ、30区画あるフロアーに、5区画しか入っていない「お化け屋敷化?」した某船橋のSCの事例も紹介されていました。(←怖ろしい)

 う~ん、これは、オーバーストアもいいところなんでしょうね。

 記事の中に、それを示す数字が掲載されています。

 「SC総面積は02年から06年までの4年間で16%増えたが
 小売業販売額は2%の伸びにとどまった。」

 つまり、単純計算、既存店の売上が、4年間で、平均88%=12%減になってしまうわけです。

 従来なら、新店は、成長エンジンですから、一般的な経営視点でみて、4年間で最低でも110%以上になってもらわないと困ると思いますが、その乖離は22%以上もあるわけですね。

 これでは、ファッションストアがSPA化で、いくら損益分岐点を低く抑えても、分岐割れも時間の問題です。テナント企業も消極的になり、おいしそうな話がババを引かされることにもなりかねません。

 ラッシュで出店したSCの淘汰も早々に始まりそうです。

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February 19, 2008

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリーをご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 客数の維持、回復のためには、店頭価格帯の維持の一方で、クオリティの向上が欠かせないことはわかっていても、最近は、生産原価の上昇は避けられず、各社頭が痛いところです。

 そんな折、新聞紙上では、サプライチェーンをいかに合理化してカバーするかの記事がよく目にするようになりました。

 トヨタ自動車は「乾いたぞうきんを絞る」といいますが、ファッション業界もやみくもではなく、目に見えない無駄をいかに省くかの真剣勝負になりそうです。

 さて、ランキングは以下の通りです。
 
【ランキング】

1位-阪急メンズ館に関する記事いろいろ(08.02.06)

2位-インターネット上のアウトレット販売が拡大中(08.01.30)

3位-ユナイテッドアローズが郊外SC向けの新業態を開発(08.02.01)

4位-アメリカの急成長中子供用古着チェーン(08.02.09)

5位-H&Mはサイズ対応でも日本で革命を起こすだろうか?(08.02.07)

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February 17, 2008

日本繊維新聞2月19日付に「グローバルSPA」に関する寄稿が掲載されます

 来る2月19日(火)、日本繊維新聞(ニッセン)さんのご依頼で執筆したグローバルファッションSPAに関する寄稿記事が同紙に掲載されますので、事前にご案内させていただきます。

 ニッセンさんの「ファッションビジネス教室」という欄に、10月にはH&M、12月にはZARAについてコラムを執筆させていただきましたが、彼ら欧州グローバルファッションSPAの共通点と世界での成功要因をまとめたものです。

 ユーロ圏出身の企業は、米日英企業と違って、自国マーケットが小さいゆえ、ビジネスそのものがもともとグローバルであり、一極マーケットに依存しないそのビジネス哲学は、どこへ行っても、相手に合わせるというグローバルスタンダードの基本中の基本の実践によって成功しているように思います。

 今年は、日本の生活者が、「ファストファッション」との遭遇と同時に相手に合わせる「グローバルファッションSPA」との遭遇の年でもあるのだな、と思いながら原稿を書いていました。

 よろしかったらお読みください。

 日本繊維新聞ホームページ

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February 16, 2008

アバクロのホリスターが早くもUK進出へ

 私がチェックしている海外流通系メディアの一つイギリスのRetail Weekによると、アメリカのアバクロこと、アバクロンビー&フィッチは、姉妹ブランド、ホリスターカンパニーを早くもイギリスに出店するとのことです。

 Retail Week:Hollister to make UK debut at Brent Cross

 2006年にアバクロをロンドンに出店したばかり、アバクロの多店舗化を待たずに、ロンドンの北のSCにホリスターの投入決定のようです。以前は、ホリスターはロンドンのファッションの中心地、コベントガーデンに出店か?という噂もあったんですけどね。

 ホリスターカンパニーは、アバクロが大学生向けの東海岸エスタブリッシュテイストのビンテージカジュアルに対し、高校生向け、西海岸サーフビンテージテイストが売りのアバクロの一格下の業態。 

 アバクロ社においては、全米で飽和(既存店売上前年割れ)気味の「アバクロ」業態に対し、現在の成長エンジンになっている業態で、既に、全米店舗数では、アバクロを超え、近々、会社内の売り上げ構成比がアバクロと逆転する見込みであります。

 Hollister Co.ホームページ

 先日、月刊「ファッション販売」さん向けに調査した世界ファッションリテイル企業ランキングでは、NO1のギャップ社(いまや低価格業態のOLD NAVYが最大業態)にしても、4位のリミテッドブランズにしても、トップ10に入るアバクロ社にしても、アメリカのファッションSPAは、全体の売上を伸ばし続けているわけですが、その間、かつてのトップ業態が自社内で、その後に開発したブランドにとって代わられているケースが少なくないな、と感じたものです。

 それに対して、日本のファッションリテイラーは、今のところ、次世代新業態開発、育成について、アメリカ大手企業ほど器用ではなく、開発途上にあるようです。
 
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February 15, 2008

海外生産物流の合理化でCO2も削減

 2月15日の日経MJに、繊維製品に強い商社、住金物産の中国生産商品の輸入物流の合理化に関する記事が掲載されていました。

 最近は、中国での生産コストアップを受けて、各社物流の合理化で吸収しようとする動きも活発ですが、記事で取り上げられていた同社の良品計画(無印良品)との取り組みは、

1.中国各地で生産された商品を上海にもつ物流拠点に集約
   ↓
2.検品作業
   ↓
3.クライアントの店別に仕分け
   ↓
4.東京、大阪、博多と店舗の近隣の港に分けて船便で出荷
   ↓
5.各港でそれぞれ通関、港から各店に配送
   
という流れになります。

 1~3までの流れは以前からよくある話で、これまでは配送先が日本全国でも、仕向港(ディスティネーション)が横浜や神戸など一ヶ所だったりするのが多かったと思いますが、最近は、同じ商品でも中国側から複数の港に分けて出荷するリテイラーの取り組みが増えてきているのを耳にするようになりました。

 昔、海外生産のために香港に通っていたころは、GAPやエディーバウアーなどアメリカの大手のリテイラーが広いアメリカの国土の東海岸、西海岸それぞれ複数の港に直接出荷している話を聞いて、さすがアメリカはスケールが違うななどと思っていたものですが、最近は、日本のリテイラーも

 ○何百店舗も展開するところが増えてきたこと
 ○国内トラック運賃の削減が課題である
 とともに
 ○CO2(二酸化炭素)排出の削減が企業に課せられている

 こともその要因にあるようで、住金物産の事例でも、この手法により「排出量が半減した」という実績が紹介されています。

 物流の合理化を考えることは多いですが、同時に環境問題対策にもなるとなれば、もっともっと工夫をして取り組みたいところですね。 
 
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February 14, 2008

これからの首都圏局地戦、地方や郊外で鍛えられた企業の方が強い?

 私の先生にあたるコンサルの方と雑談していて、こんな話になりました。

 首都圏で起業、成長した企業よりも、地方や郊外で成功した企業の方が強い。

 前者は、全国圏に広がっていってもその強みを活かすことができないが、後者の方は、都市部に向かうに従ってパワーアップするという話です。

 その方は、ファッション流通出身ですが、今は、流通全般をご商売の相手とされています。

 流通の勝ち組企業、ユニクロ、しまむら、ポイント、ハニーズ、西松屋、ヤマダ電機、ニトリ・・・みんな地方や郊外出身ですね。

 要は、それほど売れない立地、販売効率が低い立地でも、しっかり儲かる仕組みを作り上げた企業の方がコストコントロールがうまく、客数が多く、黙ってても売れる、資金が回転してゆく立地になれてしまっている企業は、前者よりも甘い部分があるのではないかという論法です。

 ある意味、リテイルビジネスの真理のひとつかもしれません。

 もうひとつ、ファッション感性の高いビジネスから、よりヴォリュームに向けて発信するビジネスは成功するが、その逆は難しい。

 ともに、商品回転(売れているなぁという感覚)と販売管理費(コストコントロールと実際の利益)のバランスにその答えがあるようです。

 さて、多くの地方、郊外の猛者たちが首都圏に攻め入っている昨今、ファッションマーケットも、その「真理」通りになるでしょうか。 

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February 12, 2008

先週の記事別アクセスランキング

先週のブログの中でアクセスが多かったエントリーをご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 先々週にオープンした、阪急メンズ館を各メディアが取り上げ、業界の話題をさらったようです。

 もうひとつ、UAの新業態にしてもそうですし、東証一部上場のファッション企業が、今年のファストファッションブーム対策の動きをしていますが、今後も各社の対応に注目ですね。 

 さて、ランキングは以下の通りです。
 
【ランキング】

1位-インターネット上のアウトレット販売が拡大中(08.01.30)

2位-阪急メンズ館に関する記事いろいろ(08.02.06)

3位-ユナイテッドアローズが郊外SC向けの新業態を開発(08.02.01)

4位-H&Mはサイズ対応でも日本で革命を起こすだろうか?(08.02.07)

5位-2008年、ファッション業界のビジネスマクロトレンドは?(07.12.30)

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February 09, 2008

アメリカの急成長中子供用古着チェーン

 2月8日の日経MJ、「米国小売り見聞」コーナーに、アメリカの子供用古着チェーンで急成長中のチルドレンズオーチャードが紹介されていました。

 Children's Orchard ホームページ

 同チェーンは、着用期間の短い人気ブランドの子供服や玩具、教材など子供用品を一般生活者から買い取り、店頭で販売するリサイクル業態で、フランチャイズ方式で全米に100店舗展開しています。

 実は、このチェーン、私も10年ほど前、アメリカ滞在時、小さな子供も一緒だったもので、住まいの近くのチルドレンズオーチャードお世話になったものでした。

 同チェーンの特徴を記事内容からまとめますと

○対象は乳幼児から8歳児までの衣料品、用品
○ギャップ、ジンボリー、エアロポスタルといった知名度の高いとは言えそほど高くない人気ブランドに比重を置き、
○買い取るのは数回着ただけの新品に近いものに限定
○新品の6-8割引で販売

 フランチャイズ方式ですが、本部側が、

○服を買い取る際に消耗度を調べる特製の照明器具を開発、提供したり
○フランチャイズ同士の商品回転を高めるために、余剰、不足商品の情報を交換できる
 ネットワークを構築

といった工夫もしているようです。

 子供は成長が早く、服もワンシーズンで着れなくなってしまうことが多いので、子育てをしてる方には、身近にこんな買い回りの選択肢があると便利ですね。

 また、人気ブランド中心で、数回しか着用していない「新中古品」が半額以下、という切り口であれば、そんなお店が身近にあって、地域に定着すれば、大人服でも人気がでそうですね。
 
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関連エントリー‐中古ファッションマーケットの潜在性

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February 08, 2008

2月8日@名古屋のセミナーへのご来場、ご協力ありがとうございました。

 2月8日の名古屋で開催された東芝テックさん主催のセミナーにご来場の皆様ありがとうございました。また、いろいろご手配くださり、会場をいっぱいにしていただいた東芝テックの方々、感謝いたします。

 これまで、東京、大阪での活動が中心でありましたが、名古屋で初めてセミナーする機会を頂戴し、北陸から三重まで縦につながる経済圏からのご来場に新たな気づきもございました。

 これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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February 07, 2008

H&Mはサイズ対応でも日本で革命を起こすだろうか?

 業界雑誌、「チェーンストア・エイジ」の2月1日号に以前もブログでご紹介した記事「H&M、モザイクマーチャンダイジングのベールを剥ぐ」の後編が掲載されていましたので拝読いたしました。

 今回の記事の中で、私の琴線に触れたのは、サイズ展開の話です。

 昨年は、業界で進むサイズ対応に関して、ブログでいくつかのエントリーを上げましたが、実際は、まだまだ不十分だと言わざるを得ません。

 H&Mは、婦人服について、同じデザインの商品で、ヨーロッパサイズ32号~46号(日本サイズ7号~21号に相当)の8サイズを展開していて、このうち中国では32号~44号を展開しています。

 記事の筆者の方が言われるように、「着る人を差別しない」ところも、私が常日頃からブログでH&Mが「ファッションの民主化」の旗手であることを申し上げている「ゆえん」のひとつであると思います。

 大きいサイズは、普通のサイズを基準にすると、確かに生産効率が悪かったり、売れ残りロスが目立ちがちですが、大きいサイズの顧客が、他ではなかなか商品が見つからないがゆえ、ストアロイヤリティが高いことも事実です。

 伊勢丹新宿店は東京でメンズのシェアの25%を持っていると言われていますが、その理由のひとつは、伊勢丹ほどサイズ対応を考えている百貨店が他にはないからだと思っています。

 さて、今秋日本進出を果たすH&Mは、日本でMAX何サイズ展開してくるでしょうかね。

 同社は、サイズ構成比はマーケットに応じて変えるが、日本向けの特別サイズは作らないとしています。確かに、袖丈が日本規格よりも長いところは日本人一般に合うかどうかという課題は残りますが、とても興味深いところです。

 そしてそれが日本の業界のいい刺激になれば、と思います。 

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関連エントリー-H&Mの強みはモザイクマーチャンダイジング

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February 06, 2008

阪急メンズ館に関する記事いろいろ

 阪急百貨店が梅田店に隣接する「ヘップ・ナビオ」を改装し、関西圏の方々が待ちわびた「阪急メンズ館」がいよいよ2月1日にオープンし、関連記事が、2月6日の日経MJ、繊研新聞に掲載されていました。

 どんなフロア構成か、見どころは?などにご興味のあるファッション好きの方には、私も毎日チェックさせて頂いている、屈指のファッション系人気ブログElasticさんが初日のレポをブログにアップしているので、こちらをご覧いただくと、とてもわかりやすいですよ。

 Elastic:阪急百貨店メンズ館レポ

 繊研新聞によると、お兄系ショップ「バッファロー・ボブス」がオープン初日20坪で480万円を売上、全館でルイヴィトンに次ぎ2位になったとのこと、すごいですね。

 「バッファロー・ボブス」は、その原宿プロペラ通り店こそが、現在の「お兄系ファッション」ブームの源流と言っても過言ではないと思いますが、さすが本家の貫禄と言ったところでしょうか。

 もともと、この系統のファッションは、関西圏が強いというのも納得がいきます。というか、お兄系もお姉系も大阪や神戸に根強くあったファッションの系統が東京マーケットで爆発し、全国区になったような気がしていますので、ちょっと「逆輸入的」な印象を感じたりもしています。

 メンズ館というと、どうしても伊勢丹メンズ館と比較したくなりますね。先日、阪急は伊勢丹と提携関係を解消しましたが日経MJ記事によると、、

 ○今回のメンズ館構想は、伊勢丹とはもともと関係なかったこと
 ○阪急の方が規模は大きく(16,000㎡:伊勢丹9,900㎡)
 ○伊勢丹が完全にブランドの枠組みを取り去って「ブランドの個性をなくしすぎた」?のに対し、阪急は、ブランドの括りを多く温存している

 とのことです。
 
 さらに、いいことだな、と思ったのは、価格の話です。価格帯は伊勢丹の2-3割安程度とのことですが、

 ○高級品も導入したが、「最多価格帯」は従来の顧客を配慮して、そのままにした

 というところでしょうか。

 業界で、何か新しいことをしようとする時、「差別化」をしようとする時、どうしてもバイヤーさんたちは「いいもの」や「高いもの」を売ろうとして、そっちの方ばかりに力を入れ、結果、従来の顧客から見ると以前より「高いお店」を作ってしまいがちです。

 業界の方に釈迦に説法ではありますが、同一アイテムの一点単価と客数は反比例することは、小売ビジネス、購買心理上の常識で、初年度は、単価アップで客数減をカバーするかもしれませんが、2年目以降客数離れが進み、苦戦する事例を世の中でたくさん見てきました。

 てなわけで、プラスアルファーで「いいもの」を提案することはいいことだと思いますが、阪急メンズ館のように、最多価格帯(プライスポイント)は温存、で正解だと思います。

 近々大阪出張の時、覗きに行ってこようと思います。
 
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February 04, 2008

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリーをご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 東京メトロが、ようやく、地下鉄「副都心線」(渋谷-池袋間)の開業日が6月14日になる見通し、と発表しましたね。

 これによって、渋谷、原宿、新宿三丁目、池袋の人の流れをがどう変わるかが、もっか業界でも関心事となっております。

 いつも目障りな表参道X明治通りの交差点あたりの工事がようやくすっきりするのも待ち遠しいです。
 
【ランキング】

1位-インターネット上のアウトレット販売が拡大中(08.01.30)

2位-2008年、ファッション業界のビジネスマクロトレンドは?(07.12.30)

3位-H&Mの強みはモザイクマーチャンダイジング(08.1.18)

4位-ユナイテッドアローズが郊外SC向けの新業態を開発(08.02.01)

5位-「ランウェイ・ビート」を読んで(08.1.24)

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February 03, 2008

ファッション企業がロシアに注目

 2月2日の繊研新聞に、アメリカの手の届くラグジュアリーバッグブランド「コーチ」が、今年ロシアに進出し、5年間でモスクワとサンクトベテルブルクを中心に15店舗を出店することに関する記事が掲載されていました。

 また、ちょうど先ごろ発表されたH&Mの07年11月期決算発表の中にも同社が2009年にロシア、モスクワに1号店を出店し、その後、その周辺で店舗を拡大することを発表しています。

 以前ブログに取り上げたユニクロのモスクワ進出は、柳井会長の「早めに出たい」、という発言を日経記者が早合点して具体的な計画のように報道してしまったことがその後明らかになりましたが、いずれにしても、世界のファッション企業は、BRIC’Sの一角であるロシア市場に熱い視線を向けているようです。

 ロシアには、天然ガスを中心とする豊富な資源で潤った富裕層が着実に台頭してきているようで(この点は、中東と同じで、経済バブルとは違い、底堅いのではと思われます)、国内供給が追い付いていない、わざわざ海外のラグジュアリーマーケットで買いまわっている層が目立ってきていることを各社が察知しての動きのようです。

 今、海外観光旅行者需要が高まる日本のファッションマーケットですが、世界のビジネス拡大、同期化のスピードが年々高まっている昨今、企業は潜在マーケットを察知すれば、旅行者の現地への出店も加速させることでしょう。そうすると、日本も今の海外観光客景気に、ずっと浮ついているわけにもいきませんね。

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関連エントリー-ブランドビジネスの常識を覆す、コーチ
関連エントリー-ユニクロがモスクワ進出!?

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February 01, 2008

ユナイテッドアローズが郊外SC向けの新業態を開発

 2月1日の日経新聞、繊研新聞に、セレクトショップ最大手のユナイテッドアローズ(UA)が、準郊外、郊外大型SC向けに、現在、同社が取り扱う商品の裾値より2割低価格の新業態「COEN(コーエン)」を立ち上げるとの記事が掲載されています。

 UAニュースリリースはこちら
 新たな事業の開始に関するお知らせ

 これらの記事によると、同社は、従来ハイエンドマーケット(クロームハーツ)、トレンドマーケット(UAなど)、ミッドトレンドマーケット(グリーンレーベルリラクシング)の広義のトレンドマーケットのみを対象としてきましたが、ファッションマーケットの成熟とともに、これらトレンドマーケットとヴォリュームマーケットの間に、感性の高い低価格マーケット、「ニュートレンドマーケット」が顕在化するとして、そこを狙う業態をオリジナルブランドで開発し、攻略しようというものです。このあたり、ニュースリリースの図表を見るとわかりやすいですよ。

 この4月に運営子会社を設立し、1号店は今秋になる見込みとのことです。

 これは、まさしく今秋日本進出を果たすH&Mや、拡大中のZARAが狙っているマーケットに他なりませんね。

 このマーケットは、感性が高めの中間価格帯マーケットとして、既にローリーズファーム、グローバルワークを展開するポイントやアースミュージックアンドエコロジーのクロスカンパニーなどが開拓し、メンズでも、青山商事あたりが新業態で狙っているマーケットだと思います。

 立地の客層にあった価格帯の実現とあわせて、感性勝負だと思いますので、ファッションマーケットの感性軸でいうところの「上から降りてくる」UAに勝ち目があるのは想像に難くありません。あとは、同社のビジネスベースに乗る坪効率がたたける立地にどれだけ出店できるかが勝負と見ました。

 SC側もまちづくり三法改正後、準郊外の比較的いい立地のSCについては、今後どれだけ集客力があり、坪効率の高いテナントに入れ替えられるかが焦点になると思いますので、出店機会にはさほど困らないのではないかと思われます。

 今後のファストファッションブームにあたって、日本のファッション企業がどうすべきかを業界内で議論することがありますが、少なくとも、私は2つあると思っています。

○相手の土俵に乗らず、自ら得意な土俵をつくり、その上で相撲を取る
○ファストファッションに刺激を受け、ファッションに目覚める生活者がその次に考えるニーズ、ウォンツに先回りした商品サービスを開拓する。

 UAのチャレンジはそのあたりにも沿っているのではないかと思います。

 どんな世界観、商品感性、クオリティを実現してくれるか楽しみですね。 

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