ZARA(ザラ)が取り組む今後の課題
海外ニュースをチェックしていて、最近のZARA(ザラ)の動向に関する記事を見つけました。2月19日付けウォールストリートジャーナルです。
THE WALL STREET JOURNAL:Pace-Setting Zara Seeks More Speed To Fight Its Rising Cheap-Chic Rivals
毎年売上利益とも二桁増を続ける同社(Inditexグループ)も、1/3の売上を占める本国スペイン国内の経済減速や、持ち前のスピードサプライチェーンも、ライバルSPA企業の同社をベンチマークしたサプライチェーン改革にキャッチアップされつつあり、投資家の同社に対する見方がシビアになってきている模様で、現在、そしてこれから取り組む課題について幹部へのインタビューを中心に記事が構成されています。
記事にあるように、投資家の懸念の要点をまとめると、
・ZARAの店頭に商品をいかに早く届けるかのオペレーションは、業界において非常に明解な、ベンチマークの対象としやすいケーススタディであり、世界中の多くの学者、企業が研究し尽くし、模倣を始めている。
・そんなライバルが増え、今後、スピードを優先するために、地中海近隣諸国で作る比較的高めのコストを、これまで優位を持っていた世界の店頭の商品回転、値下をしないで売り切る力で吸収しきれるか?
というところでしょうか。
これに対して記事で取り上げられている同社の取り組み、成果の事例をご紹介しておきましょう。
○これまで、年中、出店月を構わず多店舗出店していたところを、8月など売上の低い月のオープンは避け、初期投資の回収をシビアにした。(ちなみに過去12ヶ月に同社は560店舗!出店しています)
○時間帯別売上分析の精度を高め、人員シフトに反映、人件費を2%削減した。
○商品管理タグ(アラームタグ)の取り付け作業を店舗から工場に変更するなどにより、週2回の新商品投入曜日に、従来より、3時間早く商品を店頭に並べることができるようになった。
○店舗の発注携帯端末による追加発注作業が3時間→1時間以内に削減
その他、航空会社との取り組みによって、ある地域に商品を届けた飛行機を空で戻すのではなく、アジアの原産国を回り原料や半製品を積んでスペインに持ち帰るなんて、グローバルSPAならではの、ダイナミックな物流改革も紹介されていました。
最後に、これは興味深い、今後、生産、出店ともウエイトが上がるであろうと注目されるアジアへの物流拠点検討については、出店が増えれば検討するが、2013年までは、現状の体制で問題はない、としているようです。
世界のファッションリテイラーのベストプラクティスと言われる彼らが、将来、アジアに拠点を構えるとしたら、どんな風になるんでしょうね。そんなことを思い巡らしていると、日本企業のアジア戦略のヒントも見えてきそうな気がします。
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