ファッションストアの標準化と差別化に関する一考察
先日、アメリカから来日中の業界の同世代の起業家である知人と話をしていて、日本のファッションチェーンストアは日本全国どこの店にいっても同じ顔をしていてつまらない、とこぼされ、多店舗化するにしても、もう少し、店舗によって、違った顔、生活者にとって新鮮な出会いを演出できないものだろうか、との議論になりました。
アメリカのチェーンストア理論をベースとした日本のチェーンストアは、多店化するにあたり、どこにいっても同じ店構え、商品、サービスを提供するいわゆる「標準化」による効率経営をモットーとします。
上記の議論は、チェーンストア経営からすると、一店舗一店舗違う店づくりという、非効率経営?セオリーから相反する話になりますが、オーバーストア時代に、生活者の目線で見れば、どうしたらそれがそれに近いことが実現できるのかを考える必要のある時期なのかもしれないと思うことがあります。
ところで、アメリカは、現在エコ、ナチュラルブーム真っただ中、直近の米最大級のファッション展示会、MAGIC、プールショー、プロジェクトなどもそれらのテーマでもちきりだったそうです。
そんなグリーン、エコ、ナチュラルライフスタイルテイストの個性の強い絶好調店舗の一つにアーバンアウトフィッターズグループのアンソロポロジーがあります。
私も、マーケットリサーチにアメリカに通い詰めていたころは、アンソロポロジーは、定点観測場所のひとつだったもので、大好きな業態のひとつであります。
既出の彼は、要は、アンソロポロジーや同社の基幹業態のアーバンアウトフィッターズしかり、アメリカの成長中の株式公開企業であっても、店舗によって見た目の違う世界観を楽しめるチェーンオペレーションを行っているわけで、今後は、日本のファッションリテイラーもその手法をベンチマークすべきではないかということを言わんとしていたわけです。
話の中で、アンソロポロジーが、独特の店舗の世界観を表現するために陳列しているキーアイテムであるアンティーク家具や観葉植物にプライスタグを付け、実際に販売もしているという話におよびました。
なるほど、話していて思いついたのは、
店舗内装の一部であるアンティーク家具を販売するということは
○初期投資としての内装費を商品在庫として考えられる・・・
○売れて新しいものと入れ替える頻度が高まれば自然と内装の鮮度も保つことができる・・・
○同様に店舗世界観の一部である家具を店間移動するだけでも頻繁に改装をするのと同じ効果があるのだろうか・・・
販売する服の商品回転を高め、店頭の鮮度で勝負を競うアパレルファッション業界ですが、もし、固定設備、償却対象とされてきた内装である家具、什器も回転していったらどんなことが起こるのだろうか・・・
洋服屋さんと家具屋さんの二つの発想が合体した時、業界にまた新しい発想が生まれるのではないか、と思いを巡らせたものです。
そういえば、最近、家具会社を傘下に収めたセレクトショップがありましたっけ。
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