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April 22, 2008

リヴァンプ再生案件のトークツをABCマートが支援検討

 4月19日の日経、繊研新聞、21日の日経MJに、元ユニクロ幹部が共同で立ち上げた企業再生会社、リヴァンプ傘下で再建中の靴卸大手トークツグループが、民事再生法適用を申請し(年商157億円、負債総額約90億円)、靴専門店業界2位のABCマートが支援をすることになったことに関する記事が掲載されています。

 06年にリヴァンプがゴールドマンサックスと、当時、ナイキジャパン、アディダスジャパンに次ぐ国内靴卸業界3位だったトークツの支援に入った際に、靴卸業界再編の興味深いニュースとして、ブログエントリーさせていただき、その後、気にかけておりました。

 リヴァンプが会長、社長、経営陣を送り込んだ上での再生の経過は詳しくは知りませんが、トークツの05年の年商は339億円、再建に入った06年は220億円、08年現在は157億円と減少、日経MJは「リヴァンプによる再生案件で初めての失敗事例」としています。

 企業再建はそう容易いものではないと思っていますので、今回のニュースでは、リヴァンプによる経営がどうだったうんぬんよりも、靴業界としては、スポンサーシップによって、役員を送り込むABCマートが手にするメリット、手腕に注目しているのではないかと思います。

 実際には、トークツの資産査定が確定してからになりますが、今回の支援によりABCマートのメリットとして考えられることを、日経MJの記事も参考にあげてみると、 
 
○ベターゾーンの婦人靴の企画ノウハウの取得

○今でも一部を除き大方老舗靴卸会社の縄張りとなっている百貨店婦人靴売場平場への参入

○トークツが持つ革靴の輸入関税割当枠(TQ)の取得

 特に、ABCマートがこれから伸ばすべき分野は婦人靴でしょうし、TQの保有量が靴業界でのビジネスの成功を左右するといわれるほど重要なファクターであることは間違いありません。今後も革靴の輸入規制が続くとなれば、老舗のトークツが持つであろう大口のTQ枠は魅力的です。

 いずれも急伸中の業界2位ABCマートが、首位チヨダに追いつかんとする上で必要なノウハウ、資産ではないかと思われますので、今後の動向に注目したいところです。 

追記1:その後、民事再生手続きの前日、ゴールドマンサックスはトークツの全株をリヴァンプに売り渡し、撤退していたことが明らかになりました。

追記2:5月10日の日経新聞によると、トークツの取引先である百貨店などがABCマートによる事業継承に難色を示したため、ABCマートは採算が取れないと判断して支援を断念、トークツは破産手続きに入る模様です。

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関連エントリー-靴業界にも大きな再編の波が

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Comments

どうも今晩は!!
興味深くブログチェックさしていただきました、今朝はバタバタしてまして繊研チェックできませんでした、帰ってチェックしてみます、私事ですが今日自分の働いているブランドのオーストラリアのお偉いさんが来まして、接客の研修があったので参加してきました、同時通訳をいれて説明をしていく感じでした、初めての体験だったのでドキドキでした。明日、明後日と本社に缶詰めです、がんばって勉強してきます。


Posted by: ユウキ | April 22, 2008 10:27 PM

ユウキさん

こんにちは

オーストラリア流接客研修ですか、どんな感じなんでしょうかね、興味深いですね。

いろいろ吸収して日本の個々のお客さんに合わせて応用されるユウキさんの活躍を楽しみにしています。

ではまたお願いします。

Posted by: taka | April 24, 2008 04:32 PM

ε-( ̄ヘ ̄)┌ ダミダコリャ…またまたリヴァンプの失敗!
経営支援より破産請負業に名称変更が必要では。
大手服飾雑貨卸のアルプスカワムラへ役員他を送り込み、支援を行なっていたが株主選択に大きな間違いを起こした事が起因して、資金繰りに支障をきたしアルプスカワムラ単体では黒字でありながら自己破産。支援企業としての責任も果たさず、会長の澤田氏は直前逃亡!
完全に評判を落としてしまった。自己破産と同日には管財人が発表され社員への解雇通知と段取りの良さは、計画倒産の声が内外から多くささやかれてる有様。
労働債権も直前の在庫と売掛金の譲渡で確保の見通し薄いなど、経営再建業どころか倒産処理請負業の方が当てはまってる。
変にMBAなどを持った人間を寄せ集めてファンドを利用して、銀行までうまく操るかの経営マジックがごとくは・・・次の犠牲になる企業はいつどこ?

Posted by: 銀次郎 | January 12, 2009 01:49 AM

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