ライフスタイルストアの域に迫るハンジロー(HANJIRO)
春夏シーズン一番の販売ピークとなるゴールデンウイークを前に、首都圏、関西圏ファッションマーケットを歩いて回りました。
今回、とても感心したファッションストアのひとつが、WEGO、スピンズとともに、ユーズドミックス業態御三家の一角であるHANJIRO(ハンジロー)です。
ハンジローについては、原宿に初出店された10年ほど前から、ヤングファッションの新しい買い回り先として、定点観測のひとつに位置づけ、このブログでも何回かご紹介してきました。
記述のユーズドミックス業態も、「ユーズド=古着」と言えども古着屋さん特有の個性、生活者からの期待を残しつつ、今や古着と新品の構成比が逆転し、売上ベースでは、7割以上が非古着、オリジナル新品商品と言われています。
それゆえ、各社古着屋さんというカテゴリーよりも、新しいファッションストア業態と位置づけた方が適切かと思います。
ハンジローの魅力のひとつは、出店場所と立地条件にあわせた店舗の世界観でしょう。
小売業は、都心部の路面であれば1階、ビルインであれば、同じ客層のフロアに同居することによって、集客を望むのが一般的です。
しかしながら、同社の出店場所は、私が知りうる限り、路面であれば1階にはなく、ビルインであれば不利と言われる高層階に単独出店と業界の常識の逆を行くケースばかりです。
それゆえにか、あるいは、それを狙ってか、特に路面店では、エントランス(入口)から売り場に行きつくまでのスペースを十分に取っています(これも常識の逆)。その間で、「よくぞ、わざわざこんな不便なところまでいらっしゃいました」と言わんばかりのおもてなしの心、エンターテインメント性充ち溢れた工夫がされており、「おっと、ここまでやるか、これは恐れ入った」とびっくりすることが多いですね。
全店内装は違いますが、白壁をベースとしたカントリー調の階段、金魚やベタなどの観賞魚がお出迎えしてくれたり、天井から流星のごとく降って来そうな照明群、無数の鏡などがあるところを通過した後に天井高のある大きな売場に行きつくという演出は共通しているようです。(個人的にBGMにビョークがよくかかっているのもいいですね。)
一店舗づつ全く違う、感性溢れる内装ながら、一方で、意外と什器や商品陳列がとても規格化、カセット化されて一定の法則、リズムをもって構成されていることにも気がつきます。
マネキンによるコーディネート提案もファッションストアの中では群を抜いて多いのも特徴です。
これらは、お客さんの見やすさ、わかりやすさ、ここちよさ、一方で、商品管理のしやすさ、感性とビジネスのバランスを感じる点で感心しますね。
同社は都心部に特化して大型店を出店し、店舗数より一店舗当たりの売上高を求めるとともに、人の成長に合わせて、急速には多店舗化をしないという展開をしているように見受けられます。
ハンジローにご興味を持たれた方は、原宿明治通り沿いのYMビルのお店もよいですが、京都河原町(是非向いのWEGOとともにご覧ください、WEGOもエネルギッシュでヤングのパワーを感じるユーズドミックスのいいお店です)と吉祥寺(丸井の裏のタワレコ跡地バナリパの上)のお店をお勧めします。
日本で、数少ない、欧米で新しいファッション業態に出会った時のような感覚が味わえるファッションストアではないかなと思います。
ファッション業界は、構造的不況とか言われていますが、きっと何か感じるものがあるはずです。
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Comments
「店舗の世界観」!
大切ですよね~
商品を見て買うんじゃなくって、お店の雰囲気を感じて買うんですもんね
Posted by: カートビュービュー | April 27, 2008 07:07 PM
カートビュービューさん
コメントありがとうございました。
モノのあふれたマーケットになるとおっしゃる通りだと
思います。
またよろしくお願いします。
Posted by: taka | April 28, 2008 12:19 PM
初めまして。
「上海 古着ショップ」の検索でこちらに訪問しました。
洋服に対する思いというか、見識というか、感心させられました。
またちょくちょく拝見させていただきます^^
Posted by: ごろ太郎 | May 07, 2008 05:56 PM
ごろ太郎さん
いらっしゃいませ。
コメントありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | May 08, 2008 08:22 PM