成長アパレル買収と近代的組織の確立
4月3日の繊研新聞、連載記事「シリーズ再編、変わるM&A -3-」に、成長中マルキュー系ブランド企業2社を買収した投資ファンドが取り組む課題について、新経営者のインタビューコメントを交えて綴られた記事が掲載されており、興味深く読ませていただきました。
以下、記事の一文を引用します。
「ファッションは、『大きな資本もいらず、才能だけ』で起業でき、特にマルキュー系は『企業というより同好会』のノリで成長してきた。一方、計画性は希薄で『ブランドポートフォリオの考えはなく、売上が山を越えると新しいブランドを作る』という手法さえ見られる。また、オーナー型経営は職務権限が不明確な『属人中心型の組織』になりやすい。売上が大きくなれば『未知の世界』で、企業運営に矛盾も生まれる。そこに高い金額で事業(企業)を買収提案するファンドが現れ、オーナーから事業を承継する新しい仕組みが生まれた」
引用文中の『 』内の言葉は、「リップサービス」や「Ji-maxx」を展開するクレッジ(旧ジョー・インターナショナル)と、「マウジー」や「スライ」を展開するバロックジャパンリミテッド(旧フェイクデリック)のそれぞれの新トップのコメントを借用したもののようで、まあ、冷静に見て、的を得ていると思います。
投資ファンドの目的は、当然、買収先の企業価値を高めて株式上場や事業売却をすることですから、記事にもあるように、まずは、外部からアカデミックな経営トップを招聘、組織整備、管理体制の強化といった「近代的組織の確立」に取り組むわけですね。
これらの案件は、業界の中でも、「近代的組織経営」と「業界特有の現場のモチベーション維持」の両立のテストケースとして、とても注目しています。
○サプライチェーンのスピードを落とさず、柔軟なフットワークを維持できる縦割り組織
○現場の感性が脅かされず、思い切り仕事ができ、窮屈に感じさせない予算コントロール
ファストファッションのグローバルSPA企業、ZARAやH&Mの組織にも見られるそのあたりがキーになるのではないかと思うのですが・・・
硬直的、セクト主義的にならない近代的組織づくり、期待しています。
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