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May 31, 2008

原宿~渋谷ストリート・トレンドリサーチ

 いつもチェックしているファッション系ブログ Elasticさんのエントリー

 原宿で最もはかれているスニーカーブランドは?

 を読んでいて、昔、私がカジュアル専門店でシューズのバイヤーだったころのことを思い出しました。

 当時、ちょうど裏原Chapterチャプターが火をつけたナイキ海外モデルを中心としたスニーカーブームのころで、勤務先のシューズの品揃えの半分以上は、スニーカーだったものです。

 これから、どんな品揃えをするか、買い付けるか、いつも仕入にあてにしていた情報は、原宿~渋谷のストリートウォッチでした。

 月に最低1回、UAの原宿本店あたりから明治通りに入りBEAMSの前を通って、ずうっと、表参道を超えて、宮下公園のところまで、2往復、すれ違うターゲット層(20歳前後)の足元だけを見つめて歩きました。

 1往復目は、レザーかスニーカーか、どんなブランド、モデル、色が多いかを見て、2往復目はめぼしをつけたアイテム、ブランド、モデルの数を数えてみたり。

 最初はもやっとしているのですが、繰り返していると、これからは、これかな、というのが見えてきて、すでに品揃えしている商品の確信になったり、欠落しているものを買い足したりすると、結構当たったりしたものです。

 それ以来、シューズ、バッグ、帽子、アクセサリー・・・気になる旬なアイテムがあると、それだけを見ながら歩く、明治通りストリートウォッチは頼りになりました。

 今も、事務所が近いんで、時間があると、明治通り、よく歩きます。

 皆さんにも、そんな定点観測の場所はありますか?

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関連エントリー-ファッションはストリートから生まれる

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May 30, 2008

ファッションビジネスセミナーin大阪へのご来場ありがとうございました。

 5月30日、大阪富士通ビジネスシステムさん主催のビジネスセミナーにお見えいただきました方々、月末のお忙しいところ、わざわざご来場いただき、誠にありがとうございました。
 
 講演の内容に共感していただきました方々、また、いつもブログをご覧になっていただき、わざわざ会いに来て下さった方々、とても励みになり、うれしかったです。

 富士通ビジネスシステムの皆さん、いつも素晴らしい機会を頂き、感謝いたします。

 これからもよろしくお願いいたします。 

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副都心線開業間近、各社の動向

 5月29日の日経新聞、30日の日本繊新聞に、副都心線(池袋~渋谷)が6月14日に開業するのを控え、池袋、新宿三丁目に立地する大手商業施設各社の対応についての記事が掲載されていました。

 副都心線開業時から直通運転を始める東武東上線、西武池袋線沿線の顧客離れを案じて、池袋勢が躍起の模様で、

・池袋で客数を取り合うライバル、西武百貨店と東武百貨店が共闘し、「LOVE IKEBUKURO」キャンペーンを展開、期間限定で池袋駅地下コンコースに共同案内所を設置し、池袋の街案内をしながら、両店への動員を図る。

・池袋パルコは、テナント対象にCS(顧客満足)目的の接客研修を開始。

・ビックカメラ池袋店と渋谷店は営業時間を1時間延長。

 とのこと。

 一方、同路線で唯一、池袋、新宿三丁目、渋谷のすべてに店舗をもつ丸井は強みを活かし、開業とともに、相互乗り入れする各線に車内中づり広告を展開し、それぞれに集客を図るとのこと。

 ここのところ厳しい市況で、7月を待たずに、一部でセールが始まっている様相の百貨店業界ですが、しばらく副都心線の話題に乗っていい宣伝、集客見込めるのではないでしょうか。
 
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関連エントリー-百貨店都心部に積極投資も集客は新宿への一極集中か?

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May 28, 2008

「学ぶ組織」と「教える組織」

 先日、ファッションリテイラーのクライアントさんのところで100人規模の新入社員研修の講師をさせていただきました。

 新入社員と言っても、パートアルバイト(PA)さんの正社員登用の多い業界ですで、新卒入社で初めてファッション販売をされた方から、PAさんとして4年もお勤めで、すでに店長を任されている方まで業界での経験も千差万別でした。

 研修のスタイルは、いつものように身近な仕事のテーマに関するグループディスカッションをベースとし、間にショート講義を織り交ぜる「参加型研修」です。

 店舗での経験年数は違えど全国の新入社員=同期の方々とファッション販売に対する思いと情報の共有をして頂いた上で、研修の最後に気づいたこと、学んだこと、をまとめていただきました。

 研修の狙い通り

・基本の体系的な整理

に加え、

・自分の意見の整理のしかた、他のスタッフの意見の聴き方

・身近なところにも十分活きた情報があることへの気づきとその学び方

などに関するコメントを多数頂きよかったと思いました。

 さらに、少数ではありますが、

・この研修で気づいたこと、学んだことを店舗に帰ってみんなに伝えたい、教えたい

・この研修のやり方、自店の店舗ミーティングで使いたい

というコメントを書かれた方が複数いらっしゃったこと、

実は、こう感じていただけることが、私にとって、研修や勉強会のファシリテーションをさせて頂いた時の喜びのひとつであると思っています。

 私は、ファッション業界に「学ぶ人財」「学ぶ組織」を育てることをライフワークのひとつにしています。

 なぜなら、それが業界において、事業の継続的な成長の最低条件であるからだと思うからです。

 そして、

 「人は、教える時にもっとも学ぶ」

 という言葉がありますね。確かピータードラッカーの「プロフェッショナルの条件」にもあったビジネスマンの金言のひとつです。

 それゆえに「学ぶ」に留まらず、「学んだ」ことを、実践するとともに、「伝えたい」「教えたい」と思ってくれる人財がいる組織には、さらに大きな可能性を感じます。

 「学ぶ人財」から「教える人財」へ、「学ぶ組織」から「教える組織」になる過程、それが企業の安定成長の原動力になるんだろうな、と確信しています。

 そんな「教える組織」を目指すために、まずは、「学ぶ」、そして「(わかりやすく)伝える」人財、組織づくりを心がけていたいな、と思う今日この頃です。

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May 27, 2008

ユニクロのファーストリテイリング社が開発する商業施設「ミーナ」

 5月24日の日経新聞、繊研新聞、26日の日本繊維新聞に、ユニクロのファーストリテイリングが開発する商業施設、「ミーナ町田」が23日にオープンしたことに関する記事が掲載されていました。

 これは05年10月のミーナ天神(マツヤレディースビル)、07年11月のミーナ津田沼(丸井跡)、08年のミーナ京都(東宝跡)、に続く4件目、都内では初の施設になります(町田は東急ハンズ跡)。

 ミーナ天神
 ミーナ津田沼
 ミーナ京都
 ミーナ町田

 いずれも、

 ・駅前そこそこの好立地
 ・ビル一棟をファーストリテイリングが賃借し
 ・上層階に2層分ユニクロを配置(天神のみユザワヤが上層でユニクロは2-3階)
 ・その階下に郊外SCなどでもおなじみの企業やファストリグループのファッションストアが入居する

 形となっているようです。

 ユニクロの1店舗平均年商5億円規模の幅広い客層の集客力は、業界では魅力で、ユニクロが同じビルに入居したことによって、売上が上がった経験をお持ちの企業の方も少なくないはず。商業施設「ミーナ」はそんなユニクロの力、ある意味「ユニクロのシャワー効果」を活用しての同社のチャレンジだと思います。

 ニッセン記事によると、それぞれ総床面積4500-6000坪で、初年度50億円の売上高を計画しているようですね(天神の実績は不明)。

 郊外ロードサイドでは、しまむらグループが、「ファッションセンターしまむら」を核にして、カジュアルのアベイル、シャーンブル(雑貨)、バースデイ(ベビー)などを複合させたモールをいくつも立ち上げていますが、ファストリの場合は、都心部の好立地で、「ユニクロ」の力を利用しての強豪ファッションビルデベロッパーとの競合になります。

 さて、ミーナは、デベロッパーとして拡大するのか、グループ企業活性化のためにユニクロを活用するのか、その目指すところは、今のところ、試行錯誤ではないかと思いますが、ますます賢く買いまわる生活者に、都心部でファストリが、どんなテナントミックスを提案できるか、今後の展開が楽しみです。 

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May 26, 2008

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリーをご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 今年は、4月~GW以降パッとしない天気が続いているようです。この時期ファッションリテイラーは、盛夏の立ち上がり、7月のセール前の在庫の着地、セール商材の最終確認、秋に向けての品揃え対策と、まだまだ気は許せませんが、気を引き締めて行きたいところです。

 昨年は夏のセールが6月末にスタートし、業界では議論を呼びましたが、今年は7月に入ってのスタートとなるようですね。
  
 さて、先週のランキングは以下の通りです。 
    
【ランキング】

1位-いよいよプレス活動を始めた、H&M エイチ・アンド・エム・ヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン(08.05.15)

2位-リヴァンプ再生案件のトークツをABCマートが支援(08.04.22)

3位-ZOZO TOWN(ゾゾタウン)のスタートトゥデイがアパレルEC事業支援の子会社設立(08.05.17)

4位-H&M日本法人の物流拠点(08.05.16)

5位-しまむらの情報公開と「適正値」の考え方(08.05.10)

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May 24, 2008

【お知らせ】 ファッションビジネスセミナー in 大阪

 今回は、宣伝になりますが、来る5月30日(金)、大阪の富士通ビジネスシステムさん主催のファッションビジネスセミナーで、私が基調講演の講師をさせていただきますので、お知らせさせていただきます。

日時   5月30日(金)
     14:00-17:00(前半90分が私の講演です)
 
場所   株式会社富士通ビジネスシステム
      関西営業本部 セミナールーム
      大阪市北区梅田3-3-10 梅田ダイビル13階
 
講演テーマ 「ファッションリテイラーの在庫コントロール」

 講演の内容は、私自身が以前勤務していたアパレル専門チェーンにおいて、社長特命で「商品コントロール部」を立ち上げてから、他社のベンチマーキングと試行錯誤を繰り返しながら、業務を構築、人材育成、引き継ぎを行った3年間を振り返って、事例研究としてまとめたものです。

 国内外の勝ち組SPA企業が着実にマーケットシェアを拡大している昨今、商品企画の進化、的中率アップはもちろんのことですが、シーズン中に店頭の顧客満足と企業収益をリアルタイムにマッチングさせる「店頭在庫コントロール」の技術も必須条件のひとつになりつつあります。

 そんな「店頭在庫コントロール」を実践するために知っておかなければならない基本中の基本が、事例とともに、体系的にまとまっていると思います。これから在庫コントロールを始める方々は、基礎知識を得るために、すでに始めてらっしゃる方々は整理、確認、気づきの目的で聞いていただけます。

 過去、東京・大阪・名古屋、数回のセミナーで、大手、中小ファッション企業の皆様、計400人近くの方にお聴きいただいておりますが、ご好評をいただいている内容です。

 ご興味のある方、参加をご検討される方は、こちらからDMダウンロードができます。

 また、セミナーの後半には、大手アパレルSPA企業、大手靴専門店チェーンなど200社近い導入実績のあるMD業務パッケージソフト、松山電子計算センターさんの

 現場主義II

 のデモンストレーションがあります。

 現在10-50店舗超くらいの規模で今後の更なる成長をお考えのファッションリテイル事業を運営されている企業の方に最もタイムリーな内容だと思います。

 参加費無料ですので、参加ご希望の方は、以下の富士通ビジネスシステムさんホームページからお申し込みくださるか、同社受付窓口にお電話ください。

 株式会社富士通ビジネスシステム
 関西営業本部営業支援部
 Tel:06-6343-2628

 富士通ビジネスシステム主催セミナー参加申込ホームページ

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May 23, 2008

ワールドが事業M&Aを積極化

 5月23日の日経MJにアパレル大手ワールドが、三井住友銀行の融資枠が500億円に引き上げられたことを背景に、事業買収(M&A)を積極化することに関する記事が掲載されています。

 同社は、市場の飽和感から、新規事業のスキマは少なく、また、すぐに成長エンジンとするのは難しいと判断し、ブランドポートフォリオ、あるいはマーケットセグメンテーション戦略上、手薄なマーケットについては、M&Aで対応する方針に切り替えるとのことです。

 記事によると、現在、中高年向けブランドを検討中の模様。

 株式非公開後、同社は、国内ニットメーカーや染色工場など、川上(製造)寄り企業の救済型買収は何件か行ってきましたが、記事にもあるように、事業部門については、「自前主義」を貫いていました。

 同社のそんな事業M&A積極化の方針転換が、とても興味深く、ある意味、地に足がついていると思うのは、同社が「ビジネスプラットフォーム」という発想を持っているからです。

 それは、簡単に言えば、ファッションビジネスに普遍的なインフラ・ノウハウ(プラットフォーム)とは何かを追求し、構築しながら、ビジネスを育成、拡大する、そして、構築したプラットフォームを他の事業にも応用しようとする努力、実績は、場当たり的な対応が多い、日本のアパレル業界にあって、とてもリスペクトすべきところだと思っています。

 買収した企業にそんなプラットフォームがどれだけ通用するか、今後業界が注目すべきところだと思います。

 それにしても、ワールド社は、株式非公開した今でも、公開企業なみに、しっかりディスクロージャー(情報公開)されているところも立派ですね。

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関連エントリー-ワールド株式非公開化と今後の展開

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May 22, 2008

すかいらーくが店長独立FC化、のれん分け制度を導入

 5月22日の日経新聞に外食チェーン最大手、すかいらーくグループが社歴の長い店長にフランチャイズFC方式で、「のれん分け」を行う仕組みをつくり、5年をメドに既存店全体の2割強にあたる1000店舗をFC店に切り替えることに関する記事が掲載されていました。

 小売チェーンでは、店舗数だけ店長がいるものの、その上のポストは限られているのが現状。 多くの店長が、店長として優秀でありながら、給料が頭打ちとなり、会社を去る、あるいはそのまま居残り、仕事がマンネリ化する、平均年齢のアップと人件費増、各企業の悩みの種のひとつではないでしょうか。

 この解決策として、ファッション流通でも、ユニクロを代表格に、「店長」=「商売人」としてがんばれば報酬が増える人事制度や立ち上げ資金やインフラをサポートし、のれん分けを行い、モチベーションを維持しながら新しい関係を結ぶ取り組みが現実的にありますし、制度の導入を検討されている話をよく聞きます。

 特に、ファッションを扱っていると、勤続年数とともに、ターゲット客層から年齢が離れて行くという問題もありますので、FCとは言え、経営感覚をもって再スタートすることも理にかなっていると思います。

 すかいらーくのケースは、平均勤続年数9年に対し、40歳以上、社歴10年以上が対象。希望者を募り、審査の上独立を認めるというもの。全国から店舗は選べ、ロイヤルティは徴収するものの、加盟金は免除するとのこと。

 昨今話題になっている、店長≠管理職、残業不払い問題検討の一環で出てきた話のようです。

 業界問わず、店長は小売チェーンビジネスの要。本部の言うとおりに動くコマではなく、商売人として考え、独り立ちできるくらいのスキルを身につけさせることも雇う側の責任ではないかというのは私の持論でもあります。

 制度を導入し、ところてん式にFCオーナーを量産するだけでなく、しっかりグループの力になるような育成も大事にして欲しいなと思います。 

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May 21, 2008

ファッションリテイルビジネスにおけるバジェット(予算)コントローラーの役割

 先週の記事になりますが、5月16日の繊研新聞、世界最大のファッションSPA業態、H&M(エイチ・アンド・エム・ヘネス・アンド・マウリッツ)関連の記事のひとつに、プレスリリースのために来日した新ヘッドデザイナー、Ann-Sofie Johansson さんのインタビューがありました。

 彼女が、H&Mの機動的なマーチャンダイジング(MD)組織を説明する部分で読み過ごしてはならないことは、同社の商品ライン別に組まれている縦割りチームの構成メンバーが、デザイナー、バイヤー、そしてバジェット(予算)コントローラーであることでしょう。

 同社が各MDチームに予算コントローラーを配置していることは、年次レポートなどでも周知の事実ですが、この職務が果たす役割は極めて大きいと思っています。

 つまり、一般的にファッションビジネスにおいては、どんな商品を企画してどこで作って、いつ店頭に並べるかには重きを置いていますが、どれだけ作るか(数量)?、いつ何を基準に見極め、売り切って在庫を残さないようにするか?については、二の次にされることが多いです。

 極論かもしれませんが、それがないことが、マーケットで飽きられたり、在庫過多となって、多くのファッションブランドが短命に終わる要因のひとつではないかとも思っています。

 ファッション製造小売業、いわゆるSPAという一気通貫ビジネスモデルにおいては、毎週の店頭の動向から売上、粗利、在庫、仕入の進捗を確認しながら、需要予測をし、シーズン中に変化に対応する、店頭在庫コントロールの技術が欠かせないと思います。

 H&Mが言うところの予算コントローラーは、そんな技術を熟知したスペシャリストであり、デザイナー、バイヤーとチームを組んでアドバイスをしながら、店頭の鮮度を管理(コントロール)する司令塔に違いありません。

 そんなメンバー構成できめ細かく、ハイスピードで売場に対応することが、同社が世界1500店舗で高い粗利と商品回転を実現しながら、継続的な成長を遂げているゆえんのひとつではないかと思っています。

 これに近い役割を果たしてる日本企業の職務として、しまむらの「商品コントローラー」というロールモデルがあります。

 多くの成功しているファッションSPA、専門店がこの職務の人財に存在価値を見出しています。マルキュー系ブランドの中にもこの予算コントローラー的な職務の方がしっかり手綱を締め、感性とビジネスのバランスをとって安定的に成長している会社もあります。

 ファッションビジネスにおいて、いい商品を企画して生産することが第一、利は元にあり、には間違いありませんが、そろそろこのあたりの精度を高めて行かないと勝ち残れない時代にも入ってきていると思います。
 
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May 19, 2008

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリーをご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 H&M日本法人が本格的なプレス活動を始めました。銀座(08秋)、原宿(08秋)、渋谷(09秋)の3店舗が年周りすれば3店舗だけでも100億円は間違いない、それだけのマーケットシェアを奪ってゆくことになるでしょう。

 まだまだファッション業界以外の方、同社の店舗のある国に渡航経験のない方には知名度は低いH&Mですが、9月の銀座オープンまで、どんなマーケティングを行うかとても興味深いところですね。 
  
 さて、先週のランキングは以下の通りです。 
    
【ランキング】

1位-いよいよプレス活動を始めた、H&M エイチ・アンド・エム・ヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン(08.05.15)

2位-リヴァンプ再生案件のトークツをABCマートが支援(08.04.22)

3位-しまむらの情報公開と「適正値」の考え方(08.05.10)

4位-ロンドン・ハイストリートファッション・マーケットリサーチ(08.05.14)

5位-H&M日本法人の物流拠点(08.05.16)

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May 17, 2008

ZOZO TOWN(ゾゾタウン)のスタートトゥデイがアパレルEC事業支援の子会社設立

 5月15日の繊研新聞に、日本の有力ファッションブランド、セレクトショップの商品を、厳選して買取り、ネット上の仮想ファッションモールとして販売する人気通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイ(東証マザーズ上場)が、同社のノウハウを活用して、アパレル企業側のECサイトを支援する子会社を設立することに関する記事が掲載されていました。

 ZOZO TOWN(ゾゾタウン)

 子会社名はスタートトゥデイコンサルティング。まずは、ゾゾタウンで販売しているブランドの独自のECサイトの支援から入り、将来的には、ゾゾタウンに出店していないブランドにも広げてゆく計画のようです。

 同社関連IR記事

 子会社設立の目的としては、同社が持つECサイト運営のインフラ、ノウハウをビジネスとすることもありますが、08年03月期年商85億円(前年比41.5%増)となり、今期103億円規模の見通しとなった同社が、今後安定的な成長を目論む上で、ゾゾタウンでの売り逃しを極力少なくするため、アパレル企業側が独自に運営しているサイトと「在庫共有」することもあるようです。

 アパレル企業のECサイト運営上の悩みとして、複数ECサイトで同じ商品を販売している時の在庫問題をよく耳にします。

 すなわち、検索エンジンからのECサイトへの導入が主流となった昨今、生活者が行き着くサイトを一本化できることが理想ではありますが、販売機会を広げる観点から、ゾゾタウンのような集客力を持つサイトにゆだねるケース、自社サイトで販売するケースなどなど複数の「入り口」を持つことが多いようです。中小のアパレル企業でもYahooと楽天の両方に出店しているという企業もよく聞きます。

 その際、それぞれのサイトに同じ商品の在庫を分散して、確保しておかなければならない在庫管理上の複雑性の問題があるようです。うまくシステムで統合できればよさそうなものですが、それぞれの出展先サイトのシステム情報開示の問題で難しいようなんですね。

 今回の同社のサービスは、そんな事情も踏まえてのウィンウィンソリューションなんでしょうね。

 鮮度のある商品を適時、適量、お客さんの望むところに最適在庫配分、移動、機会損失を極力抑えて売り切ることが必須となったファッションビジネスですが、店頭のみならず、ECでもそんな課題への取り組みが進んで行くわけですね。 

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関連エントリー-ZOZORESORT(ゾゾ)のスタートトゥデイが東証マザーズ上場承認

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May 16, 2008

H&M日本法人の物流拠点

 昨日に続いて、5月16日の日経MJと日本繊維新聞にもH&M日本法人関連の記事が掲載されており、新しい情報として、

 川崎市に物流拠点を賃借し、6月から秋冬商品の入荷が始まる

 という内容を追記しておきます。

 川崎といえば、東京港と横浜港のちょうど間ですから、船便で商品を日本に持ち込み、首都圏に店舗を構える上では、最適な物流立地だと思います。

 ちなみに現在、関東と関西に店舗を展開中の同じスウェーデン発世界最大のホームファッションストア、IKEA(イケア)は、いまのところ店舗はないものの、関東と関西のちょうど中間に位置づく愛知県に物流センターを開設中。

 この2つのスウェーデンのリテイル企業が、極東である日本市場を攻略するロジスティック戦略のお手並みには、注目し、参考にしてゆくたいと思います。

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関連エントリー-リテイルロジスティック戦略の真骨頂

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May 15, 2008

いよいよプレス活動を始めた、H&M エイチ・アンド・エム・ヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン

 日経新聞と繊研新聞に、日本進出の準備を進めるH&Mがこの度、日本で行った秋冬商品プレスプレビューに関する記事が掲載されていました。

 以下、繊研新聞の記事を中心にまとめてみました。

 ジャパン社社長の方は、75年生まれ、日本人とアメリカ人の両親をもち、東京育ちのスウェーデン国籍をもつクリスティン・エドマンさんという女性。H&Mでは3年のキャリアがあるようで、H&M香港の立ち上げに携わられたとのことです(※)。

 インタビュー記事にある今回明らかになった日本戦略を以下に整理しておきましょう。

・日本市場向けに品質管理の常駐スタッフをおいた

・日本進出にあたり通常2‐3ヵ月のフロアマネージャー研修を海外店舗で1年近くかけた

・大多数は本国の企画となるが、日本向けMDを担当する人材をすでに採用している。

・大都市路面立地だけでなく郊外ショッピングセンターへの出店も検討

・09年秋開店予定の3号店は、渋谷ブックファースト跡地(マルキューから東急本店に向かう途中)約1000坪でフルラインの大型店は東京最大級のファッションストア

・秋冬コレクションが今後、プレス向けに渋谷のショールームでみられる、毎週新しい型が入荷になるらしい

ということで日本に対してグローバルMDでゆく、特別な対応はしないとしていた以前の同社のコメントを変更し、しっかり日本対策をする模様ですね。

 関連記事面に、コレクションの写真と主なアイテムの価格が少しでていましたが、海外のH&Mを知る人から見ると少し割高のようで、日本のザラくらいの価格ではないかな?という印象です。

 価格の付け方は

 何千990円
 何千490円 
 
といったユニクロ的価格表示が目立ちます。税込でしょうかね。

 これを皮切りに今後、メディアへの露出が増えて来ると思いますが、H&Mが銀座1号店開店までにどのような顧客ポジショニングを構築するか、興味が尽きません。

【※5月17日訂正】 H&M日本法人社長のエドマンさんの経歴ですが、私の繊研新聞の記事の取り違いで、誤りがありましたので訂正いたしました。エントリー時に記載した、「アシスタントブランドマネージャー」をされたのは前々職の玩具メーカーの時、「ビジネス展開ディレクター」をされたのは前職の菓子メーカーにお勤めの時だったとのこと。業界紙の記者の方にご指摘いただきました。Hさん、ありがとうございました!

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関連エントリー-H&M社長、日本進出戦略を語る
関連エントリー-H&M(エッチアンドエム)日本語版ウェブサイト

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May 14, 2008

ロンドン・ハイストリートファッション・マーケットリサーチ

 5月13日の繊研新聞の1面にロンドンのファッションショッピングの中心地、ウエストエンド地区に乱立する世界の有力ファッションSPA(製造小売業)についてのレポート記事が掲載されています。

 オックスフォードストリートおよびそれと交差するリージェントストリート、ボンドストリートという大通り沿いによくもまあこれだけ世界のアパレルSPAが並んだものだと、記事中のショップ名入りの地図を見ながら感心しました。

 それもそのはず、記事によると、このエリアにある600の店舗に、年間2億人が訪れ(うち半数が観光客)、55億ポンド(1兆1千万円くらいでしょうか)のお金を落としてゆくそうです。
 
 このエリア(地下鉄で3駅分くらい)の記事中地図内の店舗数を数えてみたところ、

 H&M(スウェーデン)が4店舗
 ZARA(スペイン)が4店舗
 ユニクロ(日)が4店舗
 GAP(米)が3店舗
 NEXT(英)が3店舗
 フレンチコネクション(英)が3店舗

 もあります。こんな密集エリア、日本にはありませんよね。

 もちろん、英国のストリートファッションストア、トップショップとプライマークの超大型旗艦店もありますね。それぞれ1店舗づつですが、上記のSPA店舗の売上の一桁上の売上は軽く上げているくらい大きな店です。確か、トップショップは1店舗で年商200億円超だったと記憶していますが・・・

 この地区は、まさしく、世界最大のファッションSPA大戦が繰り広げられているところですね。

 タイトルの「ハイストリート」とは、「大通り」を意味し、大通りに面している大手ファッションチェーン店が提案するファッションを、英国では、ハイストリートファッション(=ファストファッション)と呼びます。

 私もロンドンにファッションマーケットリサーチに通っていたころは、必見のオックスフォードストリート。
 
 その中心地のオックスフォードサーカスというリージェントストリートとの交差点でのトップショップ、H&M、ZARAのガチンコ勝負に、伊勢丹メンズ館が参考にした?と言われる百貨店セルフリッジをよく定点観測したものです。

 ロンドンにマーケットリサーチに行かれた方はよくご存知のように、ロンドン中心地は、このほかに、

 ・コベントガーデン
 ・カーナビーストリート
 ・カムデン(古着とヤングカジュアルストア多数)
 ・ナイツブリッジ(ハロッズのあたり)

 あたりをおさえておけば、地下鉄を利用して、余裕で1日で周れるマーケットリサーチコースになります。もう一日ある方は、ロンドンから鉄道で1時間弱の、ヨーロッパ最大級のショッピングセンター、

 ・ブルーウォーターショッピングセンター

 をお奨めします。

 ああ、また、ロンドンに行きたくなってきましたね。

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May 12, 2008

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリーをご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?
 
 ゴールデンウィーク後半を含む先週。今年のGWは、去年に比べて天候に恵まれず、厳しい商戦だったようですが、一方、都心近くの、特に近郊アウトレットモールの盛況ぶりに関する話題が多かったようです。

 生活者も企業もアウトレットとどううまく付き合って行くかの時代に入って来ているようです。
 
 さて、先週のランキングは以下の通りです。 
    
【ランキング】

1位-リヴァンプ再生案件のトークツをABCマートが支援(08.04.22)

2位-組織力は「感謝」と「認知」から(08.05.07)

3位-大手商社が参入するTV通販のうまみ(08.05.02)

4位-しまむらの情報公開と「適正値」の考え方(08.05.10)

5位-サマンサタバサがラグジュラリーバッグブランド意識調査で大健闘(08.04.30)

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May 10, 2008

しまむらの情報公開と「適正値」の考え方

 5月9日の日本繊維新聞に、しまむらが推進している、いわゆる「直流」によるコスト削減に関する記事が掲載されていました。

 「直流」とは、しまむらに納品するメーカーが、中国各地で生産した商品を中国内のしまむら指定物流拠点に集結させ、現地でしまむらの店舗ごとに振分けてしまい、箱詰め、まとめてコンテナに積み込み輸入し、そのまま日本国内のしまむらの物流センターに直接持ち込み、箱ごとしまむらの国内トラックルート便に載せることによって物流コストを削減しようという試みです。

 同社は、この「直流」によって浮いた物流コストをメーカーと折半し、その「直流」比率を高めることによって、自社の商品仕入原価率を下げ続けています(「値入率」でいうと上げ続けている)。

 いつも、このようなしまむら関連の記事を読んでいて感心することですが、同社は、何か改革に取り組む時に、実額や、売上高対比構成比といった金額ベースの数値だけでなく、荷物の個数(数量)や「1個あたり」のコスト(単価)をしっかり把握していて、それをどうコントロールするかを考えている、なおかつ、驚きなのは、その数値を一般に情報公開しているところです。

 ところで、毎年4月にしまむらの2月期決算発表にあわせて公表されるIR情報のひとつに決算概要がありますが、これは、業務改善に取り組む業界の経営者、幹部、経営企画の方、必見の資料だと思います。

 しまむら決算概要

 客数、客単価、セット率、値下率、棚卸ロス率・・・業界が関心を持っている経営数値が前年比とかではなく、実数で、数年間時系列で掲載されている、ここまで公開するか、と同社の自信のほども見て取れる資料です。


 話は変わりますが、仕事上、よく業界の「適正値」や「基準値」を聞かれることがあります。

 ロス率、値下げ率、プロパー消化率、シーズン末残在庫率・・・

 実は、私は、多くの方が期待する「適正値」ってものは業界に存在しないと思っています。強いて挙げればゼロか100ですかね・・・不可能に近いですが(笑) 

 むしろ「適正値」を考える時、いつもお勧めすることがあります。

 ○まずは自社の現状を数値化する
 ○そして、その数値を来年に向けてどうしたら少しでも改善できるのかを考える

 この行為こそが、「適正値」に向けての取り組みだと思っています。

 しまむらの決算概要をご覧になったら、それらの項目の自社の数値はどうなっているか?一度算出してみるといろいろなことがわかると思います。お試しを。

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May 09, 2008

ライトオンが立地別に柔軟MD

 5月9日の繊研新聞に、ジーンズカジュアル専門チェーン大手、ライトオンが立地別に柔軟なMD(品揃え)で対応することに関する記事が掲載されていました。

 NBジーンズの売上低迷、業界でシェアの高いユニクロの躍進が続き、厳しい業績の続くジーンズカジュアル業界各社。

 同社は、これまで、全国474店舗ほぼ同一MDで対応して来て、マーケットのトレンドの変化によって、店舗ごとの業績のばらつきが出ていたのに対応し

 ・立地別客層が好むファッションテイスト
 ・売れる価格帯
 ・売れるサイズ構成

 を組み合わせ、約20ものMDパターンを作って、全店に対応しようというもの。

 これまで、しまむらやハニーズなど、ナショナルチェーンが全国統一MDを見直し、複数のMDパターンを作って対応し始めた事例をブログでもご紹介しましたが、これまでのきめ細かい対応はとても興味深いです。

 もっとも、ここまで飽和といわれる国内マーケットでは、標準化をビジネスモデルとするチェーンストアと言えども、立地客層に合わせて品揃えに変化を持たす商品政策は必須要件となりつつあります。

 ライトオンは、かつて、店舗によって違う商品回転を分析し、10以上の在庫積み込みパターンを編み出して、従来より少ない、必要十分在庫で売上を向上させた実績を持つ、業界では比較的IT投資が進み、ロジカルに考えることもできる企業のひとつと定評があります。

 今年は、立地客層別に柔軟なMD対応、いわゆるモザイクマーチャンダイジングを十八番とするH&Mが日本進出しますが、これに対し、国内企業からもそんな技術をもったリテイラーが登場しないか、と同社のチャレンジの成果を見守りたいと思います。

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関連エントリー-ライトオンの「売れる仕組み」
関連エントリー-しまむらが、客層に合わせて品揃えを2タイプに分類
関連エントリー-H&Mの強みはモザイクマーチャンダイジング

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May 08, 2008

ミセス専門店向け中小アパレル卸が小売進出中

 今月から、日経新聞、日経MJ、繊研新聞に加えて、これまで何回か私の執筆記事も掲載して下さっている日本繊維新聞(ニッセン)さんの記事もブログネタに加えさせていただきます。

 その1回目になりますが、5月7日の日本繊維新聞に、ここのところ活発になっているミッシー、ミセス専門店向け中小アパレル卸の小売進出、多店舗化の事例を紹介する記事が掲載されていました。

 小売進出のきっかけは、

 ・自社商品の在庫消化
 ・アンテナショップとして

 というのもあるようですが、最近では、

 ・既存卸先専門店の後継者難など

 救済的な理由から店舗を引き継ぎ、その後、20-30店舗台と多店舗化しているケースがいくつも見られるようです。

 各社、自社商品による本格的SPA(製造小売)とまではいかないまでも、自社企画商品に半分以上の他メーカーからの仕入商品をミックスして、上手に軌道に乗せているメーカーさんもあるようです。

 専門店の自社ブランド製造、ブランドアパレルメーカーの直営店出店と業界のSPA化が着々と進み、今後も専門店向けのアパレル卸業は、厳しい局面を迎えることになる思います。
 
 一方、SPA化を進めた専門店群も、粗利率は上げながらも、同質化、販売効率低下で業績も頭打ちなっている国内マーケット。

 SPA化だけが答えじゃない、しかし、活きた店頭をもって生活者の反応を実感しながら、マーケットをビジネスを活性化させてゆく努力は今後、重要なことだと思います。

 これらの動向がマーケットにひとつのニューウェーブをもたらしてくれることも密かに期待しております。

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May 07, 2008

組織力は「感謝」と「認知」から

 最近よく売れているという

 不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書 1926)

 という本を読みました。

 題名からお察しの通り、私の過去の組織人としての経験も含めて、皆さんの職場でも起こっている耳の痛い話から始まります。

 組織の力は「個人の力」と「個人間のつながり」のかけ算

 しかし、業界の多くの企業が「ビジネスは人(ヒト)がすべてだ」と、「個人の力」を重視し、その積み上げで成長してきた一方で、「個人間のつながり」にはあまり重きが置かれなかったようです。

 それゆえに、「職務」にではなく、「人」に仕事がついている状況が多く見受けられます。

 仕事柄、人を活かす組織や職務について意見を求められることがあります。

 「この業務は今、どの『部署』あるいは『職務』の方がやっていますか?」という質問に
 「(部署や職務名ではなく)『○○さん(個人名)』の仕事です」というお答えを頂くことがあります。
  
 理想を言えば、まずは、会社としてやりたいこと、あるべき組織・職務を考え、その後、誰を抜擢し、どうすればそれができるかを議論したいところですが、人が先に出てきてしまう組織編成も少なくないようです。

 この本書が言うように、「人に仕事がつく」ことは、当面の生産性、安心感といった短期的なメリットという点では問題なさそうですが、このいわゆる仕事の「タコツボ化」現象、場合によっては、いつの間にか「聖域」が出来ていたりするところもあり、これが組織の中で、お互いが協力をしない、他の人の仕事への無関心、無干渉、孤軍奮闘、職場不信となる温床であると筆者は指摘しています。

 本書では、この一筋縄にはいかないこれらの問題の解決に米Google社やサイバーエージェントなどの企業事例を取り上げて、いかに「個人間のつながり」をつけるか、協力したくなる環境にするか、について述べられています。

 この本の中で、特に大事だなと思うのは、

 感謝と認知を通じた効力感というインセンティブ

 というフレーズですね。

 要は、些細なことでも、「ありがとう」と言える、言ってくれる人がいる、自分の仕事ぶりを見てくれている人がいる、という安心感を「効力感」というそうですが、それこそが協力する組織を作る最大のモチベーションのひとつであると。

 企業のいろいろな具体的事例が出ていますが、その中で、是非、改善のために試したいものとしては、

 ベストサービス、好業績などで褒められた人だけでなく、その人が、自分は誰のおかげでその「いい仕事」ができたか?裏方3人を挙げ、その3人も併せて表彰されるというマリオットホテルの事例。

 どの事例もベンチマークはできると思いますが、何事も理念と一貫性と継続力が大切なのは言うまでもありませんね。

 組織を考える上で、いい視点を与えてくれますので、よろしかったらお読みください。

 

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May 06, 2008

先週の記事別アクセスランキング

先週のブログの中でアクセスが多かったエントリーをご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?
 
 ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか?
 普段はあまり昼間にテレビを見ませんが、気にしてみるとTV通販番組は多くなっているのですね。なるほど、この一言、瞬間に欲しくなる人がいるんだな、と思いながら観ていました。

 さて、先週のランキングは以下の通りです。
 
 ランク外ですが、トップ5の下には最近のエントリー以外に、ゴールデンウィークらしく、原宿古着や入間のアウトレットのエントリーがランクインしています。
   
【ランキング】

1位-サマンサタバサがラグジュラリーバッグブランド意識調査で大健闘(08.04.30)

2位-リヴァンプ再生案件のトークツをABCマートが支援(08.04.22)

3位-百貨店レディスヤング売場の課題にキーワードは3割安の買いやすい価格?(08.04.30)

4位-大手商社が参入するTV通販のうまみ(08.05.02)

5位-ライフスタイルストアの域に迫るハンジロー(HANJIRO)(08.04.27)

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May 02, 2008

大手商社が参入するTV通販のうまみ

 5月2日の日経MJ1面に大手商社が取り組むテレビ通販に関する記事が掲載されています。

 先日、ジュピターショップチャンネルを子会社にもつ住友商事がガールズウォーカー、ファッションウォーカーを
運営するゼイヴェルと業務提携した時のニュースもエントリーさせていただきしたが、ここのところ急伸中で、販売効率の高いTV通販に大手商社が次々に食指を伸ばしているという話です。

 記事の中にあったTV通販の市場規模は2007年で3960億円(富士経済調べ)

 今回記事に取り上げられている大手商社が出資しているTV通販会社の年商は、 

・ショップチャンネル・・・1023億円(07年12月期;住友商事70%出資)
・QVC         ・・・734億円(06年12月期;三井物産40%出資)
・プライム       ・・・105億円(07年6月期;伊藤忠商事15%出資)

 この3社でマーケット規模の約50%を占めるわけです。

 注目の販売効率ですが、ショップチャンネルの1時間あたりの平均売上高はなんと1500万円!

 各商社は、出資するファッションブランドをTV通販で効率よく直販することを狙っているようです。

 先日、住友商事とゼイヴェルの提携第1弾で放映されたアルバローザのTV通販は、夜中の1時から2時の間に放映されましたが、通常番組の最後に行われている番組中紹介商品のレビューを待たずに商品が完売してしまい、急遽予定のなかった商品紹介を行ったとか。

 この1時間で1500万円の売上を上げたとのことですが、これはこの時間帯の平均売上高の2倍とのことです。

 ゼイヴェルのガールズウォーカーのゴールデンタイムは夜10時~翌朝4時と聞いていますので、ちょうどケイタイサイトを見ている人にテレビのチャンネルをつけさせたり、テレビを見ている人にケイタイサイトにアクセスさせたりするなんてことができるわけですね。

 マルチメディア時代の真骨頂とも言える芸当です。

 記事中のここ10年間のテレビ通販市場の売上の伸びは2.4倍とインターネット通販ほどは伸び率は低いものの、4000億円規模のマーケットにもなれば、ファッション企業もこれからの販路のひとつとして見逃す手はないでしょう。

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関連エントリー-住友商事とゼイヴェルが業務提携

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