ヴィレヴァンの好調が止まらない
6月16日の日経MJ「底流を読む」のコーナーに、240店舗を超えても個店重視経営を貫き、今年の5月度まで既存店売上高が87ヶ月連続で前年を上回り続けている「遊べる本屋」ことヴィレッジヴァンガードに関する記事が掲載されていました。
記事の中のヴィレヴァンの菊池社長の「ヴィレッジヴァンガードだけでも一千店は可能だ。『自立分散経営』が、これからの小売業の本質であることを証明したい」という言葉、このご時勢に、未曾有である7年以上1ヶ月も売上を落とすことなく、引っ張ってこられた自信に満ち溢れていますね。
一千店はどうかとは思いますが、「小売業の本質」という点においては、チェーンストアを展開する企業の方々が原点に立ち返って見習うことは多々あると思います。
過去に同社から見習うべきことは何回かブログエントリーしていますので、よろしかったら、この記事の一番最後にある「関連エントリー」を覗くいてみてください。
08年5月期決算の資料は8月ごろ発表されると思いますが、過去のIR資料を見ていて気がついたことをいくつか・・・
・既存店売上前年対比アップを牽引しているのは、特に開店後1年超~3年目の店舗です。以前はどんなチェーンストアもそうだったんですよね~と、ちょっとノスタルジーを感じました。だから各社5-6年周期で店舗を新陳代謝していれば既存店売上は確実に伸ばせたものでしたが、その図式はSC出店ラッシュで崩されてしまったのが流通業全体の事情ではないでしょうか。
・同社もここ数年はイオンのSCなどへの出店が急激に増加。ご他聞にもれずSCの販売効率の低下は否めないようで、路面店回帰を宣言されています。
・粗利率は低いけれど返品自由の本(構成比20%を切り年々下がる)、粗利率の高いスパイス雑貨(構成比70%)のバランスが強みのひとつでしたが、やはり粗利率の低いニューメディア(CD、DVD)の構成比が高まって来ているのは経営的には課題のようですね(12%超へ)。
・個店に仕入権限を持たせながらも、全店が販売する「定番品」については、本部社内営業部署が一括値入交渉をして「規模の経済性」を発揮している模様。
同社の記事や資料を読んでいて、なんか当たり前の(だった?)商店の姿が目に浮かぶんですよね。
1.新店がオープンする。得体の知れないあやしい店なので様子伺いの顧客。最初はそれほど爆発的な売上は上がらない。
2.各店の店舗スタッフの工夫で店の品揃え、VP(ヴィジュアルプレゼンテーション)が商圏の客層にはまり始める。
3.ファン(リピーター、固定客)がつき、認知度が上がる。客数が増える。
4.人が育ってさらに品揃え、VPに工夫が加わる。
このサイクルが自然に回ったら既存店の売上は確実に上がるだろうな、と。
本、スパイス、ニューメディアという粗い「くくり」はありますが、仕入れてはいけない商品がないのも強みのひとつでしょうし、以上を本部がコントロールしながらサポートするという姿勢に徹しているところがいいですね。
さて、既存店売上高前年比クリアの記録がどこまで続くかにも興味はありますが、店舗の安定成長をささえる人財の育成という視点で、今後も同社の動向を見守っていきたいと思います。
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Comments
おはようございます。
いつも楽しく拝見させていただいています。
ヴィレッジヴァンガードは、ファンでもあり、注目しているお店なんですが、市川妙典にあるお店は、あまり勢いを感じません。
休日ではなく、平日の夕方とかが、かきいれどきなのかもしれませんが・・・
でも、ついつい、衝動買いしたくなるVMDは、さすがです!
Posted by: WOWM | June 20, 2008 08:07 AM
WOWMさん
コメントありがとうございます。
お店によってバラツキはあるようですが、
何かあるのでは?と、とても期待できるお店ですよね。
私は下北沢の店のファンです。
では、
またよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | June 21, 2008 11:01 AM