ニトリが、円高差益還元で268品目を値下げ
6月6日付の日経新聞に、ホームファッションSPA(製造小売業)大手のニトリが、円高による為替差益を生活者に還元すべく、家具、インテリア製品など268品目を平均19.6%値下げしたと発表したことに関する記事が掲載されていました。
記事によると、原料コストが上昇し、メーカー、流通各社が値上げに踏み切る昨今ですが、同社も原料コストは上昇しているものの、企業努力によって、物流コストが削減できたことと円高差益を原資に「値下げ」に踏み切るとのことです。なお、268品目は、同社全商品の3%に相当し、一度値下した商品は再値上げしないとのこと。
ちょうど5月下旬に、6月から123品目を値上げすることを発表した「無印良品」を展開する良品計画のニュースを思い出しながら、この記事を読んでいました。
無印良品が値上げしたのは、プラスチック、ポリプロピレン関連の生活雑貨中心で、ニトリが値下げしたのは、木製、ファブリック系の家具・インテリア商品と商品内容が違うので一概に比較は難しいですが、「OOO品目、値下げ」という無印良品得意の広告コピーを意識したような発表だったので、面白いなと思って読んでいました。
円高が進んだ時、イオン、イトーヨーカ堂が円高還元セールをされていましたが、メーカーや問屋からの仕入が多いGMSのそういったセールは仕入先の「協賛」を得た一過性の消費刺激策に思えてしかたがありません。
ニトリの場合は、海外に自社工場を持っていたり、毎年、自身の足で海外委託工場を開拓し、直輸入をしていると聞いていますので、コストコントロールもやりようがあるでしょうし、同じ円高差益還元でも継続性という意味で説得力があります。
世界最大のホームファッションSPA企業、スウェーデンのIKEA(イケア)が一店舗あたり年商100億円級の巨艦店舗を都心近郊に出店し、日本の生活者に低価格で、家の中をファッション化するという新しい価値を提供しています。
ニトリ、無印良品、フランフランはじめ、日本のホームファッション業界のプレーヤー各社にも、ますます切磋琢磨していただき、ファッション化に目覚める生活者に、IKEAに負けない、あるいは、うまく棲み分けした、価値を提供して頂きたいと思っています。
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Comments
値下げができて、続くというのは大変でしょうね。
海外工場といっても、
そのうち人件費は上がるでしょうし。
適性価格とは何か、
とこの頃思います。
Posted by: タッシー | June 08, 2008 12:49 PM
タッシーさん
こんにちは、コメントありがとうございます。
おっしゃるように、企業CSRも問われる昨今、人件費のコントロールは困難になりますね。
しかしながら、企業各社が自社リスクを張りながら、無茶なく、ムダ取りする努力、今後も期待したいところです。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | June 09, 2008 01:39 PM