今年上半期を振り返って
今年上半期(1-6月)にアクセスの多かったエントリーをご紹介しながら、ファッション業界の前半戦を振り返ってみたいと思います。
6月度のファッション専門店大手企業の業績速報が新聞紙上で発表されていますが、4月、5月に続いて、ユニクロを除く、各社大苦戦のようでした。
これまで、ファッション業界の一般大衆のリアルな景気、マインドを表す消費インデックスのひとつとして注目されていた、「ファッションセンターしまむら」を展開するしまむら社の既存店売上高前年対比が5、6月、二か月連続でほぼ9がけでしたが、それが世間の実情を表しているようです。
しまむらでは、ファッション性を強化した商品は、堅調ながらも、もともと同社が強みとする、主婦層向け生活必需品アイテムの落ち込みが激しいと聞きます。
ユニクロ5月度既存店売上7.9%増に学ぶ
しまむらの情報公開と「適正値」の考え方
生活者は、今、ファッションを買い控えているのでしょうか?
いや、昨年から始まり、今年、来年は、「新しい価値」、「新しい買い回りの選択肢」が生活者に提供、提示され、賢く、新しい 「ファッション購買行動」 が育まれている過渡期、カオス期なのではないかと思っています。この間は、しばらく、消費は「お試し」を含めて「新しい」方に向かうと思われます。
生活者のインターネットとリアル店舗の使い分けは進み、今年は思いたったら電車に乗って行ける身近な距離のブランドアウトレットモールが脚光を浴びています。
インターネット上のアウトレット販売
リアル店舗とウェブストア(ECサイト)の使い分け
三井アウトレットパーク入間開業、変わるアウトレットモールの位置づけ
また、価格は安くても、素敵なプロモーションや、ファッション感性的に納得のいく店舗環境の中で、感性はベストではなくても、「悪くない」商品を提供する企業群の業績は比較的悪くないようです。
先にご紹介したユニクロの業績を維持しているのは、いままでユニクロをあまり買わなかった層が、ユニクロの商品精度と商品感覚の向上とともに、「これでいい」アイテムの選択肢のひとつとして、認め始めている事実も、その要因のひとつであると思います。
また、いまや売上の7-8割が新品となったユーズドミックス業態も、同じ「新品」でも既存企業とは一味違った切り口で若いファッションフリークたちを魅了しているようです。
原宿人気古着ショップの魅力比較
ファッションスクール生の服の購買行動調査
アパレルに限らず、靴業界でも、昨冬のブーツ不発の打撃を受け、旧世代が疲弊し、かつて日系靴問屋最大手であったトークツの破たんに象徴されるように、新旧交代の動きが感じられます。
そんな業界の中で、日本独特の革靴輸入規制にとらわれない、革製に近い感覚の合皮(ケミカル)製のおしゃれな靴を、価格は半額近い安さでも、素敵な内装の店舗で、納得して買える靴SPA業態が元気がよいと聞きます。
下半期は、9月、銀座に、いよいよ、日本の生活者に世界レベルで新しい選択肢、価値を提供する「ファストファッション」の雄、H&Mが日本に上陸しますね。
H&M(エッチアンドエム)、2008年秋 日本進出
H&M日本進出、コム・デ・ギャルソンとコラボのインパクト
生活者に新しい買い回り先候補が提示され、彼女彼らのファッションポートフォリオ上の買い回り先ショップリストシャッフルされている今こそ、既存企業にとっても、新しいポジショニングを発見し、確立できるチャンスでもあると言えます。
生活者に飽きられたことに気付かず、かつての成功体験を繰り返すことが、ますます通用しなくなることは間違いなさそうです。
いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援お願いします。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
>>>人気blogランキング に参加しています。
【第9位】↑up (08.7.6現在)
| Permalink | 0
Comments