三陽商会バーバリーブランドのミッドナイトエクスプレス
8月11日の日経MJに、三陽商会が、バーバリー・ブルーレーベルで実績を上げている、品薄商品の翌朝配送のしくみ、「ミッドナイトエクスプレス」を来春からバーバリー・ブラックレーベルにも広げることに関連して、同社の物流戦略に関する記事が掲載されていました。
このミッドナイトエクスプレスとは、
①毎日営業終了後に店頭在庫を確認
②午後11時ごろ、規定数量に達しない品目を物流センターに発注
③物流は出荷作業に入り、
④翌朝百貨店開店時には、在庫が店舗に届いており、販売できる
というデイリーデリバリーのしくみです。
関連して、同社は、全国13拠点に分散していた物流センターを東西2拠点に集約し、なおかつ、百貨店への商品配送の指定業者、東京納品代行をその拠点に入居させることによって、出荷指示から店着までのリードタイムを短縮する体制も整ってきている模様です。
業界では、前週1週間で売れた商品の補充を週の初めに、週1回のみしている企業が今でも多いと思います。そうすると、1週間に各店でどれくらい売れるかを見込んで、店舗によって強弱をつけて、あるいは多めに在庫を積み込んでおく必要があります。その見込が狂うと、売れるお店で欠品が起こり、一方、売れないお店では、それらの商品在庫がだぶついている状況が起こるわけです。
私が小売業でバイヤーとして働き始めたころ、一番最初に、確実に目先の売り上げを上げる方法のひとつとして、気づいたことは、こういった欠品の防止でした。
限られた仕入予算の中で、仕入れた商品をすべて店舗に分配してしまうのではなく、店舗に最低限必要なだけの在庫を持たせておいて、残りは、物流センターに共有在庫として持つ。日々の販売データをウォッチしておき、一点売れたら一点補充するきめ細かいデリバリーを実現することによって、各店の欠品を極小化させると同時に、将来に向けてお客様をつなぎ留める、ということでした。
いわゆる、小売業におけるトヨタのジャストインタイム方式です。
その頻度は多く、売上から補充のスピードが速いほど効果的であることは、想像に難くないでしょう。
今では、週2回以上、多くて日曜を除く毎日、補充ができるしくみを作っていることが、勝ち組企業の共通項と言っても過言ではないでしょう。
その中でも、この三陽商会のバーバリーのケースは、知りうる限り、当日販売、翌朝補充という最短体制だと思います。
多くの企業が、まだまだできる!実現可能な欠品防止=売上アップの方法として、同社の補充物流への取組はベンチマークに値する事例だと思います。
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