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September 05, 2008

ファーストリテイリング、グループ1兆円のカギはやはり大型M&A

 9月4日~5日の日経新聞、日経MJ、繊研新聞、日本繊維新聞に、業界が苦戦する中、とてもいい形で本年8月期の営業を終えた、ユニクロを展開するファーストリテイリングの2009年8月期以降の経営方針発表に関する記事が掲載されています。

 業界の注目は、当然のことながら、2010年グループ年商1兆円達成に向けての戦略、見通しです。

 各紙の記事によると、

              08年8月期見込み  10年8月期目標
 国内ユニクロ事業   4592億円    → 6000億円
 海外ユニクロ事業    300億円    → 1000億円
 その他の事業+M&A  900億円弱? → 3000億円

○国内ユニクロ事業の大型店(500坪級)の坪効率アップ(現21万円/月→25万円/月)と計画通りの出店
○海外、特に韓国、中国などアジア出店の加速
○年商2000億円クラスのM&Aによる企業買収

 がポイントになります。

 それぞれのセクションともハードルは高いと言えますが、達成のカギになるのは、大型M&Aになるのは間違いなさそうですね。

 ところで、世界のファッションリテイラーのランキングですが、今年の4月に、「月刊ファッション販売」さんにも記事を書かせていただきましたが、その時点(07年度の決算数値ベース)では、

 1位 GAP(米)         
 2位 H&M(スウェーデン) 
 3位 インディテックス(スペイン;ZARAなど)
 4位 リミテッドブランズ(米;ビクトリアズシークレットなど)
 5位 ネクスト(英)
 6位 ファーストリテイリング(日;ユニクロなど)
 7位 アルカディア(英;トップショップなど)
 8位 しまむら(日)
 9位 アバクロ(米)
10位 プライマーク(英)

 でした。

 ※上記で、H&Mがインディテックスを上回っているのは両社の決算期と決算発表のタイミングの関係、実質インディテックスが2位です。

 本年度でインディテックスが世界1位になるのはほぼ間違いなさそうですし、大方のアパレル事業を売却したリミテッドブランズは年商1兆円未満に後退すると思われますので、ファーストリテイリングが計画通りに1兆円を達成したら、2010年には、

 1位 インディテックス
 2位 H&M
 3位 GAP
 4位 ファーストリテイリング?
 5位 リミテッドブランズ
 6位 ネクスト 

 もし、リストラ中のGAPが再三噂に出ている事業売却などの大リストラを進めたら、ファストリは3位に入るってなこともあるかもしれません。

 いずれにしても、日本企業で、グローバル出店にしても、グローバルソーシング(商品調達)にしても、M&Aにしても、ファストリほど、機動力のある企業はありません。遅かれ早かれ、同社が、GAPグループを抜き、世界が認める日が来ることを楽しみにしていたいと思います。

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