青山商事が店舗とネットの融合を図る新サイトを開設
9月19日の日経新聞、20日の繊研新聞に紳士服チェーン最大手の青山商事が9月24日から立ち上げるリアル店舗と連動したネット通販に関する記事が掲載されており、興味深く読ませていただきました。
サイト名は、「洋服の青山プレミアム」で、紳士服、靴など80品目の通販限定商品を提供し、注文した顧客は、
①最寄りの店舗(全国約760店舗)で商品を受け取り、試着した上で購入できる(「試着サービス機能」)
②自宅で直接商品を受けとる場合も、最寄りの洋服の青山が「アフターフォロー店舗」に割り当てられ、その後商品に何かあった時のフォローをしてもらえる
というサービスの模様です。
このサイト、サービスのスタートにあたり、既存の大きいサイズ・小さいサイズを専門に取り扱う「ワールドワイドサイズ」の商品にも同様のサービスを施し、一新するとのことです。
記事によると、同社は、「今期はネットで1億円の売り上げを見込む」とのことで、企業規模から言えば、ネット販売は実質まだ本格的に手をつけていなかったような状態ですが、リアル店舗を持つ企業が今後ますます広がる生活者の選択肢の多様化、それに伴う購買行動の変化に合わせて、顧客の利便性を高めるためにネットを活用する事例になりそうで面白いと思いました。
先日、大手システム会社の幹部の方々と業界の景気と先行きに関する雑談をするランチミーティングの機会がありました。
消費は低迷していると言われる、確かに、百貨店、量販店は軒並み前年割れを更新しているが、実態はどうなのか?本当に生活者は服を買わなくなったのか?
業界統計によるとアパレルマーケットの売上規模は1991年をピークに年々下がり続けているが、これは金額ベースであり、数量ベースでも本当に減っているのか?
既存の統計でカバーしづらい?国内外のネット通販購買、オークション、アウトレット、外資系企業のシェア拡大など、はどれだけその統計に反映されているのだろうか?
そんな疑問が飛び交いました。
実際、生活者には従来の流通以外に賢い買い物をするための選択肢は増えているわけで、たとえば
○原宿のセレクトショップでスタイリングを見て古着店で買う
○ベーシックアイテムならユニクロで十分、むしろ品質いいかも、最近ユニクロかっこ悪くないし
○リアル店舗で見て、ネットでもっと安いものを探す
○リアル店舗で現物を見比べて、ケイタイで注文して、手ぶらで帰る。あるいは、帰ってネットで注文する
○渋谷109で商品をチェックして、2週後に町田109で値下げされた商品を買う
○最近、都心近郊にできたアウトレットモールでも鮮度の高い、いいものが買えるようになった
○前倒しされる期末セールまで待つか、シーズン中の10%オフセールで買う
なんてことはよく聞く話になってきましたし、これからは、
○百貨店やセレクトショップでトレンドを確認してH&MやZARAで買う
なんて購買行動も常識になってくるでしょうね。
そんな多様な購買行動を取る生活者がこれだけネットやケイタイを駆使して情報武装している時代に、商品・サービスを提供するファッション企業は、従来型のリアル店舗網の拡大、従来型の商品計画、店頭での接客販売だけに固執していて、はたして、お客さんは満足し、継続的な成長は望めるのだろうか・・・生活者の方が先を行っているこの状況下で・・・
少なくとも、企業側は生活者のそういった流れにもっと敏感になって、素直に受け入れ、彼女彼ら以上に情報を使いこなし、半歩先回りするための情報武装をしないといけないですね。
ということで、皆が妙に納得し、お開きの時間となりました。
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【第6位】→stay (08.9.21現在)
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