選ばれるプライベートブランド(PB)の条件
今週の週刊ダイヤモンド10/18特大号、「流通大激変『選ばれる店』の秘密」 は、とても読みでがあり流通業界の方は必読だと思います。
普段、当ブログでも取り上げているニュースや共通する視点も多く、うなずきながら楽しく読ませていただいました。(実は、私も取材中インタビューされ、コメントの一部が取り上げられています)
百貨店、GMSのマーケットが縮小し、カテゴリーキラーにシェアを奪われ、業界や企業の論理ではなく、ますます賢くなる生活者に対応して行かないと生き残れない時代であることが論旨として貫かれています。
記事の中に、勝ち組と呼ばれる企業のトップのインタビューが多く掲載されていますが、彼らのプライベートブランド(PB)開発には共通点がありますので、まとめておきます。
○ユニクロ(柳井会長)・・・お客様に評価される商品を追求した結果、市場には店で売りたい理想の商品がなかった。だから自分たちで作ることになったわけで、SPA(製造小売り)化は方針に沿った結果にすぎない。
○無印良品(松井会長)・・・安くても、付加価値を乗せた「トレードオン商品」でなければ生活者から支持されない時代。メーカーや卸企業から仕入れて販売する小売り企業はそういった「トレードオン商品」を揃えることは難しい。だから自らの商品開発に磨きをかける。
○ニトリ(似鳥社長)・・・35年前、欧米の家具小売り店を視察したとき、日本の家具の価格は高すぎると思い、日本人の生活を豊かにするため、家具の値段を三分の一まで下げようと努力してきた。今、二分の一のところまで来た。業界の商品開発力は乏しいので、品質と値段が見合っているものを自らの手で作り、安く提供する。
今回の記事にはありませんが、以前日経ビジネスで読んだベイシアのPBづくりの発想を付けくわえます。
○ベイシア・・・顧客のために、エブリデーロープライスを実現するには、メーカーからの仕入れに頼っていたら限界がある。粗利稼ぎではなく、自らの粗利を削ってでもつけたい値段をつけるために(価格決定権を持つために)行っているのがPB開発。結果、ベイシアのPBは薄利。
もうおわかりだと思いますが、どこにでもある、安定的に売れる無難な定番商品で粗利をたくさん取ったり、メーカーの既存の製造ラインに相乗りして、ただパッケージを変え、大量発注して、販促費を削って低価格実現と粗利確保のために作られている世の中の多くの、こて先だけのプライベートブランド(PB)とは全く発想が違います。
奇抜な新商品を作るだけが商品開発ではありません。
既存の業界構造や力関係では実現できない、生活者の望む品質、価格、付加価値・・・それに信念を持って取組む企業こそが選ばれる企業なのだと思います。
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【第6位】→stay (08.10.15現在)
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