ユニクロの消費者参加型グローバルマーケティング
10月31日の日経新聞、繊研新聞に、記事の切り口は違いますが、ユニクロがこの秋冬に仕掛けている消費者参加型のグローバルマーケティングに関する記事が掲載されていました。
ひとつ目は、去年の秋に、今のユニクロの好業績の口火を切った「ヒートテック」素材アイテムを、世界の生活者に実際に試してもらい、そのビフォア・アフターをモニターして動画投稿してもらうというもの。
ユニクロが、日本の代表企業として、日本が世界に誇る、東レの機能素材を担ぐ。それを、今や、いち生活者が世界に対して情報発信できるツールのひとつである、インターネット動画投稿技術を使って、体感、モニターしてもたっら様を世界中の人が閲覧できるという企画。
昨年から続く、UTグランプリ(プリントTデザインの公募)は、ユニクロのグローバル性をアピールするのに一役買いましたが、その後続企画にあたるようで、この仕掛け、合わせ技、なんかシビレますね。ユニクロは、商社マンよりもグローバルで、先端営業手法で世界の生活者にリーチする繊維産業のセールスマンかもしれませんね(笑)。
もうひとつは、公募した一般モデルに、同社の重点販売商品を着せて世界中の街角を行進させるという
1回目は、この秋のトレンドアイテムのひとつでもあり、同社が100種類の柄を揃えたアメカジの定番、フランネルチェックシャツを着た一般モデル35人が行進しています(コーネリアスのBGM)。こちらも、UNIQLOCK(ユニクロック)のように、つい見入ってしまう、さわやかで、素敵なサイトだと思いました。
ユニクロはこの秋、得意の無地ベーシックアイテムから一歩進んで、「柄物」であるチェックワンピースを当て、このフラノのチェックシャツも間違いなさそうです。
先日、あるユニクロの店頭を見た時に、ユニクロ変わったな、と思ったことのひとつに、このフラノチェックシャツの陳列方式がありました。
従来のユニクロだったら、きっと、きちっとプレスして、シャツ畳みをし、色柄・サイズ別にきれいにエレクター什器に、棚置きされているはず。
ところが、そこでは、ヴィジュアルプレゼンテーションの一環もあると思いますが、古着屋さんのように、あえて色柄ランダムにラフな感じで、スリーブアウトのハンギング陳列がしてあったのです。それを若い子たちが、自分の好きな色柄はないかな、と一枚づつ、眺めている・・・そんな光景を目にしたものです。
そう、服種別に「陳列マニュアル」もあるかもしれないけど、ファッションアイテムって、ものによって、売り方の違いってあるんですよね。
それに柔軟に対応するようになって来たのは、明らかに同社の進化の姿だと思いました。
スキニージーンズに始まって、チェックワンピース、フラノチェックシャツ・・・そのシーズンのトレンドアイテムを遅れることなくマス化させる力を持って来た同社ですが、生活者が「ユニバレ」しないギリギリのところ、どのファッションアイテムまで同社が踏み込めるか?も興味が尽きないところです。
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Comments
ユニクロの後継者養成についての記事が日経新聞に掲載されていました。川嶋 幸太郎 著「なぜユニクロだけが売れるのか」を拝読しました。後継者の件が最大の今後の課題だと感じました。澤田氏、玉塚氏などのユニクロブームを支えた人々が去り、コンサルティング出身の堂前氏が鳴り物入りで入社したのですが、昨年に一度退職して出戻りの形で再入社したのを上記の著書で知りました。今後は柳井商店からの脱皮が注目されるところです。現在大株主の御子息をまさか後継者するのでしょうか?
Posted by: シマオカ | November 24, 2008 10:11 AM
シマオカさん
コメントありがとうございました。
ユニクロのいまがあるのは、創業経営者の柳井会長のカリスマ性、執念に尽きるといっても過言ではありません。あまりにも強い存在感に、その後継者は、いくら優秀でも、普通のサラリーマンに務まるものではないと思います。そういった意味で、私も後継者問題に非常に注目しております。
Posted by: taka | November 25, 2008 01:17 AM