東京のストリートファッションを世界へ
11月26日付の繊研新聞に同紙創業60周年記念企画として連載されている「繊維・ファッションビジネスの60年」の最終回。次にある結びの一節(同紙からの引用)は、日本の生活者等身大のストリートカジュアルが世界のファッションを牽引してゆくポテンシャルを持っている、と厳しい市況からなかなか抜け出せない業界を勇気づける内容で共感しました。
「近年、日本のストリートカジュアルは世界から注目されており、世界のファッションをリードしているといわれる。(中略)この流れを発展させ、進化、定着できるか、アジアの東端に生まれた異質なカルチャーとファッションに終わってしまうか、大きな岐路にある」
私も、日本、特に東京のストリートファッション文化は、今後、マンガやアニメなどのカルチャーと並んで日本の「世界に売れる」財産のひとつだと思っています。
そんな記事が掲載された今日、奇しくも私の過去のブログエントリー(関連エントリー※1、※2)の内容などに刺激を受け、実際ストリートスナップサイト、”BRIGIT(ブリジット)”を立ち上げた株式会社VARIANT(ヴァリアント)の宮本さんが表参道の事務所まで訪ねてこられました。
BRIGITファッションスナップサイト
宮本さんは、とても情熱とバイタリティのある方で、現在、日本に20くらいあると言われるストリートスナップ(略してストスナ)サイトの中で、立ち上げ間もないにも関わらず、毎週コンスタントに原宿で撮影した新しいスナップをアップしていることを評価され、クライアント、ネットワークも着々と広げられ、先日のNHKテレビ番組、「東京カワイイ★TV」の「ストスナ特集」にも登場されていました。
WEB2.0時代に、決して夢物語ではない、現実味のある彼の話に、しばし時間を忘れ、うなずきながら聞き入り楽しい時間を過ごしました。
私が東京ストリートファッションが世界から注目されているの気づかされたのは、ちょうど10年前、アメリカに住み、仕事をしていた98年、日本のバイヤーも憧れる複数の米大手ファッションチェーンのバイヤーたちから「お前は、東京から来たのか、東京のストリートファッションって面白いよね、俺たちは毎シーズンウォッチに行ってインスピレーションを感じてくるんだ」と聞かされた時でした。その後、日本のファッションチェーンで働いていた時もロンドンに出張して、買い付けしようとした新鋭ブランドの関係者と話す度に、「逆に東京でどんなファッションが流行っているのか、話を聞かせてくれ、とても興味があるんだよ」と真剣に聞かれたものでした。
いまや、世界の勝ち組ファストファッションSPA、H&M、ZARA、TOPSHOPの企画関係者が東京を重要なストリートファッションの定点観測地にしていることも有名な話です。
ファッションを世界から輸入して日本を豊かにしたいと情熱に燃えた商社マン時代。いまや日本は満たされ、東京は世界でもっとも多くのファッションが集まり、リミックスされるようになり、そんなオールドスタイルの商社マンスピリットの使命は終わったかもしれません。
これだけ東京が世界の中心になっている今となっては、特に、新世代の日本のファッション企業は、東京のファッションを世界に売ることを考えて頂きたいと思います。そんな動きを応援して行けたらと思う今日この頃です。
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※1関連エントリーファッションビジネスの常識を逆回転させる?ストリートスナップの魅力
※2関連エントリー‐スナップサイトの勢いと可能性
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Comments
東京カワイイ★TV観ました。
全国のスナップされたい人(私も)はガッカリしたんじゃないでしょうか。なんか、田舎から出てきた人がオモチャにされている感じがしました。もっと真摯にストリートスナップやファッションスナップをしている人達(他の20のサイトさん?)をノリでやってるような軽い見せ方がしましたし。出ている方がどういう意図で出ているかはわかりませんが、ああいうノリでしていると知ってちょっと悲しかったです。
Posted by: yuna | December 02, 2008 03:45 AM
yunaさん、こんにちは
率直なご意見ありがとうございました。
NHKの番組は私も録画で見ましたが、大衆TV番組だけあって、ストリートスナップをわからない人にも面白おかしくするために、ハウツー的に軽く仕上げていたため、正直、不快に思う方もいらっしゃるのではないかと思いました。
また、ストリートスナップと呼ばれるものの中には、一部ですが、ストリートのありのままではなく、スタイリストに着せかえさせられている「まがいもの」もあると聞いて少々がっかりしています。
少なくとも、あの番組に取材を受けた方々、協力した方々の中には、私が以前から存じ上げている方々、リスペクトしている方々も何人かいらっしゃりますが、彼女、彼らの名誉のために申し上げると、とても真摯な気持ちで、情熱を持って、地道に日本のありのままのファッション文化を伝えたいという気持ちでされている方々ばかりであることも事実です。
マスメディアは極端で、影響力が大きいから参りますよね。ホントに。
Posted by: taka | December 02, 2008 09:06 PM