プッシュ型マーケティングとプル型マーケティング
11月14日の繊研新聞に、この度来日された、日本進出10年目となるZARA(ザラ)を展開するインディテックスグループのCCO(チーフコミュニケーションオフィサー)、ヘスス・エチェバリアさんのインタビュー記事が掲載されていました。
同氏の言葉の中に、同社の経営理念を象徴する言葉がありますので、そのまま引用させていただきます。
「私たちが広告をやらないのも、一番良い面を切り取って見せても゛現実は店の中にある゛からだ。魅力的なブランドは口コミで集客でき、ディベロッパーから誘致してもらえる。店のロケーション、ウィンドー、店内ディスプレー、インテリアデザイン、カスタマーサービスの五つの要素が良いコンディションであれば口コミど良さが伝わっていく。」
マーケティング用語にプッシュ型とプル型という言葉があります。
アパレルビジネスに置き換えて、旧来型のシーズン見込み生産商品を広告宣伝で呼び、接客などにより売り減らして行くスタイルを「プッシュ型」とすると、SPA(製造小売)系はじめ、店頭をリアルタイムにアンテナとして活用できるファッションリテイラーは、実需を見ながら変化に対応して行くという点で、その多くは、「プル型」と言われています。
同じ世界の大手ファッションSPA企業でも、第1世代(ベーシック系)のGAPは広告宣伝費を使って計画商品を売り減らすプッシュ型色が強く、LIMITEDは立地こそ最大の広告宣伝と言い、広告宣伝費をほとんどかけず、その分、好立地の家賃に回し、路面でもSCでも極めて生活者の目につく場所に出店し、商品サービスを磨いて待ち受けるという点でプル型色が強い企業でした。
第2世代(ファストファッション系)は、そもそも、生活者の心の中に、いつ行っても新しい商品が並んでいるから定期的にチェックしようというポジショニングを作り上げ、待ち受けますので、根本的にプル型ですが、上記の通り広告宣伝を行わず好立地、オペレーションのスピード・精度に投資するZARAは超プル型、広告宣伝費もそこそこかけるH&Mはプル・プッシュ併用型と言えましょう。
ユニクロは・・・
広告宣伝って、派手でかっこいいけど、顧客を呼んだはいいけど、商品・サービスの準備ができていない時は逆効果になることは、マーケティングの基本中の基本だと思います。
そんな意味で、ZARAの理念に強く共感を覚えます。
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Comments
こんにちは、にしやんです。
深いですね、マーケティングって。。。
広告を出さない店がどうやって集客しているのか分かっていませんでしたが、
今回の記事を読んで良く分かりました。
これからも勉強になる記事を宜しくお願いします。
では、応援して帰ります。
Posted by: FX初心者のサラリーマンでも勝てる!脅威のFXシステムトレード講座 | November 18, 2008 12:52 PM
にしやんさん
コメントありがとうございます。
広告は強すぎると麻薬になるもの。
小売業は、日々の積み重ね、継続こそ力なりです。
Posted by: taka | November 20, 2008 09:34 AM