店頭情報活用の精度を上げるレッグファッションSPA
11月11日の繊研新聞に好調勝ち組レッグファッションSPA企業、チュチュアンナとタビオ(靴下屋)の2社に関する記事が掲載されていました。
チュチュアンナは07年度売上高111億円、ここ数年年間30店舗ペースで今年末には157店になる見込み。貿易子会社経由で80%を海外生産、20%は国内でQR(クイックレスポンス)対応。店の客層にあわせて、テイスト別に、
☆ ピンクレーベル‐基幹ブランドでヤングからミセスまで幅広くベーシックからトレンドまでを展開
☆ グリーンレーベル‐郊外SC向けトラッドテイストでヤングからキャリアをターゲット
☆ ブラックレーベル‐都心背伸びしたい女子高生
と使い分け、なおかつ立地にあわせてアイテムも靴下だけでなく、インナーウエア、ホームウエアを組み合わせて販売するところに特徴があります。
タビオ(旧社名ダン)は、レッグファッションSPA業態のパイオニア的存在「靴下屋」を基幹業態に、07年年度売上高145億円、283店(FC・海外込み)。
「日本の靴下産業の直営店」と言っても過言ではないほど、国産にこだわりつづけ、日本の靴下産地を背負って立つ代表企業です。(いつも表参道ヒルズのTabio利用させてもらってます)
同社は、従来は、生産側の都合のプロダクトアウト型品揃えが中心だったものが、最近では、種まき型、実験商品の販売実績から、店頭で売れ筋の芽を見つけては、サプライチェーンにフィードバックする方式も定着してきたようです。
昨年からスタイリングのトレンドにマッチしたレギンスやタイツなどのヒット商品に恵まれ、絶好調と言われていたレッグファッション業界でしたが、実は、「春夏物はヒット商品はなかったが、売上は落ちなかった」その裏には、同社の店頭起点で実験販売を繰り返しながら売れ筋を見つける仮説検証MDの精度向上があったようです。
個人的な話になりますが、私がアパレル小売チェーンで働き始めた時、ソックス、アンダーウエアーを含む服飾雑貨と靴のバイヤー兼ディストリビューターからキャリアをスタートさせてもらったことは、貴重な経験であり、今の仕事(在庫コントロール)のベースになっていると思っています。
特にソックスやアンダーウエアのようなアパレルに比べ単価が安く、回転の速いファッションアイテムで、小スペースでバラエティーを打ち出すことも出来たので、一方では、定番的な商品を1点売れたら1点補充、決して在庫を切らさない、いわゆるカンバン方式を徹底しながら、もう一方では、実験販売を繰り返し、データや店頭の顧客の反応を見ながら、芽が出たものを広げて行く楽しさがありました。販売実験が失敗したらしたで、アイテム特性上、在庫処理もやりやすかったですから。
つまり、ファッション小売で在庫補充の大切さと仮説検証の基礎がわかり、練習(と言っては失礼かもしれませんが)をするには、うってつけのアイテム群だったという訳です。
記事を読みながら、昔の仕事を思い出すとともに、両社でもそんな風に、店頭のお客さんの反応とデータを見ながら、楽しみながら仮説検証をしてゆく人財、そして商売人がどんどん育って行き、会社も伸びて行かれるといいな、と思った次第です。
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【第8位】→stay (08.11.11現在)
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