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January 31, 2009

伸びるランニング関連消費

 1月30日の日経MJ1面に2007年に始まった東京マラソンが契機になって盛り上がるランニング関連消費に関する記事が掲載されていました。

 以前スポーツウエアー、シューズ業界の方と世間話をしていたところ、スポーツ市場は、分野別に見ると、スキーを筆頭に野球、テニスなどDOスポーツ系は縮小の一途のようですが、ライフスタイル系、すなわち、カジュアルウエアとスポーツの境目的なアイテムであったり、ヨガ関連、そして近年のランニングブームで、マーケットは毎年微増しているとのこと。

 東京マラソン以降、ランニング関連市場は、国内外のスポーツブランドにプチ特需をもたらしているようです。

 記事によると、マーケットの拡大は20‐40歳代の女性が牽引、20代の男性もつられて?増えているとのこと。

 皇居の周りに、仕事帰りのOLやビジネスマンを狙った着替え用のロッカーとシャワールームを貸し出す拠点が増え、大手スポーツブランドも相次いでランニングのコンセプトストアを開業、各種イベントを開催しているようですね。

 気になるランニング愛好者の素顔と消費関連の話ですが、記事によると

 4割が世帯収入900万円以上、その他のスポーツ愛好家に比べて経済動向や景気、健康・医療、旅行などに特に関心が高い方々が多いようです(博報堂生活総合研究所調べ)。そこそこ高い収入を得る自分に投資を惜しまない教養人ってイメージでしょうかね。

 ランニングにはさほど費用はかからないイメージかもしれませんが、用品の購入だけで平均年間3万3423円、それ以外に施設利用費、会費、参加料、スクール料で平均年間6万9069円かけているとのこと。

 関連衣料品に季節(3ヶ月)ごとに支出する金額は?というアンケートには、一人あたりの最多価格帯は1万円~1万5000円、平均で行くと9000円弱というところでしょうか(日経MJ調べ)。これは隅におけないライフスタイル系ファッション消費の一部かもしれませんね。
 
 そんな拡大する「コト」需要を、アパレル企業も放って置く訳もなく、UAはサウンドグッドを立ち上げましたし(コンセプトはよかったものの、こだわりすぎて高いものばかりだったせいでしょうか、採算のメドが立たず撤退決定)、最近のユニクロの大型店を見ていると、ランニング関連消費を意識したようなファッション性の高いスポーツ向けアイテムが目につきます。

 ユニクロのそれらのラインの商品は、機能素材にこれまでのユニクロでは考えられなかった表地と裏地(蛍光色まで使ってる)の配色の洗練された美しさ、当然価格はアウターでも2900‐3900円と安い!米GAPも、成長マーケットと認識し、アスレタというライフスタイル系スポーツブランドを買収しましたしね・・・今年はユニクロが、次なる成長エンジンとして、ナイキ、アディダス、プーマ、アシックス、ミズノ・・・メジャーブランドが圧倒的に強いと言われるスポーツウエア市場に自らのアスレチックライン?で切り込み、風穴をあけようとしているのか?ちょっと興味深く観察しております。 

 余談ですが、健康に気遣う年ごろになった私も、今年からニンテンドーDS「歩いてわかる生活リズム」を使って、小5の娘ともども、毎日目標歩数達成を歩くことが快感になりました。春にはケイタイを買い替えようと思いますが、au Smart Sportsに対応する機種にでもして、数年ぶりにランニングを再開する機会をうかがっています。

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January 29, 2009

ファーストリテイリングがセオリーを完全子会社化へ

 1月29日の日経新聞、繊研新聞、日本繊維新聞に、ユニクロを展開するファーストリテイリング(ファストリ)が、現在株式の32.32%を保有し、持分法適用会社としていたリンクセオリーホールディングスをTOBにて買収、完全子会社化することを発表したことに関する記事が掲載されていました。

 買収額は295億円、これによりリンクセオリーHDは上場廃止となり、これまでファストリが出資比率分しか売上、利益計上していなかったリンクセオリーHDのそれは100%ファストリのものになり、連結売上高に数百億円の上乗せになるわけですね(リンクセオリーHDの08年8月期で売上598億円、営業利益20億円。但し最終損益は、09期も3期連続赤字見込み。海外子会社がうまくいかなかったのもあると思いますが、本業はしっかりしているので、磨きようで楽しみな買収)。ファストリとしては、ユニクロのアメリカでの拡大にあたってのネットワークにも活用できそうです。

 記事の見出しを見たとき、なるほど連結年商1兆円を目指しているファストリ、その手もあったか、と思いました。

 当初、ファストリがリンクセオリーHDに30%強出資したときも、業界の多くの人が同社の基幹ブランド「セオリー」は、ストレッチ素材のジャケットやパンツなどOLさん御用達のトレンドを取り入れながらも着まわしの利く上質ファッションベーシックの代表格ですからユニクロとの相性もいいし、相乗効果も見込めると思っていたことでしょう。

 生活者のコーディネートも「ハイ&ロー」が常識になりつつある昨今、「セオリー」のアウターを着て「ユニクロ」のニットをインナーに着るなんて着こなしをしている方も少なくないのではと思います。

 ファストリは、米GAPグループのブランドポートフォリオ戦略のように、

 松-バナナリパブリック→セオリー
 竹-GAP→ユニクロ
 梅-オールドネイビー→g.u(ジーユー)

 とい青写真を描いていたはずですから、その構想が次のフェーズに進んだと見るべきなのでしょうか。

 今回、100%子会社化にあたり、リンクセオリーHDの経営陣は今まで通り続投とのこと。それがベストかと思います。

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January 28, 2009

【ご案内】富士通ファッション総合展でのMD&在庫コントロール特別セミナー

 来る年2月5日木曜日に富士通株式会社さん主催のファッション総合展で、今年初のセミナー講師をさせていただきますのでご案内いたします。

 今回は、富士通グループの総合展での、2本立てのセミナーで、1部は、国内ファッションSPAビジネスの歴史の幕開けと言っても過言ではない、ワールドさんの「OZOC」のMDも務められ、現在幅広くMDコンサルティング活動をされているモード・インターナショナルの金田社長が講師をされる『MD企画開発セミナー』、2部は私の『在庫コントロールセミナー』になります。

日時:2009年2月5日 木曜日 13時~17時

会場:富士通ソリューションステージ東京33階 セミナールームA・B・C
    東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー33階
    【JR】山手線・埼京線『新宿』(西口)から徒歩10分

セミナー
一部:13時40分~14時50分(70分)
    『マーケットの変化の捉え方と品揃え企画について』
    モードインターナショナル社長 金田有弘氏

二部:15時00分~16時10分(70分)
    『店頭鮮度管理と在庫コントロールについて』
    ディマンドワークス代表  齊藤孝浩(私です)

※時間中、会場では、ファッションビジネスをサポートする13もの業務ソフトが一度に見れるデモ&展示会が開催されています。

 金田さんとは、IFIビジネススクールでは同じ講座でそれぞれ別のコマを受けもつご関係ですが、共演させていただくのは初めてになります。

 そんなわけで金田さんの講演は、過去に何度か聴かせて頂いたことがありますが、SPA・セレクト問わず年間、シーズンのマーチャンダイジング(MD)計画と週次の実践をMDやバイヤーの立場でとてもわかりやすくご説明くださいますので必聴です。 

 一方、私の方は、そんなプロセスで組まれたMD計画に基づき、バイヤー、ディストリビューター(在庫コントローラー)、エリアマネージャー、店舗スタッフがどのように変化に対応しながら、在庫コントロールを行い成果を上げるかの実践論、ツボをケーススタディ的にご紹介します。

 ちょっと長くなりますが(70分 x 2)、2つ聴いていただければ現代のSPAビジネスの実践的業務の体系的な流れがわかっていただけますし、どちらかご興味ある方1つでも明日から活かせる「気づき」を得ていただけるのではないかと思います。

 まだほんの少し席に空きがあるようなので、ご興味のある方は、早目に以下のURLからお申し込みいただくか、事務局にお電話ください。

 富士通ファッション総合展のご案内
 
【事務局】 
 富士通株式会社 首都圏営業本部 流通第三営業部 田島氏・江原氏
  Tel: 03-5323-7521
 Fax: 03-5323-7583

追伸:ブログをご覧になっていてセミナーご来場くださる方、当日、遠慮なさらず、是非、講演後にお声をかけてくださいね。喜んでお名刺交換させていただきます。

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January 27, 2009

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリー(投稿記事)をご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 百貨店、量販店などが12年連続の売上減少、コンビニの売上が百貨店売上を抜くなど消費のパラダイム転換の象徴的な数字が発表された1週間でした。

 安くて品質がよい、安くてデザインがよいはあたりまえ、もうひとつ、商品やサービスに生活者の心を豊かにする「ストーリー」を付加しないと堅い財布のひもは緩まない時代となったようです。
   
 さて、以下、ランキングです。どうぞご覧ください。 
   
【ランキング】

1位-ユニクロ着用率、ただいま急増中(09.01.16)

2位-レナウンのJクルー事業撤退に思う(08.08.18)

3位-パタンナーのいないSPA(製造小売業)の課題(09.01.21)

4位-2009年ファッションビジネスの視点(09.01.04)

5位-「絞り込み」の功罪(09.01.09)

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January 26, 2009

ドバイ投資会社イスティスマルが米バーニーズ売却へ

 1月25日の日経新聞によると、かつてユニクロのファーストリテイリングに競り勝ち、米百貨店バーニーズニューヨークを買収したアラブ首長国連邦(UAE)ドバイの政府系投資会社イスティスマルが、バーニーズ売却に向けて複数の買い手候補に打診をしていると報道されたことに関する記事が掲載されていました。

 記事によると、アメリカの消費が低迷する中、米バーニーズは、過大な負債と本業悪化で、財務状況が悪化。早期の業績回復は期待薄として売却に動いたとみられているようです。

 市場関係者は、イスティスマルが、07年9月に9億4230万ドル(約840億円)で買収したバーニーズも現在の適正価値を「3億―4億ドル(1/3程度?)」とみているとのこと。

 ファストリの買収参戦は、同社の国際知名度アップに貢献しましたが、結果、あの時買えなくてよかったということになるのでしょうか。

 果たして、イスティスマルの売却打診先にファストリは入っているのか?だとしたら、どう判断するのか?

 柳井会長も今年はM&Aの好機としており、買収対象は、ユニクロが進出国での店舗拡大のためのプラットフォームになる会社とおっしゃっていますね。

 うーん、こういう時期ですので、バーニーズよりは、実を取って、リミテッドブランズが株のマジョリティをファンドに売却したザ・リミテッド・ストアエクスプレス級のチェーンストアの方がよさそうな気がしますが・・・

 バーニーズの売却先、ファストリの買収先それぞれに興味が尽きませんね。 

【追記】2月13日の日経MJによると、イスティスマルの持株会社会長は、同売却打診報道を「何も発表しておらず、買い手を探したこともない」と否定したとのこと。

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関連エントリー-ユニクロのファストリ、米バーニーズ買収を断念
関連エントリー-米リミテッドブランズ社 リミテッドストア売却でファッションアパレルビジネスから実質撤退

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January 25, 2009

北風と太陽

 1月23日の繊研新聞の「視点」という記者の方によるコラムと思われる欄に「機会を作る」という見出しの話が載っており、いい話だったので、ご紹介します。

 生活者が、高価な洋服やアクセサリーが素敵だと思って買ってもなかなか使う機会が無いもの。

 ある婦人服メーカーの社長さんが「身につけて行く場所がないから多くの消費者は安いカジュアル商品に流れている」と思い、機会を作ればタンスの肥やしを身につけたり、新しい物を買うのではないかと発想、ホテルでパーティーを開催したところ、高価な洋服やアクセサリーなど新たな需要につながった、という話。

 こういう前向きな話、好きですね。

 イソップ寓話になぞらえて言えば、今、売れないからと、固定客にむやみにアプローチをする頻度を増やしたり、あるいは安くすれば売れると顧客の気持ちに配慮のない低価格戦略をとるような「北風」方式よりも、顧客が輝く素敵な機会を作ることによって、顧客自らが進んで新しい需要に動く「太陽」方式が功を奏したわけですね。

 生活者は、無駄なものは買わないのではなく、そんな新しい機会、新しい買い方、新しいストーリーを求めているのではないでしょうか?

 忘れかけてたそんな発想、身の回りでも、働かせてみてはいかがでしょうか?

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関連エントリー-プッシュ型マーケティングとプル型マーケティング

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January 23, 2009

オバマ効果で「Jクルー」関連記事にアクセス集中

 オバマ大統領の就任式典で、大統領夫人の手袋がJ.Crew(Jクルー)だったらしく、また、ふたりの娘さん10歳のMaliaちゃんと7歳のSashaちゃんもJ.Crewのコートを着用していたことが報道され、アメリカではJクルーに問いあわせが殺到、という朝のTVニュースを見た後、このブログにも「オバマ効果」があったことがわかりました。

 検索エンジン経由でJクルーについて書いたエントリーへのアクセスが高まり、単日で記事別アクセス件数第2位!

 レナウンのJクルー事業撤退に思う

 但し:これらのオバマ家が着用していたJクルー商品は特注品らしく、店頭では購入不可とのこと。
 
 Jクルーは、残念ながら、日本から撤退になりますが、アメリカでは、元GAPのミラード・ドレクスラーCEOの活躍で好調とのことです。
 
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January 22, 2009

こんな時こそ売り場から学ばなくっちゃ

 1月21日の繊研新聞のめ・て・みみというコラム、ルミネの賀詞交換会でのビームスの設楽社長がスピーチされた時の記事を読んで・・・

 設楽社長が、参加された企業幹部の方々に、「皆さん、初売りで売り場にいきましたか?」という一声から始まったスピーチに、会場がシーンと静まったという話。

 おいおい、業界、大丈夫かいな、というのが感想です。

 そういう設楽社長はもちろん、初売りから店舗を回って自分の目で売り場、顧客の動向を見ながら、スタッフを激励していますし、UAの岩城社長も今年から毎週日曜日は店頭に立って接客にあたるとのこと。

 やっぱりファッションビジネスの原点は売り場にあるんですよね。

 本部員が店頭に立つことがそぐわない業態だって、販売応援しなくとも、顧客のように売り場に入って、顧客の反応、声を耳にしたり、バックヤードの在庫状況を確認することはいくらだってできるわけです。

 そして、自社の商品を喜んで買って下さるお客さんの笑顔や言動をしっかり心に焼けつけること。

 小売業で働く原動力、楽しさって、そこから始まるんじゃないんですかね。

 こんな時こそ、企業トップ、本部の方々が、率先して、初心に帰って、売り場に立って何かを感じることが大切なんではないかな、と思えてなりません。 

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January 21, 2009

パタンナーのいないSPA(製造小売業)の課題

 1月19日の繊研新聞に、あるレディースパンツ専門店が、全国10-60代の女性を対象に行った、ネットでのパンツ購入体験に関する調査結果が掲載されていました。

 対象者のうちネットでパンツを購入したことのある52%の女性のうち、実に78%がサイズで失敗したという回答をしているとのこと。

 その理由としては、

・店ごとに表記が異なるから・・・70%

・自分のサイズがわからない
 自分にぴったりのサイズがわからない・・・45%
 自分にぴったりのサイズをみつけることができない・・・50%

 だったそうです。

 ブランドによってサイズが違う、同じブランドだって、商品、シーズンによってサイズ感が違うということもざらにあるのが業界の現実です。

 先日あるSPA(製造小売業)企業の方とお話をしていた時のこと。

 この企業は、これまで、複数の外注メーカーに製造委託をして、自社は情報分析と販売に特化することによって成功してきた企業です。

 最近、マーケット同質化対策として、社内にデザイナーとパタンナーを入れたところ、パタンナーから、この会社には「マスターがない」、と指摘されたとのこと。

 つまり、複数の仕入れ先に生産を委託するのは構わないのですが、デザインや仕様書は提出するにしても、パターン(型紙)は仕入れ先それぞれにおまかせで、統一感がなかったということに気付かされたという話です。結果、店頭に並ぶ商品のサイズ感が商品によって変わる可能性もあるだろうな、という話。

 この企業は、カジュアル系の会社なので、さほど、大きな問題にはなっていなかったようですが・・・これまで自社企画機能をそれほど重視してこなかった小売出身SPAにとっては、知らず知らずのうちに顧客がサイズに不満を抱えているというこの課題に将来的には、手をつけてゆく必要があるかもしれません。

 昔、商社や欧州ブランドのジャパン社でアパレル生産の担当をしていたころ、私がどんな方々に一番仕事を教えていただいたかな、と思い返すと、真っ先に思い浮かぶのがパタンナーの方々。デザイナーやMDから無理難題を言われ、悩んだ時は、必ず彼ら彼女らのアトリエに足を運んで相談に乗ってもらったもの。

 パタンナーは、アパレル生産の裏方で活躍されている、私がもっともリスペクトしている職種のひとつです。
 
 最近は、生産現場から久しく離れている私ですが、そうそう、彼ら彼女らは、ブランドを立ち上げる時、まずブランドの基本となるシルエット、サイズ感を決めるマスターパターンを引くことをもっとも大切にしていたなぁ、と懐かしく、そしてあらためてその必要性が思い出されます。
 
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関連エントリー-基準なくなる服のサイズ

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January 19, 2009

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリー(投稿記事)をご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 新聞を読めば、毎日のように、百年に一度の不況という言葉が目に付きますが、先日、日本繊維新聞のトップインタビューで、ルミネの花崎社長が、語られていた非常に前向きな2つのことわざ、格言に好感したので引用させていただきたいと思います。

◎『誰のためにもならない風は吹かない』(イギリスのことわざ)

◎『今一番強いものだけが生き残るわけではない。一番賢い物が生き残るわけでもない。変化できるものだけが生き残る』(進化論)

 今は、これらを信じて行動に移せるかどうかに尽きるのでしょうね。 
  
 さて、以下、ランキングです。どうぞご覧ください。 
   
【ランキング】

1位-ユニクロ着用率、ただいま急増中(09.01.16)

2位-「絞り込み」の功罪(09.01.09)

3位-2009年ファッションビジネスの視点(09.01.04)

4位-ユニクロが英百貨店セルフリッジに出店(09.01.14)

5位-マーケットシェアと顧客シェア(09.01.13)

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January 16, 2009

ユニクロ着用率、ただいま急増中

 1月16日の日経MJの1面に、同紙が20歳以上の男女約1000人を対象に行った、ユニクロでの購買、着用状況に関するインターネット調査の結果が掲載されており、大変興味深く読ませていただきました。

 いろんな結果が掲載されているのですが、気になるところをご紹介します。

1.この1年間でユニクロでの買い物金額が増えたという全体の2割の人がその分買うのを減らした店は?(上位3位)

 百貨店約45%
 ファッションビル系衣料品店40%
 セレクトショップ33%

2.この秋冬シーズン外出するときにユニクロの服をどこまで着ている?

 アウター(ダウン・コート) 女性21%、男性33%
 アウター(ジャケット)   女性17%、男性25%
 シャツ・セーター      女性62%、男性61%
 ボトムス           女性40%、男性36%
 肌着(下着・ソックス)   女性52%、男性53%

 以前もブログで触れましたが、雑誌のストリートスナップ特集やネットのスナップサイトに出てくるおしゃれな子を見ていても、ユニクロを取り入れている人が増えていますね。特に、

 ①デニムやカラーパンツなどのボトムス
 ②襟もとだけチョイ見せのシャツ・カットソー
 ③無地のタートルやVのニット

 が多く、アウター系はあまり見かけないのは、上記の調査の数字とも合致するところがありますよね。

 これについて、ストリートスナップサイトBRIGITの宮本さんが書いたコラムもご参考まで

 ストリートに見るユニクロコーディネート

 業界は、この現実を直視する必要がありますね。

 ところで、先日、業界の方々と、ある大手企業がこれから立ち上げる新ブランドのポジショニングマップを見ながらざっくばらんに話をしていました。

 この新ブランドは業界の定石通り、縦軸に価格(高⇔低)、横軸にテイスト(カジュアル⇔エレガンス)のマトリクスをつくり、同ブランドと競合ブランドの位置づけの違いを説明していたのですが、それを眺めていて、この従来型のポジショニングマップの作り方が何かナンセンスに見えて来ました。

 あくまでも業界目線のマップ!しかもマップの中にユニクロが入ってない!

 これだけ生活者のタンス、クローゼットの中のユニクロの構成比が高まっているのに・・・

 生活者の現実を直視しているなら、これからのブランドポジショニングマップには、生活者目線で、縦軸の価格はいいにしても、横軸に着用シーンを取り、ユニクロ、ファストファッション、古着さえも入れて考えなければならないのではないかと。

 もしかしたら、むしろ、これだけ影響力を強めたユニクロを中心に置き、生活者のライフシーンにおける、ユニクロとの違い、共存を明確にした方が分かりやすいのではないかと思えてなりません。

 ちょっと長くなりますが、12年前、私がIFIビジネススクールの生徒として、太田伸之さんの講義を受けていた時に印象的だった話のひとつを思い出します。

 当時、アメリカの著名ファッション誌(VOGUEだったかな?)に定期的に掲載されていた、その時、その時のファッション好きなニューヨーカーのライフスタイルを象徴的に描いた挿絵がありました。一人暮らしの彼だったか彼女だったかの部屋には、誰もが欲しがるラグジュアリーブランド、ハイエンドブランドが並ぶ。その人物がGAPのTシャツを着て過ごしていたその絵を見て、太田さんは、

 『これは衝撃的な事実だ。そんな時代にブランドのあり方、ものづくりの本質をしっかり考え、学んで欲しい!』

 と力説をしていらっしゃいました。

 十数年経った今、日本のファッションマーケットはその時のアメリカと同じことに直面しているようです。あるいは、今のユニクロは、あの時のアメリカにおけるGAPよりも手ごわいかもしれません。

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関連エントリー-アナタはユニクロが嫌いですか?
関連エントリー-自己実現の欲求時代のファッションビジネス

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住友商事がアシェット婦人画報社に出資、雑誌『エル』のECサイトを運営

 1月15日の日経新聞、16日の繊研新聞、日本繊維新聞に、住友商事が、マルチチャネルリテール戦略の一環として、フランスのメディアコングロマリット、ラガーデールグループ傘下のアシェット婦人画報社の株式34%を取得し、人気ファッション雑誌『ELLE(エル)』のECサイトを運営することに関する記事が掲載されています。

 同社は出資にあたり、役員を含む人員を送り込み、新規事業としてEC部門を立ち上げ、雑誌「エル」、既存サイト「エル・オンライン」と連動しながら、ラグジュアリーブランドから新鋭ブランドまで100のブランドを販売し、初年度60万人の会員を見込み、4年後にはアシェット婦人画報社の年商の5割を超える100億円規模にしようというものです。同社の子会社でTV通販最大手である、ジュピターチャンネルあたりとの連動も期待できそうですね。

 その昔、商社アパレル部門と雑誌出版社の関係となると、商社が人気雑誌のブランド名の商標使用権(ライセンス)を取得し、量販メーカーに切り売りしてライセンス料のピンはねをするのが関の山だったと思います。

 しかしながら、いまや、知名度のあるネーム、ブランド名を借りてきて付けさえすれば(ライセンス)商品が売れるというビジネスモデルは終焉しつつあると思います。

 住友商事の今回の出資は、、商社と言えども生活者のマインドを理解しながら、直接リーチし、腰をすえて事業を育成しなければ未来はない、ということを体現しようとしているように思えます。
 
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関連エントリー-住友商事ネットスーパー事業参入の先見性
関連エントリー-住友商事の地に足のついたライフスタイルリテイル事業

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January 14, 2009

ユニクロが英百貨店セルフリッジに出店

 1月14日の日経新聞に、2月下旬、ユニクロが、イギリスの高級百貨店、セルフリッジのロンドン旗艦店の中に、メンズ専門ショップをオープンすることに関する記事が掲載されていました。

 日本繊維新聞(ニッセンメディア)のサイトに少し詳しく出ていますのでご紹介しておきます。

 ユニクロ、英高級百貨店セルフリッジに出店 初のメンズ専門店

 ニッセンメディアの記事によると、

 紳士服フロア内、30坪、「コンテンポラリー・クールジャパン」をコンセプトに、MADE IN JAPANのデニム、リネンコットンジャケット、コットンカシミヤセーター、スウェットパーカーなどを揃える模様です。

 ロンドンの百貨店と言えば、日本の観光客にはハロッズやリバティの方が有名かもしれませんが、ファッション業界にいる人にとっては、ロンドンのマーケットリサーチに行く際、絶対外せないのが、このセルフリッジですね。

 私もロンドンに通っていたころは、セルフリッジのゾーニング、ブランド構成、そして、あるコーナーを定点的に観ることで、ロンドンファッションの旬のブランドを知ることができたため、欠かせなかったものです。

 数年前、伊勢丹本店メンズ館が改装で話題を呼び、その後ブレイクしましたが、なんかセルフリッジみたいだななんて思ったのは私だけではないはず。そんな格付けの素敵なファッション百貨店ですよ。
 
 ロンドン、このセルフリッジではEVISジーンズ始め、日本のブランドの評価は高く、その一角にユニクロが食い込むとは・・・うーん、凄いなと言わざるを得ません。ロンドンっ子の中での知名度、イメージかなり上がりそうです。

 ロンドンでクールジャパンを担ぐユニクロ、何かびっくり、そしてワクワクしてきましたね。

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関連エントリー-ロンドン・ハイストリートファッション・マーケットリサーチ

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January 13, 2009

マーケットシェアと顧客シェア

 1月13日の日経新聞に流通最大手セブン&アイホールディングスが旅行代理店業やカルチャー教室などサービス業を本格的に展開し、5年後には500億円の取扱高を目指すことに関する記事が掲載されていました。

 同社は新会社セブンカルチャーネットワークに西武百貨店やイトーヨーカ堂などグループ会社が一部店舗で運営している事業を譲り受け、まずは英会話やダンス教室のカルチャー教室を、今秋には旅行代理店業をはじめる模様で、同社傘下の百貨店やセブンイレブンなどで順次取次を行うとのことです。

 これまで圧倒的に店頭での物販が中心だった同グループがサービス業を強化しようという話。

 この記事を読んでいて、私の職歴の中で商社、アパレルメーカーを経験し、その後小売業へと転身するにつれてマーケットに対する認識の変化を強く感じた当時のことを思い出しました。

 私は同じファッションビジネスの中でも、商社という流通の中でも「川上」に近いところからスタートし、その後、縁あって、卸、小売ビジネスと「川下」、生活者に近づきながらキャリアを過ごしました。

 商社や卸にいるころは、アパレルや雑貨などの取扱商品について、仕入予算をもって商品を買って下さるMD、バイヤーが何に興味を持っているかに関心を持ち、その枠の中で、いかに競合他社よりもたくさん買ってもらうか、常に業界を「タテ」に見ながら仕事をしていたように思います。

 一方、小売ビジネスに転じてからは、店頭で買って下さるのは一般生活者であり、彼ら彼女らが今、どんなことに興味を持ち、何が欲しいのか、限られた予算の中で、どんなことにお金を使うのかに関心を払いながら、どんな商品、サービスを提供するかを考えるようになりました。すると、一転、業界タテ発想ではなく、生活者の視点でマーケットを、業種横断的に「ヨコ」方向に見る癖が付いてきた自分に気づいたものでした。

 このタテからヨコへの視点の変化、視野の広がりはとても画期的だったと思いました。葦の髄から天井(生活者)を覗いていたのが広角レンズに変わった、あるいは大げさかもしれませんが、文字通り、舟に乗って川上から川下に川を下って来て、大海に出た時の感じと言っても過言ではないくらいの違いだったように思いましたね。

 そんな視点でマーケットをとらえて、行動に移せる可能性、舞台を持っているのは、ある意味、リテイルビジネスに携わる者の役得ではないかなとも思っています。

 そんな「ありがたみ」を感じながら、生活者の購買行動の変化に応えるべく、マーケットシェアの取り合いから顧客シェアを広げることを考えることが、これからの我々の使命ではないかなと感じたものでした。

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関連エントリー-流通段階と仕事の発想、サイクルの違い

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January 12, 2009

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリー(投稿記事)をご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?
 
 12月度売上、初売りと、今年の厳しさを予感させる結果だったようですが、マーケットのパラダイム転換が加速する今年こそ、各社待ったなしで、仕事の仕方を生活者起点の発想、オペレーションに切り替えたいところです。
 
 以下、今年初のランキングです。どうぞご覧ください。 
   
【ランキング】

1位-2009年ファッションビジネスの視点(09.01.04)

2位-百貨店でセールの再値下げ1週前倒し(09.01.08)

3位-絶好調、アズール・バイ・マウジーのチャレンジ(08.10.23)

4位-「絞り込み」の功罪(09.01.09)

5位-住友商事ネットスーパー事業参入の先見性(09.01.02)

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January 09, 2009

「絞り込み」の功罪

 最近、業界新聞を読んでいると、多くのアパレル企業のトップの方が厳しい市況の中、「商品型数の絞り込み」を口にされているのを目にします。型数を絞り込めば、確かに品番あたりの発注ロットが大きくなり、値入もよくなるし、在庫管理もしやすくなり、売れない時代に、いかに効率を高めて、少なくとも利益だけは確保しようという意図は理解できますが、指示を受けた現場が上手に運用しないと少々危険な感じがしてしまいます。

 経験的に、ファッションリテイルビジネスにおいて、不振事業(ブランド)、恒常的不振(赤字)店の絞り込み(リストラ)は当然だと思いますが、店頭の品揃えにおいては、絞り込み=「引き算」をした時、すなわち何かを切り捨てる一方で、別の何かを増やさない限り、客数、売上は必然的に減るものと思っています。ゆえに、品揃えは維持、または増やしながら、いかに上手に管理、コントロールするかの腕を磨くべきだと考えます。それが同質化時代の生き方ではないかと・・・。

 昨年12月のユニクロの既存店売上前年対比は、またもや業界他社が軒並み9がけの中、ひとり二桁増を上げ、今期売上予測の上方修正を発表しましたが、同社の店頭を見ていると、実に他社の数倍「明るい」ですね。

 とびきりカラー数が豊富なのは皆さんお気づきだと思いますが、業務的に言うと、多くのアパレル企業が型数絞り込みの掛け声のもと、SKU数(カラー、サイズ別といった最小管理単位)を減らしているのに対し、ユニクロは、カラー数増加によりSKU数は大幅に増えているのですよね。

 しかも業界他社がコンサバなダークカラー中心で、在庫リスクを嫌って、さし色(さほど売れなくても目を引くためにつけるシーズン流行色)を最小限にとどめているのに対し、ユニクロの流行をおさえての鮮やかで豊富なカラー展開はとても対照的といわざるを得ません。(残念ながら、売れ筋の中心サイズ抜けを放置している様はまだ改善されていないようですが・・・)

 もともとユニクロは、SKU数が少ないですから、いまでも他のアパレルチェーンの方がまだまだSKU数は多いかもしれません。 しかし、顧客から見た時

○ ユニクロ・・・以前より品ぞろえが豊富になったなぁ
○ 多くのアパレル企業・・・以前より物足りなくなって、つまらなくなったなぁ

 と見られてしまうのではないか、そんなところにも敏感なお客さんがユニクロに流れる要因があるのではないかなと思いながら店頭を歩いて回りました。

 話は逸れますが、先日、すっかり話題に上らなくなった、ユニクロの廉価版、g.u(ジーユー)の店頭を久し振りに、見て来ました。

 ユニクロ同様、とてもカラフルで、デザインはユニクロより少し凝っていて、なおかつ安い(ユニクロが1990円くらいのものは1490円)。面(ツラ)も以前のように安っぽくありませんね。おっ、これいいなぁと手にとってしまう商品もちらほらあって・・・

 ただ個人的には、アクリルやポリエステルやTC(ポリエステルの混率が高い綿混)の素材が肌に合わないもので、すっかり大人サイズになった小5の娘用に、数点試し買いをしながら、g.u(ジーユー)は、しばらく見ないうちにだいぶ進化したなぁと感じたものです。芸能人、高橋ジョージ、三船美佳夫妻を起用したプロモーションも始めてますね。

 当初、知名度も低く、量販系のいわゆる「1000円玉メーカー」から調達したのではないかと思うような品揃え、結果、ひどい業績だったので、最近ではメディアではほとんど取り上げられていませんでしたが、こちらも努力、改善、進化の跡がしっかり見られます。なんか、商品の見せ方とかプロモーションの工夫で、浮上の芽も見えてきたような気がしました。きっと、今後もユニクロでうまく行った成功事例を応用させて行くことでしょう。

 話を戻しますが、アパレル各社が、事情により、もし、品揃えを絞り込む(引き算する)としたら、一方で、それを上回る、いままでになかったどんな価値を生活者に提供(足し算)できるのか?そのあたりをしっかり突き詰めて実行に移していただきたいと思います。

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【第9位】↑up (09.01.09現在)

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January 08, 2009

百貨店でセールの再値下げ1週前倒し

 1月8日の日経新聞に百貨店各社が従来であれば初売りから3週目に行う、いわゆるセールの「再値下げ」を、1週前倒しして、明日の9日から実施するとの記事が掲載されていました。

 皆さんご存じのように百貨店のセールは、

①初売り~2週間 30%OFF →ここでだいたいセール売上の60%くらい?を消化

②3週目~     50%-70%OFF

 の2段構えが一般的だと思いますが、

 記事によると、今年は、2週目(9日~)から

○高島屋全店の婦人ブランドの7割近く、紳士、雑貨の一部を上記②の値引き率の再値下げへ
○西武百貨店とそごう全店の紳士、子供服 同上
○伊勢丹自主売り場の一部は7日から再値下げ済み、9日から主要ブランドも

 とのことです。

 百貨店の初売りは前年割れ、駅ビルも2日の初日こそ多くの主要施設で新記録を達成したものの、2日目以降失速とのこと。

 12月の後半には、百貨店の一部のラックでセールは始まっていましたし、初売り福袋とバーゲンが同時スタートするのもあたりまえになってしまいましたが、今回は特に、緊急事態と言えましょう。この措置により、1月の各社の業績がどうなるか、その後、2月はどう対応するのかが注目です。

 再値下げを狙っていた方は、今週末百貨店に向かってみてください。
 
 一方、年初のいい話としては、各社福袋が売れた、下着などの消耗品バリューパックが売れた、イトーヨーカ堂の「下取りセール」は高額品がよく動いたなどなどを耳にしましたが・・・

 前者の福袋やバリューパックもいいですが、イトーヨーカ堂の策のように、大手企業は、今年は、生活者のタンスにたまっている在庫点数を棚卸し、不用品を処分してもらい、スペースを作って買い替え需要を促すくらいのことを考えないと、値段だけでもなかなか買ってもらえないかもしれません。

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January 07, 2009

海外生産におけるCSR(企業の社会的責任)問題

 先週の記事になりますが、1月1日の繊研新聞に、今年あたりはそろそろ関心が高まるのではないかと思われる、企業が海外生産する際の委託工場に対するCSR(企業の社会的責任)問題に関する専門家の方のインタビュー記事が掲載されていました。

 ここ数年、食の安全は日本でも大きな関心となりましたが、安くて高付加価値のファッション商品がいったい、どんなところで、どんな風に作られているのか、少なくとも、児童労働や、不法移民、違法な低賃金や長時間労働といった過酷で人権無視の労働条件の上に成り立ってはいないか?

 日本より小売業のグローバルなソーシング(商品調達)活動が進んでいて、人権問題にシビアな欧米では極めて関心の高い問題であります。

 10年も前に商社で海外生産に携わっていた際、アジアやアメリカの縫製工場に行くと、欧米ファッションチェーンから視察員が来ている、という話をよく聞かされました。

 また、海外のファッションビジネス系のニュースを読んでいると、古くはリーバイス、ナイキ、GAPあたりが、最近では、H&M、TOPSHOP、PRIMARKなどの発展途上国でローコストで生産しているファストファッション系企業がメディアや消費者団体から疑いをかけられたり、突き上げをくらっていたり、それに対して防御策を強化しているなんて話をよく目にするものです。いわゆるSWEATSHOP(スウェットショップ=強制労働工場)問題というやつですね。

 日本の場合は、最近でこそ、フェアトレードという言葉が静かに話題に上り始めましたが、まだまだ、小売業を筆頭に、販売商品の責任は仕入業者任せ、商社任せという体質なのではないかなと思います。原産国やカシミヤ混紡率の偽装の問題、並行輸入とニセモノの区別がつかない問題も根っこは同じようなところにある気がしますね。

 ちなみに、それらの判例の多くは、確かに仕入れ業者も悪いですが、半分はそれを調べもせず、販売して生活者に迷惑をかけた小売業の責任として、小売業も裁かれているのが現実です。小売業にとっては裁かれるうんぬんより、生活者の信頼を失うことの方がダメージが大きいです。

 前説が長くなりましたが、記事によると、世界のCSRは

第1段階 取締を徹底して、年齢偽装や不正を摘発する

第2段階 発注する企業が一緒になってなって生産性向上に取り組みサプライヤーを育てる

第3段階 生産性向上により従業員の待遇を改善し、人材獲得、品質維持・向上を目指す
 
 というステップがあるようですが、この専門家の方は、日本企業はようやく第1段階の認識を始めたばかりではないかとのことでした。
 そのきっかけも、08年くらいから欧米のクライアントが日本企業の発注工場に監査員を入れることを求め始めたからだそうで、09年はその傾向がますます強まりそう、と、これもまた、日本の体質を変えるきっかけは「黒船」なんだなぁと感じたものです。
 
 海外の委託工場に対して、パートナーシップをもって末長く安定供給を望むのなら、やはり第3段階を目指したいところですよね。

 それこそグローバル企業の真の競争力だと思います。

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【第8位】↑up (09.01.06現在)

関連エントリー-アパレル生産でも今後避けては通れない?人権問題
関連エントリー-社会的責任投資(SRI)が拡大

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January 04, 2009

2009年ファッションビジネスの視点

 1月3日の日経新聞によると、今年の初売りは、百貨店が来店客数増も売上前年割れ、GMSが前年並、イトーヨーカ堂グループが業態転換したザ・プライスのようなネオ・ディスカウント業態は転換前と比べると大幅増(倍とか)という結果だったようですが・・・昨年のブログエントリーの中から、今年のビジネスキーワードになりそうな記事を用いながら、今年のファッションビジネス、マーケットについての視点をいくつか考えてみたいと思います。

1.良品廉価?

 1月1日の日本繊維新聞には、業界主要各社へのアンケート結果をまとめて、「良品廉価」というキーワードを出されていました。生活者が良品廉価を、よりあたりまえに享受できるマーケットになることはとてもよいことですが、業界各社が横並びで、それだけを目指して仕事をしていたらユニクロの後追いに過ぎず、いつになっても追いつけないのではないかなぁ、と思わざるを得ません。

 なんか、バイヤーが商談の席で、メーカーの営業マンに「いいか、品質落とさず、安いの持ってこいよ!」なんて言ってる姿だけが目に浮かんでしまいますね(笑)。

 安易な低価格戦略はユニクロの思う壺(つぼ)?

 ある急成長中勝ち組企業では、商品企画をするあたって、必ず、商品ひとつひとつについて、お客さんにとってのメリットが「3つ以上」あるかどうかを社内で議論し、それをクリアしたものだけを商品化しているそうです。

 こちらはとても共感できる話ですね。

 いまや、生活者にとっては、①低価格で②品質がよい、のは当たり前の時代で、3つめの何かがないと厳しいと思います。ユニクロもH&Mもその他の常勝ファッション企業もすでに顧客の視点で見た3つ以上のメリットを持っていると思いませんか? 
 
2.ファストファッションマーケットの拡大

 あらてめて、ファストファッションとは・・・低価格ながら、価格以上の価値をデザイン性とスピードで提供する企業

 そんな生活者の新しいファッションポートフォリオ(使い分け)にハマる企業のシェアはH&MやZARAのような外資系や、ポイントのローリーズファーム、ジーナシスなどの国内ファッションSPAの拡大、浸透で一般的に定着しそうです。この場合は、デザインとスピードを優先させたので、品質はBESTではなくとも、1シーズン着れれば十分のENOUGHでしょう。是非是非、「価格をデザインする」企業の努力にご注目ください。

 次に来る流通革命
 価格をデザインせよ

3.店舗演出、エンターテインメント性への投資が進むか?

 09年秋に銀座にアバクロが1号店をオープンしますが、アバクロ日本上陸の本質は、単なるアメリカ人気ブランドの上陸ではなく、同ブランドが、日本のファッションストアに対して、もっと感動や共感を呼ぶ店舗演出やエンターテイメント性向上に革新的な刺激を与えてくれることと期待しています。

 すでにそんなチャレンジを始めている企業もありますね。

 絶好調、アズール・バイ・マウジーのチャレンジ

4.どこまで等身大MDに迫れるか?
 
 顧客の支持を得るためには、まず、ターゲット顧客と同じ目線、生活観、共感から始まり、半歩先回りした提案が必須なのは誰もがわかっているはずですが、今後も、その実践、徹底、スピードが優勝劣敗を決めることは間違いなさそうです。

 自己実現の欲求時代のファッションビジネス 
 サプライチェーンからディマンドチェーンへ

5.もっとストリートファッション

 東京ストリートは365日繰り広げられているリアルなランウェイ、世界のファッションビジネスに携わるクリエーター、バイヤーも注目しています。そんな情報源の身近にいるのですから、もっともっと肌で感じて、インスピレーションを得ない手はありませんよね。
 自らも定点観測をしながら、広がりつつあるストリートスナップ(ストスナ)からも目が離せませんね。

 東京のストリートファッションを世界へ

6.リアルとネットの使い分け

 賢い生活者の購買行動を手助けした企業がネットの覇者になると確信しています。

 リアル店舗とウェブストア(ECサイト)の使い分け
 住友商事ネットスーパー事業参入の先見性

7.鮮度高まるアウトレットモール

 昨年で出店は一段落ついた感はありますが、今年は近郊型アウトレットモールやさらに広がるインターネット上のアウトレットがより生活者のお買いものの選択肢として定着しそうです。

 三井アウトレットパーク入間開業、変わるアウトレットモールの位置づけ
 インターネット上のアウトレット販売が拡大中

8.ファッション商品のリサイクル

 ファッション消費の出口、そして、新しい買い回りの選択肢として、ファッションリサイクルマーケットがどこまで拡大するか、とても興味深いところです。

中古ファッションマーケットの潜在性
来年はファッションのリサイクルビジネスがどこまで広がるだろうか?


 ざっとそんな感じで、ほかにもいろいろあるかと思いますが、今年も大きくパラダイムが転換する日本のファッションマーケット、生活者を取り巻く環境、事例をウォッチして行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします!

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January 02, 2009

住友商事ネットスーパー事業参入の先見性

 1月1日の日経新聞に、大手商社の住友商事がネットスーパー事業に参入することに関する記事が掲載されていました。

 同社は、二百数十億円を投じて子会社の中堅スーパー「サミット」と共同で専用の配送センターや食品加工を設置。顧客が午前中にインターネット経由で生鮮食品、日用品を注文すると最短2-3時間、午後には自宅に商品が届くというもの。代金は、クレジットカードまたは銀行引き落とし。配送費は300円程度となる見込み。2009年10月から販売をスタートする予定とのこと。

 イオンやイトーヨーカ堂などの大手スーパーが店舗から配送するタイプのネットスーパーは増えて来ましたが、無店舗型のネットスーパー専業は大手では初めての試みとのことです。

 同社は、2019年までに、同インフラを利用して、自社以外にも中小規模のスーパー3-4社の配送も請負い、全国36ヵ所の配送センターを設置、会員数50万―60万世帯、年商1100億円を目指すとのこと。

 実は、このニュース、1月1日に自宅に届けられた4つの新聞(日経、日経MJ、繊研、日本繊維)の全記事のうちで、私の中で、もっとも「スパーク」した記事でした。

 三菱商事とイオンの資本提携、業務提携が年末に話題になったように、三井物産とセブン&アイ連合、伊藤忠とユニー連合、丸紅とダイエー連合など、大手商社が、既存の流通(GMS)と組んで川下流通の陣取り合戦に躍起になっている最中、既存流通(過去)と組むのではなく、無店舗型ネットスーパー(未来)にフォーカスし、投資を行うこの住友商事の一手が、他社よりも一歩も二歩も進んでいると思うのは私だけでしょうか?

 当然、「サミット」というスーパーマーケットを運営し、世界最大の通販グループ、独オットーと組んだ「住商オットー」(長年の提携も、現在は、株式売却し、契約解消済み)およびエディーバウアーでの学び、実績、TV通販最大手「ジュピターショップチャンネル」の運営など、先見の明を持って早くからリテイルマーケットで実践を重ねて来た同社だからできる発想、決断、投資なのでしょう。 

 ちなみに百貨店やスーパー(GMS)の市場規模が年々縮小する中で、食品宅配事業は2010年には07年の7950億円から1兆1250億円に拡大する見込みらしいです(日経記事より;矢野経済研究所調べ)。

 個人的な話になりますが、年の瀬にうっかり買い忘れたものがいくつかあって(すべて日用品)、それぞれ別のネット通販を行う3つの会社に注文を出しました。12月30日、31日にもなっていたので、どうせ到着は年明け5日過ぎか、と覚悟していましたが、いずれも年末年始全く関係なく、注文の翌日、または翌々日に商品が届けられたので、びっくりした経験をしました。

 また、それとは別に、知人から本を勧められたり、新聞広告や電車の中吊広告で興味を持った本があれば、即座にケイタイからアマゾンに注文するのが当たり前になっていますし、書店の店頭でおもしろそうな本を見つけても、ハードカバーは持ち帰るのも重いですから、直後にその場でアマゾンに注文してしまうなってことも多くなりました。

 そんなネット通販各社の努力は、今後も生活者に買い物に行く面倒、手間を大いに省き、あるいは、買い物に行っても手ぶらで帰ってこれることを実現することでしょう。

 店舗を増やす感覚で、ただ売上増を期待してネットビジネスに参入するのではなく、生活者の購買行動の半歩先回りした一手こそ今の時代に求められるビジネスセンスだと思います。

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関連エントリー‐住友商事の地に足のついたライフスタイルリテイル事業

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January 01, 2009

【謹賀新年】1月1日の繊研新聞に㈱ポイントの櫻井常務様との対談記事が掲載されました

 あけましておめでとうございます。今年が皆さんにとってよい年でありますように。

 さて、早速ですが、1月1日の繊研新聞(4面)に、私が㈱ポイントの櫻井常務様と対談させていただいた様子をまとめた記事が掲載されましたのでお知らせいたします。

 繊研新聞さんの記事はいつも客観的に取り上げさせていただく側だったのですが、2009年正月、とうとう登場人物側になってしまいました(笑)。

 内容は、

 ○ファストファッションの定義について
 ○銀座、原宿に出店したH&Mを見ての感想
 ○今年上陸するフォーエバー21、アバクロのインパクト、期待
 ○日本のファッション企業がどうファストファッションブームを乗り切るか

 などについて業界一般とポイントさんの考え方、対応についてざっくばらんにお話させていただいたものです。

 2時間弱の対談(+α)でしたが、櫻井常務の語るポイントさんの考え方は非常に明快でわかりやすく、立ち位置がはっきりしていて、ぶれない強さを感じ、とても刺激と勉強になりました。

 やはり、同社やマルキュー系勝ち組ブランドなどが実践しているように、周りに振り回されるのではなく、ターゲット顧客のことを考えて、同じ目線で先回りした等身大の商品企画・販売に徹すること、そしてそのスピードを極めること、勝ち残りの要件はそれに尽きることを確認した楽しいひとときでした。ありがとうございました。

 記事の中で私が語っている「サークル状のSCM(サプライチェーンマネ―ジメント)」というのは、それらを図式化したもので私がディマンドチェーン(顧客起点の需要の輪)と言っているやつです。対談中、記者の方含めて受けがよかったので、今年はもっと広めていきたいなと思います。

 対談の内容に関連した過去のブログエントリーが2つあります。ご興味ございましたら、参考までにお読みください。

 ぶれない立ち位置

 サプライチェーンからディマンドチェーンへ 

 最後にとても光栄で素敵な機会をセッティング頂いた、繊研新聞さんに感謝申し上げます。Sさん、Oさんありがとうございました。

 繊研新聞ホームページ

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