ファーストリテイリングがセオリーを完全子会社化へ
1月29日の日経新聞、繊研新聞、日本繊維新聞に、ユニクロを展開するファーストリテイリング(ファストリ)が、現在株式の32.32%を保有し、持分法適用会社としていたリンクセオリーホールディングスをTOBにて買収、完全子会社化することを発表したことに関する記事が掲載されていました。
買収額は295億円、これによりリンクセオリーHDは上場廃止となり、これまでファストリが出資比率分しか売上、利益計上していなかったリンクセオリーHDのそれは100%ファストリのものになり、連結売上高に数百億円の上乗せになるわけですね(リンクセオリーHDの08年8月期で売上598億円、営業利益20億円。但し最終損益は、09期も3期連続赤字見込み。海外子会社がうまくいかなかったのもあると思いますが、本業はしっかりしているので、磨きようで楽しみな買収)。ファストリとしては、ユニクロのアメリカでの拡大にあたってのネットワークにも活用できそうです。
記事の見出しを見たとき、なるほど連結年商1兆円を目指しているファストリ、その手もあったか、と思いました。
当初、ファストリがリンクセオリーHDに30%強出資したときも、業界の多くの人が同社の基幹ブランド「セオリー」は、ストレッチ素材のジャケットやパンツなどOLさん御用達のトレンドを取り入れながらも着まわしの利く上質ファッションベーシックの代表格ですからユニクロとの相性もいいし、相乗効果も見込めると思っていたことでしょう。
生活者のコーディネートも「ハイ&ロー」が常識になりつつある昨今、「セオリー」のアウターを着て「ユニクロ」のニットをインナーに着るなんて着こなしをしている方も少なくないのではと思います。
ファストリは、米GAPグループのブランドポートフォリオ戦略のように、
松-バナナリパブリック→セオリー
竹-GAP→ユニクロ
梅-オールドネイビー→g.u(ジーユー)
とい青写真を描いていたはずですから、その構想が次のフェーズに進んだと見るべきなのでしょうか。
今回、100%子会社化にあたり、リンクセオリーHDの経営陣は今まで通り続投とのこと。それがベストかと思います。
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Comments
毎回ブログ楽しく読ませてもらっています。
質問なんですが、
2008年末に多国間繊維協定(MFA)は撤廃されたときいたのですが、
これによってアメリカへの中国製衣料品輸出は簡単になったのでしょうか?そうであるならば、現在9割が中国製といわれるユニクロのアメリカ出店は進みそうですか?
Posted by: 大学生 | January 30, 2009 09:46 AM
大学生さん
コメントありがとうございました。
いわゆるQUOTA(クオタ)という欧米の商品品目別、原産国別輸入規制ですが、廃止になった2008年も、ともに、国内産業保護を目的としたセーフガードが発動され、以前よりはマシなものの、実質規制はかかったようです。
そんな具合で、完全自由化への道はもう少し先になりそうですね。
しかしながら、ユニクロは、チャイナプラスワンということで、バングラデッシュやベトナムあたりの生産も拡大していきますので、そのあたりはぬかりないのではないかと思います。
むしろ、ユニクロがGAPのホームグラウンド、アメリカでどこまで支持されるのかの方がネックですね。
Posted by: taka | January 31, 2009 02:44 PM